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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第一百六十五節:妥协

幽暗(ゆうあん)とした密室(みっしつ)(なか)に、(こころ)(きよ)める白檀(びゃくだん)(かお)りが(ただよ)っている。


方源(ほうげん)座布団(ざぶとん)跏趺(かふ)()し、()には一匹(いっぴき)東窗蛊(とうそうこ)()まんでいる。


()()信道(しんどう)(ぞく)し、四转(してん)(しな)である。


外見(がいけん)瓢虫(てんとうむし)(ごと)くだが、背中(せなか)甲羅(こうら)窓枠(まどわく)のような方形(ほうけい)()しており、重要(じゅうよう)消息(しょうそく)蓄積(ちくせき)する(ため)専用(せんよう)()である。


()()は、方源(ほうげん)代価(だいか)(はら)って宝黄天(ほうこうてん)から(わざ)わざ購入(こうにゅう)したものだ。


()中身(なかみ)は、(すべ)て「意志(いし)」に(まつ)わるものばかりである。


墨瑶(ぼくよう)意志(いし)潜伏(せんぷく)して以来(いらい)方源(ほうげん)()れら関連資料(かんれんしりょう)収集(しゅうしゅう)(つづ)け、多額(たがく)仙元石(せんげんせき)(つい)やしてきたのである。


()東窗蛊(とうそうこ)は、最早(もはや)(はじ)めて()にした一匹(いっぴき)では()い。


良久(りょうきゅう)方源(ほうげん)(おもむ)ろに双眼(そうがん)(ひら)いた。


()眼差(まなざ)しは(つめ)たい(いずみ)(ごと)()()っている。


膨大(ぼうだい)貴重(きちょう)資料(しりょう)が、(かれ)の「意志(いし)」へ(たい)する理解(りかい)一段(いちだん)(ふか)めさせた。


(ねん)」「()」「(じょう)」の三者(さんしゃ)同根(どうこん)(みなもと)より(はっ)する。


()(なか)前二者(ぜんにしゃ)智道(ちどう)帰属(きぞく)し、()(ほか)流派(りゅうは)とも(おお)くの連関(れんかん)を持つ。


智道(ちどう)は、()開創(かいそう)(はじ)めより、蛊師(こし)智慧(ちえ)追及(ついきゅう)する流派(りゅうは)であった。


(ひと)思考(しこう)する(とき)脑海(のうり)には無数(むすう)の「(ねん)」が()()がる。


()()(ねん)(たが)いに衝突(しょうとつ)し、(ある)いは合体(がったい)し、(ある)いは相殺(そうさい)され、(あたら)しい(ねん)形成(けいせい)する。


()(すなわ)思考(しこう)結果(けっか)なのである。


此等(これら)(ねん)は、(さら)分類(ぶんるい)(こま)かく()かれ、(たが)いに(こと)なる特質(とくしつ)(ゆう)している。


(なか)でも、(もっと)有名(ゆうめい)なのは「執念(しゅうねん)」である。


蛊仙(こせん)臨終(りんじゅう)(さい)(いだ)執念(しゅうねん)は、天地(てんち)偉力(いりょく)(むす)()き、福地(ふくち)(なか)地霊(ちれい)形成(けいせい)する。


蛊師(こし)たちは()()(ねん)(もと)づいて、無数(むすう)関連蛊虫(かんれんこちゅう)(そう)(しゅつ)してきた。


(たと)えば、東方余亮(とうほうよりょう)(かつ)使用(しよう)した星念蛊(せいねんこ)方源(ほうげん)(いま)(もち)いる空念蛊(くうねんこ)、そして蛊仙(こせん)たちが常用(じょうよう)する神念蛊(しんねんこ)などが()れである。


