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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第一百六十四節:六臂天尸王

聖宮(せいきゅう)(うえ)(した)には、(あま)(おお)うばかりの彩霞(さいか)が立ち()めている。


霞光(かこう)爛漫(らんまん)として、方円百里(ほうおんひゃくり)()らし()している。


(はる)かに聖宮(せいきゅう)頂上(ちょうじょう)(のぞ)むと、八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)(すで)二層(にそう)()し、日毎(ひごと)()える(こと)()(ひと)出入(でい)りがある。


視線(しせん)(ちか)くに(もど)し、方源(ほうげん)(しず)かに(まど)()ざした。


(かれ)招災蛊(しょうさいこ)煉成(れんせい)近水楼台(きんすいろうだい)より(もど)って以来(いらい)(すで)(なか)(つき)歳月(さいげつ)(なが)れている。


()期間(きかん)(ちゅう)黒楼蘭(こくろうらん)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)開放(かいほう)し、(なん)費用(ひよう)(ちょう)すること()く、人々(ひとびと)が随意(ずいい)出入(でい)りするを(ゆる)している。


八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)——巨陽仙尊(きょようせんそん)伝承(でんしょう)()は、蛊師(こし)にとって、()魅了力(みりょくりょく)驚異的(きょういてき)である。


巨陽(きょよう)血脈(けつみゃく)()無数(むすう)蛊師(こし)たちが殺到(さっとう)し、(たと)関所(せきしょ)攻略(こうりゃく)できなくとも、(しん)姿(すがた)()()()見識(けんしき)(ひろ)げられること自体(じたい)(ほま)れとしている。


特に、八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)異変(いへん)()きてから二層(にそう)連続(れんぞく)して形成(けいせい)された(のち)は、人々(ひとびと)の探索欲(たんさくよく)一層(いっそう)かき()てられている。


外部(がいぶ)(もの)については、相変(あいか)わらず来客令(らいきゃくれい)(かい)してのみ出入(でい)りりが可能(かのう)である。


来客令(らいきゃくれい)一回限(いっかいかぎ)りの消耗品(しょうもうひん)であり、関所(せきしょ)突破(とっぱ)した(のち)にのみ、一定(いってい)確率(かくりつ)入手(にゅうしゅ)できる可能性(かのうせい)がある。


現時点(げんじてん)()出回(でまわ)っている来客令(らいきゃくれい)は、七枚(ななまい)()ぎない。各枚(かくまい)天文学(てんもんがく)(てき)()()いているが、それでも巨陽血脉(きょようけつみゃく)()たない蛊師強者(こしきょうじゃ)たちの垂涎(すいぜん)(まと)となっている。


方源(ほうげん)(すで)琉璃楼主令(るりろしゅれい)()にしているため、八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)への自由(じゆう)出入(でい)りは()うに(およ)ばず、秘蔵閣(ひぞうかく)にさえも(あし)(はこ)ぶことが可能(かのう)だ。


しかし、他者(たしゃ)()(あざむ)(ため)(かれ)はごく最近(さいきん)莫大(ばくだい)代価(だいか)(はら)って一枚(いちまい)来客令(らいきゃくれい)購入(こうにゅう)していたのである。


小少年(しょうしょうねん)よ、()(おそ)えた殺招(さっしょう)墨化(ぼっか)』を準備(じゅんび)しておくよう(すす)める。


そうすれば、中枢室(ちゅうすうしつ)入室(にゅうしつ)した(さい)(ばい)成果(せいか)(おさ)めることが出来(でき)よう。」


女性(じょせい)(こえ)が、方源(ほうげん)脳裏(のうり)(かす)かに(ひび)いた。


(ほか)ならぬ、(おと)()(ひそ)()った墨瑶仙子(ぼくようせんし)意志(いし)である。


方源(ほうげん)()(こえ)()き、(おも)わず(まゆ)をひそめ、心中(しんちゅう)()ややかに(ふん)(こた)えた。


貴様(きさま)()殺招(さっしょう)は、(とっく)時代遅(じだいおく)れだ。(なか)には()えた()(いく)つか(ふく)まれている。(いま)(さら)(きゅう)(あつ)めよと?当然(とうぜん)手間(てま)()(わけ)で、(あせ)ってどうにかなるものか?」


