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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第一百六十三節:墨瑶意志

方源(ほうげん)()にした招災仙蛊(しょうさいせんこ)仔細(しさい)観察(かんさつ)した。


()()七転(しちてん)という(たか)()(たっ)し、朱紅(しゅこう)巨碗(きょわん)による孕養(ようよう)()て、()(とき)(かん)(ぜん)成形(せいけい)していた。


()(おお)きさは小指(こゆび)(ほど)で、(すべ)灰白色(かいはくしょく)(きわ)めて精巧(せいこう)(ちい)さく、(かいこ)(さなぎ)(ごと)(かたち)()している。


方源(ほうげん)(もてあそ)ぶに(したが)い、招災蛊(しょうさいせんこ)()()なく(かれ)気息(きそく)吸収(きゅうしゅう)し、方源(ほうげん)(あき)らかに(かん)()ることが出来(でき)た──(みずか)らと招災蛊(しょうさいせんこ)との、(こころ)()(ふか)くに()(つな)がりが、一層(いっそう)(ふか)(なが)(つよ)まって()くのを。


方源(ほうげん)(こころ)(みずうみ)に、幾重(いくえ)もの(かす)かな波紋(はもん)()(あらわ)れた。


感慨(かんがい)()いと()えば、それは(いつわ)りである。


前世(ぜんせ)では、(かれ)辛苦(しんく)(かさ)ね、蒼生(そうせい)屠戮(とりく)して、(よう)やく六転(ろくてん)春秋蝉(しゅんじゅうせみ)煉成(れんせい)した。


(しか)るに今世(こんせい)では、再生(さいせい)利点(りてん)()かし、(いま)百歳(ひゃくさい)にも()たぬ年齢(ねんれい)で、春秋蝉(しゅんじゅうせみ)より(さら)一転(いってん)(たか)招災蛊(しょうさいこ)()にしたのである。


招災蛊(しょうさいこ)効用(こうよう)は、(みずか)らを犠牲(ぎせい)にして天災地劫(てんさいちごう)()()せるという、(じつ)特異(とくい)なものではある。


(しか)方源(ほうげん)確信(かくしん)していた——蛊師(こし)()使(つか)いこなすかは、一心(いっしん)()(よう)次第(しだい)だと。


(たと)えば鋸歯金蜈(きょしきんご)(ごと)()でさえ、後世(こうせい)四転(してん)凡人蛊師(ぼんじんこし)電鋸狂魔(でんきょきょうま)」によって、様々(さまざま)な妙技(みょうぎ)()()された。


ならば、方源(ほうげん)(あたら)しい妙用(みょうよう)開拓(かいたく)できぬ道理(どうり)があろうか?


(ほか)(こと)(しば)らく()くとして、()()招災蛊(しょうさいこ)存在(そんざい)こそが、伝説(でんせつ)運道流派(うんどうりゅうは)実在(じつざい)する(あかし)なのである。」


巨陽仙尊(きょようせんそん)生涯(しょうがい)幸運(こううん)(めぐ)まれ(つづ)けたが、()れは(かれ)独創(どくそう)した運道蛊虫(うんどうこちゅう)(ゆえ)だと(つた)えられている。


しかし、この(うわさ)一度(いちど)として(たし)かな証左(しょうさ)()たことはなかった。


だが(いま)方源(ほうげん)()にある招災蛊(しょうさいこ)こそ、運道(うんどう)(ぞく)するものである。これは煉道(れんどう)宗師(そうし)たる墨瑶(ぼくよう)が、八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)(なか)にある排難蛊(はいなんこ)感応(かんのう)して煉成(れんせい)した仙蛊(せんこ)なのだ。


排難蛊(はいなんこ)招災蛊(しょうさいこ)、これらは運道流派(うんどうりゅうは)蛊虫(こちゅう)なのである。


(わん)内壁(ないへき)(きざ)まれた墨文(ぼくぶん)は、さらに強力(きょうりょく)証拠(しょうこ)となっている。


墨瑶(ぼくよう)文中(ぶんちゅう)で、はっきりと指摘(してき)している──巨陽仙尊(きょようせんそん)運道蛊虫(うんどうこちゅう)は、他者(たしゃ)幸運(こううん)(うば)って(みずか)らの(もの)とし、同時(どうじ)(みずか)らの不運(ふうん)(ほか)転嫁(てんか)し、(わざわ)いを他者(たしゃ)()()けることができる、と。