(いく)つもの(ねん)凝集(ぎょうしゅう)して(ひと)つと()り、「()」を形成(けいせい)する。


()(つね)()われる(ごと)く:「()意会(いかい)()く、言伝(げんでん)()からず」。


()言語(げんご)をもってしては(つた)(がた)く、()(いん)文字(もじ)表現限界(ひょうげんげんかい)()えている。


()(こころ)をもって、(ひと)霊性(れいせい)をもって体得(たいとく)するより(ほか)()いのである。


最初(さいしょ)智道蛊師(ちどうこし)たちが創煉(そうれん)したのは、天意蛊(てんいこ)であった。


()れを(もっ)天地(てんち)大道(だいどう)運行(うんこう)する奥妙(おうみょう)体感(たいかん)し、(さらに)天地(てんち)真理(しんり)(さと)(こと)で、(みずか)らの修業(しゅうぎょう)()(すす)めたのである。


(のち)次第(しだい)発展(はってん)し、殺意蛊(さついこ)随意蛊(ずいいこ)如意蛊(にょいこ)得意蛊(とくいこ)悪意蛊(あくいこ)画意蛊(がいこ)(など)(あらわ)れた。


()の中で(もっと)有名(ゆうめい)なのは、人祖伝(じんそでん)(なか)記載(きさい)される、伝説(でんせつ)意外蛊(いがいこ)である。


智道(ちどう)発展(はってん)(ともな)い、世代(せだい)()えた蛊師(こし)たちの()()()探求(たんきゅう)結果(けっか)彼等(かれら)(あら)たな発見(はっけん)をした:


(いく)つかの「()」が(から)()い、融合(ゆうごう)する(こと)で、「(じょう)」へと()るのである。


悲情蛊(ひじょうこ)柔情蛊(じゅうじょうこ)詩情蛊(しじょうこ)(など)は、(みな)()(なが)れに(ぞく)する。


魅道(みどう)()(なか)から派生(はせい)したものである。


(なか)でも(もっと)有名(ゆうめい)なのは、(おな)じく『人祖伝(じんそでん)』に登場(とうじょう)する——愛情蛊(あいじょうこ)である。


(ねん)()(じょう)……」


方源(ほうげん)(ひく)嘆息(たんそく)した。


理解(りかい)(ふか)まれば(ふか)まる(ほど)に、(かれ)(ひと)つの事実(じじつ)痛感(つうかん)する——


現在(げんざい)(かれ)智道(ちどう)への造詣(ぞうけい)をもってしても、墨瑶(ぼくよう)意志(いし)抹消(まっしょう)する(こと)不可能(ふかのう)だということを!


両者(りょうしゃ)実力差(じつりょくさ)は、(あま)りに大き(おおぎす)ぎる。


(たと)えて()うなら、意志(いし)への造詣(ぞうけい)において、方源(ほうげん)(ちい)さな土丘(どきゅう)()ぎず、墨瑶(ぼくよう)意志(いし)(そび)()山峰(さんぽう)である。


()して()(やま)(じつ)如何(いか)なる(たか)さで、如何(いか)雄大(ゆうだい)であるのか——


(あつ)(けむ)りに(つつ)まれて、(いま)見定(みさだ)める(こと)出来(でき)ないのである。


墨瑶(ぼくよう)造詣(ぞうけい)は、最早(もはや)方源(ほうげん)理解(りかい)できる次元(じげん)()えていた。


()数日間(すうじつかん)接触(せっしょく)(さぐ)()いの中で、()方源(ほうげん)(ふか)印象(いんしょう)(きざ)()み、高山(こうざん)(あお)()るが(ごと)く、()実力(じつりょく)全容(ぜんよう)(はか)()れぬ(かん)じを(いだ)かせた。


()(おお)きな厄介者(やっかいもの)を前に、(みずか)らの()処理(しょり)する(すべ)()以上(いじょう)如何(いか)にすべきか?