墨瑶(ぼくよう)意志(いし)(かる)(わら)った。


小少年(しょうしょうねん)よ、(なんじ)狐仙福地(こせんふくち)(よう)する幸運(こううん)()(ぬし)だ。宝黄天(ほうこうてん)活用(かつよう)し、其処(そこ)()購入(こうにゅう)すれば、(けっ)して(むずか)しいことではあるまい。」


方源(ほうげん)(まゆ)(しわ)(さら)(ふか)まった。


(かれ)暗号(あんごう)()き、土丘(どきゅう)伝承(でんしょう)()ぎ、招災蛊(しょうさいこ)煉成(れんせい)にも成功(せいこう)した。


(しか)()()わりに、墨瑶(ぼくよう)意志(いし)という厄介(やっかい)(きわ)まる災難(さいなん)(まね)()れてしまったのである。


墨瑶(ぼくよう)意志(いし)(いま)(かれ)脑海(のうり)(ひそ)()ついて、巨大(きょだい)危険因子(きけんいんし)()っている。


方源(ほうげん)思考(しこう)(めぐ)らせる(たび)に、(かなら)ずや無数(むすう)(ねん)(しょう)じる。


墨瑶仙子(ぼくようせんし)意志(いし)は、()()(ねん)看破(かんぱ)する(こと)出来(でき)る。


(したが)って、方源(ほうげん)秘密(ひみつ)をも看取(かんしゅ)してしまうのである。


(はん)(げつ)という時間(じかん)(うち)に、彼女(かのじょ)方源(ほうげん)(おお)くの秘密(ひみつ)理解(りかい)した。


()(なか)には、狐仙福地(こせんふくち)(こと)(ふく)まれている。


(いま)方源(ほうげん)()()空念蛊(くうねんこ)(もち)いて(ねん)生成(せいせい)し、思考(しこう)(めぐ)らせている。


空念蛊(くうねんこ)(しゅ)とし、(ほか)蛊虫(こちゅう)補助(ほじょ)として形成(けいせい)される(ねん)は、空明玄奥(くうみょうげんおう)である。


墨瑶(ぼくよう)意志(いし)(たと)()れを捕捉(ほそく)できても、(かなら)ずしも(ねん)中身(なかみ)具体的内容(ぐたいてきないよう)閲読(えつどく)できる(わけ)では()い。


(しか)()状況(じょうきょう)も、(しば)しの(こと)()ぎない。


意志(いし)()(もの)は、元来(がんらい)(ねん)よりも上位(じょうい)位置(いち)する。


墨瑶(ぼくよう)意志(いし)方源(ほうげん)脑海(のうり)(ちゅう)(ざい)し、()()空念(くうねん)()れる機会(きかい)()えるに()れて、次第(しだい)()特性(とくせい)()(した)しんで()くだろう。


最終的(さいしゅうてき)には、方源(ほうげん)()防壁(ぼうへき)も、もはや彼女(かのじょ)(はば)(こと)出来(でき)なくなるのである。


小少年(しょうしょうねん)よ、(わか)くして随分(ずいぶん)秘密(ひみつ)(かか)えている(こと)だ。


ふふふ……(じつ)面白(おもしろ)い。」


墨瑶(ぼくよう)意志(いし)虚空(こくう)(ただよ)い、()(しず)みしながら、(こえ)(はず)ませた。


彼女(かのじょ)口元(くちもと)()(おお)い、(ゆか)しい()みを(こぼ)した。


()()(なが)れる(ごと)く、姿(すがた)優美(ゆうび)(じつ)魅力的(みりょくてき)である。


流石(さすが)にあの時代(じだい)霊縁斎(れいえんさい)仙姫(せんき)(しょう)されるだけのことはある。


方源(ほうげん)(とも)()ごす日々(ひび)が(なが)くなるに()れて、彼女(かのじょ)次第(しだい)本来(ほんらい)活発(かっぱつ)さを(あら)わし、(つよ)好奇心(こうきしん)と、他者(たしゃ)隐私(いんし)(のぞ)()たがる本性(ほんしょう)(あら)わにし(はじ)めた。