完全(かんぜん)流派(りゅうは)として、運道(うんどう)(また)構造(こうぞう)井然(せいぜん)としており、攻撃(こうげき)防御(ぼうぎょ)転移(てんい)治療(ちりょう)(など)各側面(かくそくめん)包含(ほうがん)している。(ただ)()攻撃対象(こうげきたいしょう)()るのは、(ひと)ぞれぞれが(ゆう)する(かたち)()(いろ)()運気(うんき)なのである。


運道(うんどう)巨陽仙尊(きょようせんそん)開創(かいそう)されて以来(いらい)(つね)秘匿(ひとく)され、(こえ)(ひそ)めて(おお)きな利益(りえき)(おさ)(つづ)けてきた。


巨陽仙尊(きょようせんそん)(すなわ)運気大盗(うんきたいとう)巨陽(きょよう)(いっ)()して、運盗(うんとう)(よう)()えん」


墨瑶(ぼくよう)(ぶん)(ちゅう)(かん)ずる(ところ)()りと(はっ)している。()風変(ふうが)わりな才女(さいじょ)(きわ)めて個性(こせい)(てき)で、仙尊(せんそん)(いえ)ども()えて(かく)評言(ひょうげん)するのである。


彼女(かのじょ)(さら)文中(ぶんちゅう)推測(すいそく)している──八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)秘蔵閣(ひぞうかく)には、(たか)可能性(かのうせい)巨陽仙尊(きょようせんそん)運道伝承(うんどうでんしょう)存在(そんざい)するだろうと。


()()伝承(でんしょう)継承(けいしょう)できれば、()たして巨陽仙尊(きょようせんそん)成功(せいこう)軌跡(きせき)再現(さいげん)する(こと)出来(でき)るであろうか?」


方源(ほうげん)()れに(むね)(おど)らせた。


(かれ)(しば)沈思(ちんし)した(のち)()にした招災蛊(しょうさいこ)(ふたた)朱紅(しゅこう)巨碗(きょわん)(なか)へと(おさ)めた。


招災蛊(しょうさいこ)(すで)完全(かんぜん)成形(せいけい)しているが、方源(ほうげん)(いま)()れを煉化(れんか)することは出来(でき)ない。


(こころ)(きずな)(きわ)めて(つよ)(むす)ばれてはいるが、(しん)招災蛊(しょうさいこ)(あるじ)()るには、(いま)(しつ)(てき)(へだ)たりが存在(そんざい)する。


方源(ほうげん)依然(いぜん)として凡人(ぼんじん)であり、仙元(せんげん)()(ため)()煉化(れんか)する(こと)出来(でき)ないのである。


()状況(じょうきょう)は、(かれ)以前(いぜん)神遊蛊(しんゆうこ)煉成(れんせい)した(とき)とは(こと)なる。


三王福地(さんおうふくち)において、(かれ)地霊(ちれい)補佐(ほさ)()定仙游蛊(ていせんゆうこ)煉成(れんせい)した。()(さい)方源(ほうげん)主導的(しゅどうてき)役割(やくわり)()たした。(ゆえ)に、定仙游蛊(ていせんゆうこ)(あらわ)れた()(とき)から、(かれ)()であった。


(しか)(なが)ら、使用(しよう)する(こと)(かな)わなかった。()地霊(ちれい)助力(じょりょく)()ければ、方源(ほうげん)狐仙福地(こせんふくち)転送(てんそう)する(こと)出来(でき)なかったのである。