座布団(ざぶとん)()わったまま、(しず)かに思索(しさく)(かさ)ねた(のち)方源(ほうげん)()冷然(れいぜん)とし、(なに)かしらの決意(けつい)(かた)めた。


(かれ)意識(いしき)自身(じしん)脑海(のうり)(とう)じた。


()(ひと)つの(ねん)()かべただけで、墨瑶(ぼくよう)意志(いし)()れを(かん)()り、暗黒(あんこく)意識空間(いしきくうかん)に、優美(ゆうび)誘惑的(ゆうわくてき)姿(すがた)(あら)わした。


(わらわ)提案(ていあん)()()れよう。


近水楼台(きんすいろうだい)霊縁斎(れいえんさい)(おく)(とど)けることを約束(やくそく)する。」


方源(ほうげん)(ふた)つ目の(ねん)(つた)えた。


墨瑶(ぼくよう)(ひとみ)一筋(ひとすじ)異色(いしょく)(はし)った。


彼女(かのじょ)は、方源(ほうげん)()(ほど)(はや)妥協(だきょう)(えら)ぶとは予想(よそう)していなかった。


()数日間(すうじつかん)()()きを(つう)じて、墨瑶(ぼくよう)痛感(つうかん)していた——


方源(ほうげん)()(おとこ)は、驚異的(きょういてき)意志力(いしりょく)(つよ)自主性(じしゅせい)(あわ)()ち、剛胆(ごうたん)にして強硬(きょうこう)性格(せいかく)()(ぬし)であることを。


性格(せいかく)運命(うんめい)()める。


()かる(もの)は、梟雄(きょうゆう)()ろうと英雄(えいゆう)()ろうと、()(せい)まれながらにして人傑(じんけつ)たる運命(うんめい)なのである。


彼女(かのじょ)が「六臂天尸王(ろっぴてんしおう)」の殺招(さっしょう)提示(ていじ)しながら、(さい)()一歩(いっぽ)()えて(かく)したのは、(たん)なる(えさ)というより、(むし)彼女(かのじょ)立場(たちば)表明(ひょうめい)する(ため)であった。


彼女(かのじょ)()っていた——


方源(ほうげん)聡明(そうめい)さをもってすれば、(かなら)ずや(おの)(つた)えたい真意(しんい)理解(りかい)するだろうということを。


元来(がんらい)彼女(かのじょ)予想(よそう)では、(すく)なくとも七、八日(しちはちにち)()たない(かぎ)り、方源(ほうげん)協商(きょうしょう)(えら)(こと)()(はず)だった。


(しか)るに現実(げんじつ)には、一日(いちにち)()たぬ(うち)に、方源(ほうげん)(みずか)らが彼女(かのじょ)(もと)(おとず)れたのである。


「ふむ…時流(じりゅう)()(もの)こそ俊傑(しゅんけつ)たる所以(ゆえん)


()(ちぢ)自在(じざい)なるこそ、(しん)大丈夫(だいじょうぶ)というものよ。


()れども()()大多数(だいたすう)(もの)は、(おの)能力(のうりょく)という(おり)()()められ、(おご)(たか)ぶって(こうべ)()れることを()らない。


歴史(れきし)(かえり)みれば、数多(あまた)人傑(じんけつ)(たち)が『一歩(いっぽ)()けば海闊天空(かいかつてんくう)』の道理(どうり)理解(りかい)しながら、いざ(おの)()()()かると、()たして()れを実践(じっせん)できる(もの)一体(いったい)何人(なんにん)いるだろうか?」


墨瑶(ぼくよう)意志(いし)は、(かす)かな感概(かんがい)吐息(といき)()らした。


近水楼台(きんすいろうだい)(たし)かに(すぐ)れたものだが、()()()っては、()恩恵(おんけい)はさほど(おお)きくはない。


貴女(きじょ)(いく)らかは()っているだろうが、()(ごろ)私は狐仙福地(こせんふくち)(けん)で、仙鶴門(せんかくもん)から派閥(はばつ)一員(いちいん)宣言(せんげん)される()となっている。