霊縁斎(れいえんさい)の代々(だいだい)の仙姫(せんき)(もう)せば、(まん)(ひと)つも(まれ)なる()(じん)ぞろいである。才色(さいしょく)兼備(けんび)で、(みず)より()でた芙蓉(ふよう)(ごと)()ぎしく(うるわ)しい。


(しか)るに墨瑶(ぼくよう)(あき)らかに()れとは(こと)なる。


彼女(かのじょ)幽深(ゆうしん)なる美眸(びぼう)には天賦(てんぷ)狡猾(こうかつ)さが(ひそ)み、魔道(まどう)()まれていれば、(まさ)()ける妖女(ようじょ)であっただろう。


彼女(かのじょ)妖艶(ようえん)たる長裙(ちょうくん)幻化(げんげ)し、()(からだ)曲線(きょくせん)をくっきりと(つつ)()んだ。


(まわ)りに()かぶ透明(とうめい)(あわ)(ごと)(ねん)見渡(みわた)しながら、彼女(かのじょ)はさっと()()ばし、()(ひと)つを()まみ()げた。


(つづ)いて『ぷちっ』という(かろ)やかな(おと)(とも)に、彼女(かのじょ)(かろ)(ちから)()め、()(ねん)(にぎ)(つぶ)した。


(しか)彼女(かのじょ)()られた(もの)(なに)()かった。


()(ねん)(ふく)んでいた内容(ないよう)は、(ただ)(めし)()う」といふ二字(にじ)意味(いみ)する、(きわ)めて単純(たんじゅん)なものだったのである。


「あらまあ」


彼女(かのじょ)豊潤(ほうじゅん)(くちびる)(せい)(かん)(てき)(とが)らせて()った。


(ちい)さな少年(しょうねん)さん、随分(ずいぶん)愛想(あいそ)()いのね。(かんが)(ごと)をする(たび)に、でたらめな(おも)()きを(めぐ)らせて、本当(ほんとう)要点(ようてん)(おお)(かく)すんだから。でもね、それだからこそ余計(よけい)にお(ねえ)さんは興味(きょうみ)()いちゃうのよ。」


「ふん、()(ほど)(とし)()(かさ)ねて、()くも(あね)(づら)ができるものだ。」


方源(ほうげん)嘲笑(あざわら)い、(おど)すように(つづ)けた。


()んだ(もの)は、大人(おとな)しくすべきだ。()脑海(のうり)(ひそ)んでいるからとて、()()(よう)()いと(かんが)えるな。(いま)()瞬間(しゅんかん)に、貴様(きさま)()意志(いし)(はい)(じん)()せしめて()せよう。」


「あらあら、本当(ほんとう)(こわ)いんだから……」


墨瑶(ぼくよう)(みずか)らの(たか)(そび)える(むね)(かる)(たた)き、(なん)とも(おも)わない様子(ようす)(わら)(ころ)げた。


「で・も・ね、()(はん)(げつ)(あいだ)に、貴方(あなた)(わたし)二十八回(にじゅうはっかい)攻撃(こうげき)して、その()十九種(じゅうきゅうしゅ)手口(てぐち)()えてきたんだから。奴道(どどう)力道(りきどう)双修(そうしゅう)だけじゃなく、まさか智道(ちどう)兼修(けんしゅ)しているって()うの?」