一方(いっぽう)招災蛊(しょうさいこ)煉製(れんせい)においては、()全過程(ぜんかてい)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)偉力回流(いりょくかいりゅう)()りて(おこな)われ、方源(ほうげん)()(まで)協助者(きょうじょしゃ)()ぎず、(そば)には地霊(ちれい)援助(えんじょ)()かった。公平(こうへい)()えば、()程度(ていど)まで達成(たっせい)出来(でき)たのは、(じつ)立派(りっぱ)成果(せいか)である。


()れが蛊仙(こせん)()って(はじ)めて、(まこと)()れを煉化(れんか)できる。()れまでは、招災蛊(しょうさいこ)此処(ここ)()めて()かねばなるまい。」


(せん)()っていなければ、仙竅(せんきょう)()く、招災蛊(しょうさいこ)(おさ)める(こと)出来(でき)ない。公然(こうぜん)()()せば、仙蛊(せんこ)気配(けはい)充満(じゅうまん)し、(かなら)無数(むすう)の虎視眈々(こしたんたん)とする(もの)()()せる(こと)()ろう。


方源(ほうげん)黒楼蘭(こくろうらん)太白云生(たいはくうんせい)(たぐい)(うれ)える(こと)()かった。現在(げんざい)(かれ)数多(あまた)狼群(おおかみむれ)(したが)え、自身(じしん)力道(りきどう)修為(しゅうい)(じゅう)(ぶん)(そな)わっているからである。


(かれ)(おも)(うれ)えるのは、八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)(なか)(ねむ)巨陽仙尊(きょようせんそん)意志(いし)である。


以前(いぜん)仙蛊雛形(せんこひながた)気配(けはい)(かす)かであったが、(いま)仙蛊(せんこ)完全(かんぜん)成形(せいけい)した。()()れを(そと)(たずさ)()せば、巨陽仙尊(きょようせんそん)意志(いし)刺激(しげき)し、()覚醒(かくせい)(まね)(こと)()いだろうか?


方源(ほうげん)()危険(きけん)(おか)すつもりは()い。(なに)より、(かれ)(しゅ)たる計画(けいかく)(いま)完成(かんせい)()ておらず、(さら)なる潜伏(せんぷく)待機(たいき)必須(ひっす)なのである。「(だれ)想像(そうぞう)できようか、()名無(なな)しの渓谷(けいこく)七転(ななてん)仙蛊(せんこ)(かく)されているとは。(しか)()以前(いぜん)に、()近水楼台(きんすいろうだい)一部(いちぶ)煉化(れんか)してから離開(りかい)しても(おそ)くはあるまい」と、方源(ほうげん)心中(しんちゅう)(かんが)えた。


近水楼台(きんすいろうだい)は、(ゆう)(めい)仙蛊屋(せんこや)である。凡人(ぼんじん)()ぎない方源(ほうげん)が、()煉化(れんか)(たくら)むとは、(きわ)めて奇想天外(きそうてんがい)(おも)えるが、(じつ)(おお)いに実行可能(じっこうかのう)所以(ゆえん)存在(そんざい)する。


八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)(ごと)強力(きょうりょく)なものと(いえ)ども、(なお)方源(ほうげん)()()(ため)(すき)()()(あな)存在(そんざい)する。


近水楼台(きんすいろうだい)(いま)無主(むしゅ)(もの)である以上(いじょう)自然(しぜん)(じょう)ずべき機会(きかい)()るのは道理(どうり)である。


()れを()くには、蛊屋(こや)本質(ほんしつ)(さかのぼ)らねばなるまい。


蛊屋(こや)と(は(なん)であろうか?


方源(ほうげん)前世(ぜんせ)()くとして、()転生(てんせい)()だけを()ても、(かれ)(すく)なからぬ蛊屋(こや)遭遇(そうぐう)している。


()(なか)(もっと)普通(ふつう)的な蛊屋(こや)三星洞(さんせいどう)である。回収時(かいしゅうじ)には(たね)()り、()()けると参天大树(しんてんたいじゅ)()り、内部(ないぶ)空洞(くうどう)三層(さんそう)()かれる。


(また)蜥屋蛊(とかげやこ)()り、()外形(がいけい)蜥蜴(とかげ)(ごと)く、(いろ)とりどりの()()つ。眼窩(がんか)(あき)るい(まど)()し、(くち)戸口(とぐち)()わり、(みずか)(ある)(まわ)(こと)出来(でき)る。