霊縁斎(れいえんさい)仙鶴門(せんかくもん)(とも)中洲十派(ちゅうしゅうじゅっぱ)一角(いっかく)だ。


其処(そこ)近水楼台(きんすいろうだい)返還(へんかん)するなど、容易(ようい)(わざ)では()い。」


方源(ほうげん)(つづ)けて()()えた。


「ふふふ…」


墨瑶(ぼくよう)意志(いし)口元(くちもと)()(おお)い、嬌声(きょうせい)()げて(わら)った。


小少年(しょうしょうねん)貴方(あなた)()わんとする(ところ)()かっているわ。


安心(あんしん)しなさい、貴方(あなた)(わたし)(あと)(たく)(もの)なのだから。招災蛊(しょうさいこ)貴方(あなた)のものだし、(わたし)害意(がいい)など毛頭(もうとう)ない。


仙蛊屋(せんこや)返還(へんかん)重大事(じゅうだいじ)であること、()危険性(きけんせい)も、勿論(もちろん)よく()かっている。


()任務(にんむ)完遂(かんすい)するには、最低(さいてい)でも蛊仙(こせん)(ちから)()る。


()れから(わたし)全力(ぜんりょく)()げて貴方(あなた)蛊仙(こせん)になるのを(たす)ける。


八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)(くぐ)()計画(けいかく)にも、全工程(ぜんこうてい)(つらぬ)いて輔佐(ほさ)するわ。


(わたし)煉道(れんどう)(こころ)()については、()れを一体(いったい)どれほど(さと)れるかは、貴方(あなた)次第(しだい)よ。」


墨瑶(ぼくよう)(かた)()えると、()さばき(かる)(ひと)()りした。


一道(いちどう)意唸(いねん)が、方源(ほうげん)心頭(しんとう)自然(しぜん)()かび()がる。


()中身(なかみ)は、(まさ)殺招(さっしょう)六臂天尸王(ろっぴてんしおう)」の(さい)()关键(かぎ)となる部分(ぶぶん)であった。


方源(ほうげん)即座(そくざ)不満(ふまん)()()(ただ)した。


地魁尸(ちかいし)だと? 間違(まちが)っていないのか? ()れが貴様(きさま)()第六(だいろく)飛僵蛊(ひきょうこ)というのか?」


地魁尸蛊(ちかいしこ)(こと)なら、(かれ)はとっくに()っていた。


地魁獸(ちかいじゅう)()()せ、(すじ)()(かわ)()いで主材料(しゅざいりょう)とし、数十種(すうじゅっしゅ)蛊虫(こちゅう)(あつ)め、(さら)地底(ちてい)九百里(きゅうひゃくり)(ふか)きにある陰土(いんど)と、数百年(すうひゃくねん)(もの)山吸草(さんきゅうそう)晦潮花(かいちょうか)などを()いて煉成(れんせい)する。


(たし)かに()威力(いりょく)並大抵(なみたいてい)では()く、修羅尸(しゅらし)天魔尸(てんまし)血鬼尸(けっきし)夢魘尸(むえんし)病瘟尸(びょうおんし)(なら)五转(ごてん)たる(よし)はある。


(しか)(なが)ら、飛行(ひこう)能力(のうりょく)()っていないのである。


飛行能力(ひこうのうりょく)()ければ、(どう)して『飛僵(ひきょう)()()えようか?」


方源(ほうげん)疑問(ぎもん)(こた)えて、墨瑶(ぼくよう)傲然(ごうぜん)(わら)った。


(ぼん)なる地魁尸蛊(ちかいしこ)では、(とう)(ぜん)不可能(ふかのう)よ。


だが、(あね)ちゃんは何者(なにもの)だと(おも)っているの?


ふふっ…とっくに蛊方(こほう)改良(かいりょう)し、(あたら)しい地魁尸蛊(ちかいしこ)煉成(れんせい)()みなのよ。


蛊師(こし)使用(しよう)すれば地魁僵尸(ちかいきょうし)()し、(つばさ)()いながらも、地磁元能(ちじげんのう)利用(りよう)して天空(てんくう)飛遁(ひとん)し、自由自在(じゆうじざい)方向転換(ほうこうてんかん)できるわ。」