「ふんっ!」


方源(ほうげん)心中(しんちゅう)殺機(さっき)(たぎ)()つ。


「まあまあ、(ちい)さな少年(しょうねん)さん、そんないじわる()わないで。」


方源(ほうげん)(つるぎ)(ごと)殺意(さつい)(かん)()り、脑海(のうり)(なか)墨瑶(ぼくよう)人差(ひとさ)(ゆび)()った。


「お(ねえ)さんは貴方(あなた)恩人(おんじん)なんだからね。(いま)招災蛊(しょうさいこ)立派(りっぱ)貴方(あなた)仙蛊(せんこ)になったじゃない。凡人(ぼんじん)()でありながら仙蛊(せんこ)(ゆう)するとは、(じつ)(おどろ)くべき(せい)(じゅく)よ。安心(あんしん)して、安心(あんしん)して。()()近水楼台(きんすいろうだい)霊縁斎(れいえんさい)返還(へんかん)してくれさえすれば、(わたし)遺志(いし)()たされた以上(いじょう)()意志(いし)存続(そんぞく)する理由(りゆう)()くなるのですから。」


七転仙蛊屋(しちてんせんこや)近水楼台(きんすいろうだい)返還(へんかん)せよと……?


(くち)(ふく)んだ贅肉(ぜいにく)(=近水楼台)を、方源(ほうげん)容易(ようい)()()(わけ)()い。


方源(ほうげん)勿論(もちろん)(まん)(ひと)つも同意(どうい)する()()かった。


(しか)現状(げんじょう)(かれ)には(ほか)()()()いのである。


(かれ)脑海(のうり)(ひそ)()墨瑶(ぼくよう)残留意志(ざんりゅういし)()うに(およ)ばず、近水楼台(きんすいろうだい)()(もの)(なか)に、(さら)にもう(ひと)つの墨瑶(ぼくよう)残留意志(ざんりゅういし)守護者(しゅごしゃ)として存在(そんざい)しているのだから。


()れを(かた)るに、()墨瑶(ぼくよう)()(おんな)(じつ)(おそ)るべき(もの)である。


歴史書(れきししょ)(しる)される彼女(かのじょ)煉道宗師(れんどうそうし)である。


(しか)魂道(こんどう)智道(ちどう)におけ(る)()造詣(ぞうけい)は、(かえ)って一層(いっそう)深遠(しんえん)であるらしい。


方源(ほうげん)数十回(すうじゅうかい)(わた)って仕掛(しか)けた(ねん)包囲網(ほういもう)も、墨瑶(ぼくよう)によって軽々(かるがる)く化解(かいげ)されてしまったのである。


方源(ほうげん)頭痛(ずつう)は、(いま)(まさ)頂点(ちょうてん)(たっ)している。



方源(ほうげん)莫大(ばくだい)危険(きけん)(おか)し、膨大(ぼうだい)投資(とうし)(とう)じて煉蛊(れんこ)(おこな)った。


最終的(さいしゅうてき)には招災蛊(しょうさいこ)煉成(れんせい)には成功(せいこう)したものの、使用(しよう)する(こと)出来(でき)ず、(ぎゃく)墨瑶(ぼくよう)意志(いし)脑海(のうり)侵入(しんにゅう)される結果(けっか)(まね)いた。


(かめ)()にして(ねずみ)()てない」状況(じょうきょう)()で、()れは巨大(きょだい)足手(あして)まといと()り、行動(こうどう)(いちじる)しく阻害(そがい)している。


()んな(こと)だと()っていたら、最初(さいしょ)から土丘传承(どきゅうでんしょう)なんで継承(けいしょう)するんじゃなかった。」


()(ねん)は、方源(ほうげん)墨瑶(ぼくよう)(かく)(こと)()く、容易(ようい)看破(かんぱ)された。


小少年(しょうしょうねん)、そんないい(かた)間違(まちが)っているわ。


()数日(すうじつ)(わたくし)貴方(あなた)伝授(でんじゅ)した煉道殺招(れんどうさっしょう)墨化(ぼっか)』の価値(かち)だけを()ても、(はか)()れないものよ。


貴方(あなた)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)(すき)()こうとしているんでしょ?