(さら)には菇林蛊屋(これいこや)()り、多量(たりょう)菇房蛊(こぼうこ)()()(こと)で、無数(むすう)(きのこ)家屋(かおく)庭園(ていえん)形成(けいせい)する。


以上(いじょう)凡蛊(ぼんこ)蛊屋(こや)であるが、(さら)には仙蛊屋(せんこや)とし(て)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)近水楼台(きんすいろうだい)存在(そんざい)する。


蛊屋(こや)進化(しんか)今日(こんにち)(いた)って、(じつ)多種多様(たしゅたよう)かつ枚挙(まいきょ)(いとま)()い。(しか)()源流(げんりゅう)()(はか)れば、(ひろ)(みと)められた開祖(かいそ)緑亀七人衆(りょっきしちにんしゅう)である。


()七人(しちにん)上古時代(じょうこじだい)魔道蛊師(まどうこし)にして、一母同胎(いちぼどうたい)の七つ(ななつご)であった。出生(しゅっせい)から死没(しぼつ)まで、終始一貫(しゅうしいっかん)して意気投合(いきとうごう)し、(つね)(とも)進退(しんたい)した。


彼等(かれら)防御(ぼうぎょ)得意(とくい)とし、各々(おのおの)が五转(ごてん)頂点(ちょうてん)()蛊師(こし)であった。(さら)に「亀房(きぼう)」と名付(なづ)けられた合力(ごうりょく)防御必殺技(ぼうぎょひっさつわざ)(ゆう)していた。()(わざ)によって、彼等(かれら)蛊仙(こせん)三度(さんど)(わた)攻撃(こうげき)見事(みごと)(ふせ)()めた。


()れは「三招之約(さんしょうのやく)」と(しょう)され、()佳話(かわ)歴史(れきし)燦然(さんぜん)(かがや)いている。


(しか)して()の「亀房(きぼう)」こそ、蛊師歴史上(こしれきしじょう)最初(さいしょ)蛊屋(こや)となったのである!


(ゆえ)に、本質的(ほんしつてき)()えば、蛊屋(こや)とは数種(すうしゅ)あるいは十数種(じゅうすうしゅ)蛊虫(こちゅう)(たが)いに集合(しゅうごう)し、固化(こか)定型(ていけい)された殺招(さっしょう)なのである。


菇林蛊屋(これいこや)()(なか)でも典型(てんけい)である。


()れは多量(たりょう)菇房蛊(こぼうこ)集積(しゅうせき)して形成(けいせい)された庭園(ていえん)である。


八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)()頂点(ちょうてん)()代表(だいひょう)(かく)で、防御(ぼうぎょ)収集(しゅうしゅう)貯蔵(ちょぞう)(など)多機能(たきのう)(そな)える。


無数(むすう)小塔楼(しょうとうろう)から構成(こうせい)され、排難蛊(はいなんこ)主要(しゅよう)基石(きせき)(ひと)つである。収集(しゅうしゅう)した野蛊(やこ)犠牲(ぎせい)にすることで偉力(いりょく)生成(せいせい)し、主塔(しゅとう)塑造(そぞう)するのである。


(さら)には白骨戦車(はっこつせんしゃ)存在(そんざい)する。


当時(とうじ)傲骨魔君(ごうこつまくん)(しょう)された沈桀驁(ちんけつごう)は、(おどろ)くべき才気(さいき)(はな)ち、六転(ろくてん)昇格(しょうかく)した(さい)()仙蛊(せんこ)()いことを(くる)に、白骨戦車(はっこつせんしゃ)名付(なづ)けた殺招(さっしょう)()()した。


白骨戦車(はっこつせんしゃ)白骨車輪(はっこつしゃりん)(はじ)(おお)くの五转蛊(ごてんこ)構成(こうせい)され、強力(きょうりょく)無比(むひ)で、六转仙蛊(ろくてんせんこ)匹敵(ひってき)する威力(いりょく)(ゆう)していた。


(すなわ)ち、白骨戦車(はっこつせんしゃ)こそ蛊屋(こや)原形(げんけい)なのである!