(はな)しながら、(また)(ひと)つの意唸(いねん)(つた)わってきた。


()れは改良版(かいりょうばん)地魁尸蛊(ちかいしこ)蛊方(こほう)そのものである。


方源(ほうげん)一瞥(いちべつ)するや、()()(またた)(うち)(かがや)きを()した。


()蛊方(こほう)には、墨瑶(ぼくよう)大胆(だいたん)()巧妙(こうみょう)(いく)つかの素材(そざい)追加(ついか)していた。


(なか)でも(とく)に、主材料(しゅざいりょう)として『元磁精元(げんじせいげん)』が(くわ)えられている。


(まさ)()れが、地魁尸蛊(ちかいしこ)改良(かいりょう)可能(かのう)にした(もっと)重要(じゅうよう)要素(ようそ)なのである。


方源(ほうげん)(すこ)思索(しさく)(めぐ)らせ、前世(ぜんせ)五百年(ごひゃくねん)経験(けいけん)()って()蛊方(こほう)実現性(じつげんせい)()()き、(おも)わず感嘆(かんたん)(こえ)()らした。


脑海(のうり)(なか)で、墨瑶(ぼくよう)意志(いし)得意(とくい)げに高笑(たかわら)いした。


小少年(しょうしょうねん)、中々(なかなか)()(たか)いじゃない。


()れは()し、煉道(れんどう)とし(て)の素養(そよう)(すこ)しはあるようだ。


(ただ)()()けるが()い、()殺招(さっしょう)貴方(あなた)土台(どだい)(うえ)(しば)(つく)()げた草創版(そうそうばん)()ぎぬ。


()ずは何人(なんにん)かで(ため)し、()(あと)自身(じしん)検証(けんしょう)することを(すす)めるわ。」


方源(ほうげん)(かろ)(うなず)いた。


六臂天尸王(ろっぴてんしおう)』の殺招(さっしょう)は、()威力(いりょく)絶大(ぜつだい)で、以前(いぜん)の『四臂地王(しひじおう)』や『四臂風王(しひふうおう)』の()(ばい)(ちか)くに(たっ)する!


威力(いりょく)が大き(おおき)ければ、一旦(いったん)失敗(しっぱい)した(とき)反噬(はんせい)も、当然(とうぜん)強烈(きょうれつ)()激烈(げきれつ)なものとなる。


方源(ほうげん)以前(いぜん)四臂地王(しひじおう)』を(ため)せたのは、()危険性(きけんせい)(おお)きくなく、()()可能(かのう)だったからである。


()の『六臂天尸王(ろっぴてんしおう)』は、(はなし)(べつ)というものだ。


第三層(だいさんそう)第三層(だいさんそう)形成(けいせい)された!」


聖宮(せいきゅう)内外(ないがい)に、歓呼(かんこ)(こえ)(てん)()るがさんばかりに(ひび)(わた)る。


(いろ)とりどりの霞光(かこう)は、相変(あいか)わらず濃密(のうみつ)に立ち()めている。


(とき)経過(けいか)(とも)に、八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)形成速度(けいせいそくど)()一方(いっぽう)だ。


(あたら)しく出現(しゅつげん)した第三層(だいさんそう)は、人々(ひとびと)の探索欲(たんさくよく)(さら)にかき()てている。


八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)各階層(かくかいそう)には、(ひゃく)関所(せきしょ)(もう)けられている。


前方(ぜんぽう)関所(せきしょ)比較的(ひかくてき)(やさ)しいが、後方(こうほう)(すす)むに()れて難易度(なんいど)急上昇(きゅうじょうしょう)し、褒賞(ほうしょう)一段(いちだん)豪華(ごうか)になる。


大多数(だいたすう)蛊師(こし)にとって、後方(こうほう)関所(せきしょ)突破(とっぱ)する(ちから)()く、前方(ぜんぽう)関所(せきしょ)褒賞(ほうしょう)最早(もはや)衆人(しゅうじん)争奪(そうだつ)(まと)()っているのである。