ふふふ……(じつ)(きも)()わっているわね、(あね)ちゃんの(わか)(ころ)()けを()らないわ。


安心(あんしん)して、(あね)ちゃんは貴方(あなた)(たす)けてあげる。


()近水楼台(きんすいろうだい)霊縁斎(れいえんさい)(かえ)してくれさえすればね。」


墨瑶(ぼくよう)(わら)いながら、(なぐさ)める(よう)()った。


「ふん、招災蛊(しょうさいこ)()(もの)近水楼台(きんすいろうだい)(また)()手中(しゅちゅう)()り。八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)(いた)っては、所掌中(しょしょうちゅう)(もの)()す!


貴様(きさま)(ごと)(ひと)(へん)意志(いし)が、()()ける(もの)である()れを(はば)めると本気(ほんき)(おも)っているのか?」


(すで)数十回(すうじゅうかい)()()わせしている以上(いじょう)方源(ほうげん)(いさぎよ)露骨(ろこつ)拒絶(きょぜつ)した。


(しか)此度(こたび)墨瑶(ぼくよう)(たわむ)れる(こと)()く、()(ひと)(すじ)(ひかり)(はし)った。


(なに)かを(おも)()こしたかの(よう)である。


彼女(かのじょ)表情(ひょうじょう)(さび)()(くも)り、(かす)かな嘆息(たんそく)()れた。


「ああ……貴方達(あなたたち)(おとこ)という(もの)(みな)()ういうものなのかい?


(たと)(あやま)った(こと)()(とき)でさえ、()(ほど)()を堂々(どうどう)と(かか)げるのだね。」


()()に、(なん)(ただ)しく、(なに)(あやま)りだと()えよう?


()れが()()れが()かなんて、()(ひと)それぞれの(みち)(こと)なるだけのことだ。」


墨瑶(ぼくよう)顔色(かおいろ)一変(いっぺん)(ふたた)(たわむ)()みを()かべた。


小少年(しょうしょうねん)()(こた)えも中々(なかなか)面白(おもしろ)いわね。


だが(むかし)(わたし)はもっと霸道的(はどうてき)(こた)えを()いた(こと)()るのよ。(おぼ)えているわ――『()()で、()()()すものは()なり。()(こと)なるものは、全て(あやま)りなり』と。


ふふふ、()(ほど)霸道的(はどうてき)だと(おも)わない?」


方源(ほうげん)()(ひか)った。


()れは剣仙(けんせん)薄青(はくせい)言葉(ことば)か?


()しむらく、(かれ)最終的(さいしゅうてき)にあの一歩(いっぽ)()()せなかったが。」


()言葉(ことば)墨瑶(ぼくよう)沈黙(ちんもく)へと(おとしい)れた。


彼女(かのじょ)(かお)悲傷(ひしょう)()ち、()()じると、胸中(きょうちゅう)渦巻(うずま)記憶(きおく)(あふ)()さんばかりであった。


(なが)(みっ)ちな睫毛(まつげ)さえも(かす)かに(ふる)えている。


彼女(かのじょ)()姿(すがた)()し、方源(ほうげん)脳裏(のうり)から(しず)かに()()った。


(くや)しい、(また)()()か!」


方源(ほうげん)()()しした。墨瑶(ぼくよう)意志(いし)潜伏(せんぷく)する(たび)に、()存在感(そんざいかん)完全(かんぜん)()()せ、脑海(のうり)如何(いか)搜索(そうさく)しても(かす)かな痕跡(こんせき)すら見出(みいだ)せない。