三星洞(さんせいどう)蜥屋蛊(とかげやこ)大蜥屋蛊(だいとかげやこ)(など)は、()以降(いこう)派生(はせい)した分枝(ぶんし)である。(しん)意味(いみ)における蛊屋(こや)簡易版(かんいばん)()えよう。


通常(つうじょう)蛊屋(こや)複数(ふくすう)蛊虫(こちゅう)()()わせで構成(こうせい)される。


(しか)るに三星洞(さんせいどう)(など)(ひと)つの()簡略化(かんりゃくか)されている(ため)威力(いりょく)(おお)きく()じ、より庶民(しょみん)(てき)なものと()っている。


近水楼台(きんすいろうだい)七転仙蛊屋(しちてんせんこや)である。


()れは、()構成(こうせい)する蛊虫(こちゅう)(なか)に、(すく)なくとも(ひと)つは七转仙蛊(しちてんせんこ)(ふく)まれる(こと)意味(いみ)する!


(げん)()実力(じつりょく)(きょう)(がい)では、(いま)仙蛊(せんこ)煉化(れんか)する(こと)(かな)わぬ。(しか)れど、()(ほか)部分(ぶぶん)()凡蛊(ぼんこ)煉化(れんか)する(こと)は、(なお)可能(かのう)である。」


()れが方源(ほうげん)近水楼台(きんすいろうだい)煉化(れんか)(のぞ)底力(そこぢから)であった。


煉化(れんか)過程(かてい)に、(とく)難関(なんかん)()関門(かんもん)存在(そんざい)しなかった。


近水楼台(きんすいろうだい)元来(がんらい)霊縁斎(れいえんさい)象徴(しょうちょう)(ひと)つであり、当時(とうじ)仙姫(せんき)たる墨瑶(ぼくよう)執掌(しっしょう)していた。


墨瑶(ぼくよう)最愛(さいあい)(もの)(ため)門派(もんぱ)裏切(うらぎ)り、招災蛊(しょうさいこ)煉成(れんせい)して(みずか)らを犠牲(ぎせい)にした。()仙蛊屋(せんこや)()(のち)無主(むしゅ)(もの)()った。


()くして、近水楼台(きんすいろうだい)方源(ほうげん)(たい)し、(えり)(ひら)(ふところ)(いだ)かれて()(ため)すが(まま)(まか)せる、(ちい)さな美人(びじん)(ごと)存在(そんざい)()()てていたのである。


(おどろ)いた(かな)近水楼台(きんすいろうだい)構成(こうせい)する蛊虫(こちゅう)(かず)は、(じつ)三千(さんぜん)()えるとは!


()れも(かく)蛊虫(こちゅう)(たが)いに連環(れんかん)(ごと)()()い、(かす)かに呼応(こおう)()っている。


中核(ちゅうかく)()すのは七转(しちてん)水乳交融蛊(すいにゅうこうゆうこ)


()れは蛊師(こし)水液(すいえき)完全融合(かんぜんゆうごう)せしめ、(みず)()れざる(かぎ)()(ほろ)びず。


()以外(いがい)二匹(にひき)補助仙蛊(ほじょせんこ)()り、分別(ふんべつ)六转(ろくてん)移動仙蛊(いどうせんこ)浪跡天涯(ろうせきてんがい)と、智道仙蛊(ちどうせんこ)楽山楽水蛊(らくざんらくすいこ)である。」


煉化(れんか)過程(かてい)は、(すなわ)近水楼台(きんすいろうだい)(ふか)理解(りかい)する過程(かてい)であった。


仙蛊(せんこ)煉化(れんか)方源(ほうげん)能力(のうりょく)(はる)かに()えており、(みだ)りに(のぞ)むべくも()い。(かれ)()()けたのは一転(いってん)二転(にてん)凡蛊(ぼんこ)である。