聖宮(せいきゅう)東門(ひがしもん)を急ぎ(ある)きで()()さんとしていた十数名(じっすうめい)蛊師(こし)一団(いちだん)がいた。


()(とき)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)第三層(だいさんそう)形成(けいせい)衝動(しょうどう)が、彼等(かれら)(あし)()めさせた。


蒋凍(しょうとう)()(かえ)り、聖宮(せいきゅう)頂上(ちょうじょう)(そび)える楼閣(ろうかく)一瞥(いちべつ)して()ややかに(はな)()らした。


隊列(たいれつ)中の(ちゅう)の馬鴻運(ばこううん)()かって()(はな)つ。


「貴様ら(きさまら)黄金部族(おうごんぶぞく)蛊師(こし)(ども)仕合(しあ)わせ(もの)だ。


八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)関所(せきしょ)褒賞(ほうしょう)は、どれも貴様ら(きさまら)を立身出世(りっしんしゅっせ)させて(あま)りあろうぞ!」


馬鴻運(ばこううん)(おろ)()(わら)(ごえ)()てた。


隊長(たいちょう)()(とお)りであります、ははは。


(ただ)残念(ざんねん)なのは、()(わたくし)血脈(けつみゃく)(うす)く、八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)(はい)ること(かな)いません。


でなければ、(なか)一目(いちもく)()(まわ)るだけでも良い(よ)いのですがね。」


(たと)黄金族(おうごんぞく)(たみ)巨陽仙尊(きょようせんそん)末裔(まつえい)(いえ)ども、(かなら)ずしも八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)出入(でい)りできる(わけ)ではない。


()祖先(そせん)混血(こんけつ)(かさ)()ぎて血脈(けつみゃく)(うす)くなり、基準(きじゅん)()()なければ、()楼閣(ろうかく)(あし)()()れる(こと)(かな)わないのである。


蒋凍(しょうとう)()言葉(ことば)()き、心中(しんちゅう)(にが)さや嫉妬(しっと)(またた)(うち)(やわ)らいだ。


隊列(たいれつ)仲間(なかま)たちも、馬鴻運(ばこううん)()()(やさ)しく()った。


(なか)には(ひと)り、馬鴻運(ばこううん)(かた)をポンと(たた)き、(なぐさ)める(もの)(あらわ)れた。


貴様(きさま)(うん)()野郎(やろう)だが、(かま)うな。


此度(こたび)俺達(おれたち)地魁獣(ちかいじゅう)討伐(とうばつ)(おもむ)けば、(おお)きく(かせ)げるぜ!」


「はい、はい、お言葉(ことば)有難(ありがた)御座(ござ)います。」


馬鴻運(ばこううん)(こし)(かが)め、へつらう(よう)(わら)(つづ)けた。


(かれ)(えん)()りて、馬英傑(ばえいけつ)(すく)()した。


黒家(こくけ)馬家(ばけ)強制徴用(きょうせいちょうよう)した(のち)、様々(さまざま)な境遇(きょうぐう)()て、姓名(せいめい)(あらた)め、馬鴻運(ばこううん)名乗(なの)り、修業(しゅうぎょう)(みち)(ひら)けたのである。


現在(げんざい)(かれ)()だの一転蛊師(いってんこし)()ぎず、素質(そしつ)(ひく)くも(たか)くも()い。


(たし)かに(かれ)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)出入(ではい)りする資格(しかく)()るが、()実力(じつりょく)(もっ)てすれば、(たと)(はい)った(ところ)(なん)(やく)にも()たない。


聖宮(せいきゅう)滞在(たいざい)する()数日間(すうじつかん)(かれ)毎日(まいにち)臨時(りんじ)(たい)()じって外出(がいしゅつ)し、狩猟(しゅりょう)で日々(ひび)の生計(せいけい)(まかな)い、元石(げんせき)(たくわ)えて修業(しゅうぎょう)(たす)けとしている。


蒋凍(しょうとう)(たい)して()った言葉(ことば)は、趙憐雲(ちょうれんうん)旅立(たびだ)(まえ)(とく)()(ふく)めていたものであった。





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