墨瑶(ぼくよう)魂道(こんどう)智道(ちどう)への造詣(ぞうけい)は、方源(ほうげん)()では()い。


()(ため)に、方源(ほうげん)自身(じしん)脑海(のうり)が、(ぎゃく)彼女(かのじょ)根城(ねじろ)(ごと)()()てているのである。


(しか)此度(こたび)搜索(そうさく)()いて、方源(ほうげん)(まった)くの無駄骨(むなぼね)では()かった。


(かれ)脑海(のうり)(うち)に、墨瑶(ぼくよう)意志(いし)(のこ)した(ひと)つの「(ねん)」を発見(はっけん)した。


()中身(なかみ)は、方源(ほうげん)心神(しんしん)(かす)かに(ふる)わせるものだった。


()れは(まさ)に、『六臂天尸王(ろっぴてんしおう)』と名付(なづ)けられた(ひと)つの殺招(さっしょう)であった!


方源(ほうげん)奴道(どどう)力道(りきどう)融合(ゆうごう)(ほう)(さぐ)(ため)焦心(しょうしん)刻苦(こっく)(すえ)初期(しょき)成果(せいか)として力道上(りきどうじょう)殺招(さっしょう)――『四臂地王(しひじおう)』を()()した。


()(わざ)によって、(かれ)王庭之争(おうていのあらそい)最終決戦(さいしゅうけっせん)()いて、四方(しほう)()(はら)い、群雄(ぐんゆう)()()せ、馬家軍(ばかぐん)敗北(はいぼく)(ふち)(たた)()とし、黒楼蘭(こくろうらん)王庭福地(おうていふくち)()(すす)める原動力(げんどうりょく)()った。


(しか)四臂地王(しひじおう)()(まで)草創期(そうそうき)殺招(さっしょう)であり、欠点(けってん)(おお)かった。


方源(ほうげん)()(もと)軽微(けいび)改良(かいりょう)(くわ)え、殺招(さっしょう)四臂風王(しひふうおう)』を完成(かんせい)させた。


(さら)(のち)(かれ)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)秘蔵閣(ひぞうかく)にて、(かなめ)となる蛊虫(こちゅう)借力蛊(しゃくりょくこ)』を()()れた。


()れが(ため)四臂風王(しひふうおう)(さら)なる改良(かいりょう)可能性(かのうせい)(むか)える(こと)()るのである。


墨瑶(ぼくよう)意志(いし)(かれ)脑海(のうり)侵入(しんにゅう)して以来(いらい)方源(ほうげん)意図的(いとてき)一部(いちぶ)秘密(ひみつ)(さら)して()せた。


()(なか)には()殺招(さっしょう)と、()改良(かいりょう)への構想(こうそう)(ふく)まれていた。


(たえ)なる(かな)!」


方源(ほうげん)賞賛(しょうさん)(こえ)()らした。


自身(じしん)土台(どだい)(うえ)に、(さら)墨瑶仙子(ぼくようせんし)(ふか)教養(きょうよう)()りる(こと)で、『六臂天尸王(ろっぴてんしおう)』の殺招(さっしょう)完璧(かんぺき)(ちか)づいていた。


()れは借力蛊(しゃくりょくこ)中核(ちゅうかく)とし、六種(ろくしゅ)飛僵蛊(ひきょうこ)補助(ほじょ)とし、(くわ)えて三十六種(さんじゅうろくしゅ)(ほか)蛊虫(こちゅう)包含(ほうがん)する。


()絶妙(ぜつみょう)配置(はいち)厳密(げんみつ)構造(こうぞう)は、方源(ほうげん)をして「賞賛(しょうさん)して()ましめない」(ほど)であった。


(ただ)し、五種(ごしゅ)飛僵蛊(ひきょうこ)()っている。()殺招(さっしょう)に、何故(なぜ)第六(だいろく)飛僵蛊(ひきょうこ)(よう)るのか?


()れは(いず)れの()なるか?」


(ねん)(なか)殺招(さっしょう)内容(ないよう)完全(かんぜん)では()く、最後(さいご)关键(かぎ)となる一歩(いっぽ)(いま)()されたままであった。






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