三时辰(さんじしん)(つい)やし、方源(ほうげん)()(まわ)(ほど)煉化(れんか)没頭(ぼっとう)した。


(つい)()(うち)五百匹(ごひゃくひき)一転(いってん)二転(にてん)凡蛊(ぼんこ)完全(かんぜん)(おの)(もの)()()た。


()くて、()れは近水楼台(きんすいろうだい)一割(いちわり)掌握(しょうあく)する(こと)出来(でき)た。


仮令(たとえ)他者(たしゃ)発見(はっけん)されようとも、()一割(いちわり)掌握権(しょうあくけん)(もっ)て、片時(かたとき)ばかりは(てき)(はば)(こと)出来(でき)よう。


()片時(かたとき)こそ、()警戒心(けいかいしん)()ぎ、()()けるに()りる時間(じかん)となる。」


(さら)一时辰(いちじしん)煉化(れんか)(つい)やし、方源(ほうげん)掌握権(しょうあくけん)一割三分(いちわりさんぶ)まで(たか)めた。


煉化(れんか)(すす)(ほど)に、()難度(なんど)()一方(いっぽう)であった。


()しむらくは、()()春秋蝉(しゅんじゅうせみ)(いだ)(こと)(すなわ)時限爆弹(じげんばくだん)(かか)えるが(ごと)し。


宙道(ちゅうどう)一蹴而就蛊(いっしゅうじしゅうこ)(など)(もち)いて煉化(れんか)補助(ほじょ)する(こと)(かな)わず、()からずば、(けっ)して(かく)程度(ていど)成果(せいか)には(とど)まらなかったものを。」


方源(ほうげん)()(こう)脳漲(のうちょう)状態(じょうたい)(おちい)り、(みずか)限界(げんかい)(たっ)した(こと)(さと)った。


二大空竅(にだいくうきょう)(たくわ)えられた五转巅峰(ごてんてんぽう)真元(しんげん)も、七分目(しちぶんめ)(つい)やし()くしていた。


(しか)るに、(かれ)心神(しんしん)()()げようとした()(とき)突如(とつじょ)(ひと)つの(かげ)()脳裏(のうり)(あらわ)れた。


光陰(こういん)()(ごと)し、(とし)(かぞ)えず。


(つい)今日(きょう)有縁(うえん)(もの)()う。」


()(かす)かな(いき)(づか)いと(とも)に、姿形(すがたかたち)優美(ゆうび)にして、(かお)黒紗(こくさ)(おお)い、双ノ(そうのひとみ)幽玄(ゆうげん)なる(よる)(ごと)(ひかり)宿(やど)(おんな)が、方源(ほうげん)脳裏(のうり)(あらわ)れた。


()れは墨瑶仙子(ぼくようせんし)意志(いし)だ!


何時(いつ)()脑海(のうり)(ひそ)()ったというのか!?」


方源(ほうげん)(ひそ)かに(おどろ)きを(おぼ)えた。


()くも(なが)歳月(さいげつ)(なが)れたというのに、墨瑶(ぼくよう)尊者(そんじゃ)では()いにも(かか)わらず、(なお)意志(いし)残留(ざんりゅう)させ()ているとは、彼女(かのじょ)当時(とうじ)修爲(しゅうい)(つよ)さが(うかが)われる。


方源(ほうげん)(じつ)()えば(はや)くより警戒(けいかい)していたが、墨瑶仙子(ぼくようせんし)(あき)らかに特殊(とくしゅ)手段(しゅだん)(ゆう)しており、(つい)()意志(いし)(しの)びやかに方源(ほうげん)脑海(のうり)侵入(しんにゅう)せしめる(こと)出来(でき)たのである。


()手段(しゅだん)並大抵(なみたいてい)のものではない。


墨瑶(ぼくよう)意志(いし)脑海(のうり)侵入(しんにゅう)した以上(いじょう)()彼女(かのじょ)悪意(あくい)(いだ)いて発難(はつなん)すれば、方源(ほうげん)(かなら)ずや(いた)()()ることになる。


方源(ほうげん)智道(ちどう)強者(きょうじゃ)では()い。


(ただ)智道蛊師(ちどうこし)のみが、()(たぐい)意志(いし)(たい)抑制(よくせい)する威能(いのう)(ゆう)するのである。


(さら)に、より決定的(けっていてき)一点(いってん)存在(そんざい)する。


(ひと)思考(しこう)する(とき)最初(さいしょ)()かぶのは無数(むすう)(ねん)である。


此等(これら)(ねん)脑海(のうり)(ない)(たが)いに衝突(しょうとつ)し、変化(へんか)()こすことで、(あたら)しい(ねん)(しょう)じる。


()れが思考(しこう)結果(けっか)なのである。


(いま)墨瑶(ぼくよう)意志(いし)方源(ほうげん)脑海(のうり)()()んだ。


方源(ほうげん)(ひと)(ねん)思考(しこう)する(たび)に、彼女(かのじょ)()れを(のこ)(ところ)()()()るのである!


()墨瑶(ぼくよう)意志(いし)に、春秋蝉(しゅんじゅうせん)存在(そんざい)()られてしまったら、一体(いったい)(なに)()こるというのか?


(おそ)れるには(およ)ばぬ、有縁(うえん)(もの)よ。(わたくし)貴方(あなた)(がい)する意図(いと)()い。(ただ)(ひと)つ、質問(しつもん)があって(たず)ねたいだけである。」


墨瑶(ぼくよう)意志(いし)(かす)かな(こえ)()()けた。


方源(ほうげん)推測(すいそく)するまでも()く、彼女(かのじょ)(なに)()うか()かっていた。


()ぐに薄青(はくせい)天劫(てんごう)突破(とっぱ)できずに失敗(しっぱい)した事実(じじつ)(つた)えた。


()凶報(きょうほう)()き、墨瑶(ぼくよう)意志(いし)(はげ)しく()(うご)き、(またた)()崩壊(ほうかい)寸前(すんぜん)()った!


方源(ほうげん)心中(しんちゅう)(ひそ)かに(よろこ)んだ。


(しか)(かれ)失望(しつぼう)させた(こと)に、墨瑶(ぼくよう)意志(いし)(どう)とか()(かたち)(たも)(つづ)けていた。


(よる)(ごと)双眸(そうぼう)(なみだ)(くも)り、墨瑶仙子(ぼくようせんし)表情(ひょうじょう)複雑(ふくざつ)(きわ)まりなかった。


(そこ)には悲嘆(ひたん)解放(かいほう)()()じっている。


(まさ)彼女(かのじょ)(うた)に「歳月(さいげつ)(たちま)(すで)()れて、情仇(じょうきゅう)(すで)綿長(めんちょう)なり」と(うた)わしめた(ごと)く、彼女(かのじょ)薄青(はくせい)(あいだ)()(ひろ)げられた愛憎(あいぞう)(げき)は、(かなら)ずや複雑(ふくざつ)(から)()った長編(ちょうへん)物語(ものがたり)であったに(ちが)いない。


有縁(うえん)(もの)よ、貴方(あなた)(すで)招災蛊(しょうさいこ)煉成(れんせい)し、此処(ここ)(たず)()近水楼台(きんすいろうだい)煉化(れんか)着手(ちゃくしゅ)した以上(いじょう)、おおかたの経緯(いきさつ)()っておろう。()はや(かれ)()()()いのなら、一切(いっさい)()()りし(こと)としよう。


(ああ)……()れは(おそ)らく蒼生(そうせい)(さいわ)いなのかも()れぬ。」


墨瑶(ぼくよう)意志(いし)一呼吸(ひといき)()いて、(つづ)けた。


()れは(すで)霊縁斎(れいえんさい)(そむ)いた。(いま)となっては、()近水楼台(きんすいろうだい)返還(へんかん)する(こと)唯一(ゆいいつ)遺志(いし)である。


()(つぐな)いとして、()生涯(しょうがい)()けて会得(えとく)した煉道(れんどう)(こころ)()伝授(でんじゅ)しよう。


()れに(くわ)え、八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)に関する機密情報(きみつじょうほう)(さず)けよう。」









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