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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第一百五十九節:伟力逆流惊圣宫

聖宮(せいきゅう)全体(ぜんたい)が、愕然(がくぜん)戦慄(せんりつ)(うず)()()まれた。


(またた)くうちに、()()がる騒然(そうぜん)たる(こえ)奔流(ほんりゅう)()()こった。


()れは、(なん)たる(こと)だ!?」


(なに)()きたのだ? 何故(なぜ)(かすみ)(しぼ)(はじ)めているのか?」


(いま)()(こと)()光景(こうけい)が、衆人(しゅうじん)眼前(がんぜん)()(ひろ)げられていた。


(おもむ)ろに凝練(ぎょうれん)されつつ()った八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)第二層(だいにそう)が、(あわ)(かす)(はじ)めていた。濃密(のうみつ)彩霞(さいか)が、()()える(はや)さで縮小(しゅくしょう)し、(いろ)あせて()く。


(なん)てこった!?」


黒楼蘭(こくろうらん)(まゆ)(つよ)くひそめ、(ふと)(うで)()ばして黒沛家老(こくはいかろう)衣襟(えり)(つか)み、(みずか)らの眼前(がんぜん)()()()せた。


(かれ)表情(ひょうじょう)(ゆが)み、(いか)(まなこ)(ひから)せて、(うな)るように(ひく)(とどろ)かせた。「調(しら)べ上げ(あ)げろ!一体(いったい)(なに)()きたのか、()りたいのだ!」


黒楼蘭(こくろうらん)十絶体(じゅうぜつたい)(ひと)つである大力真武体(だいりきしんぶたい)であり、(せん)昇華(しょうか)する以外(いがい)()圧力(あつりょく)から(のが)れる(すべ)()い。


(しか)十絶体(じゅうぜつたい)(せん)(いた)るには、相応(ふさわ)しい仙蛊(せんこ)補佐(ほさ)必須(ひっす)である。


黒楼蘭(こくろうらん)は、八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)(なか)(みずか)らの成仙(せいせん)(かぎ)――力道仙蛊(りきどうせんこ)()(いだ)(のぞ)みを(たく)していた。どうして八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)異変(いへん)()こることを(ゆる)せようか?


黒沛家老(こくはいかろう)恐怖(きょうふ)(からだ)(ふる)わせていた。黒楼蘭(こくろうらん)調査(ちょうさ)(めい)じられても、()凡人(ぼんじん)()ぎない(かれ)に、如何(いか)にして調(しら)べ上げ(あ)げられよう?(なに)()かると()うのか?


()(ごえ)()じりで(こた)えた。「そ、()れは… 配下(はいか)には()かり()ねます。史籍(しせき)にさえ記録(きろく)()(こと)御座(ござ)いますので…」


(うす)れてきた、()(うす)れてきた!」


()(もの)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)指差(ゆびさ)し、絶叫(ぜっきょう)した。


彩霞(さいか)(ちぢ)(つづ)け、濃密(のうみつ)だった霞光(かこう)次第(しだい)()せていった。


(おお)くの蛊師(こし)呆然(ぼうぜん)見上(みあ)げ、恐慌(きょうこう)(じょう)疾走(しっそう)するように(ひろ)がっていく。


「まさか八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)()わるのか?」


()れは我々(われわれ)仙尊(せんそん)なる御先祖様(ごせんぞさま)御手(おて)ずから(もう)(たま)ったものではなかったか?」


()たして八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)(いえ)ども、光阴(こういん)長河(ちょうが)(なが)れには(あらが)えぬというのか?」


群衆(ぐんしゅう)顔色(かおいろ)(うしな)い、(なか)には両手(りょうて)(ひたい)(おお)(もの)もいた。()(ひとみ)には、(ただ)(あわ)てふためく(よう)(うつ)っている。


大混乱(だいこんらん)()したな。」


遠方(えんぽう)にて、方源(ほうげん)目光(もくこう)(かす)かに()らめき、口元(くちもと)()ややかな()みが(にじ)んだ。


(たと)(へだ)たること(とお)くとも、聖宮(せいきゅう)から()()がる恐慌(きょうこう)(さけ)(ごえ)は、(はる)彼方(かなた)まで(とど)いてくる。


()恐慌(きょうこう)()()こした張本人(ちょうほんにん)は、聖宮(せいきゅう)一瞥(いちべつ)するや、()ぐに(また)うつむき、足下(あしもと)地丘(ちきゅう)深穴(ふかあな)凝視(ぎょうし)した。


(かれ)()には()しき(ひかり)(かがや)き、舌鼓(したつづみ)()って賞賛(しょうさん)した。「流石(さす)がである、(じつ)見事(みごと)なわざだ!」


方源(ほうげん)は元々(もともと)、最大(さいだい)でも一割(いちわり)(ほど)霞光(かこう)逆吸収(ぎゃうきゅうしゅう)されるだけだと予想(よそう)していた。(しか)るに実際(じっさい)(うご)()してみれば、逆流(ぎゃくりゅう)してくる偉力(いりょく)予想(よそう)をはるかに()えていたのだ!


()一点(いってん)()るだけでも、方源(ほうげん)()蛊仙(こせん)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)に対して、(すく)なくとも(みずか)同様(どうよう)(ふか)理解(りかい)(ゆう)している(こと)看取(かんしゅ)した。


()神秘(しんぴ)蛊仙(こせん)は、()たして何者(なにもの)なのか? 如何(いか)なる身分(みぶん)(もの)なのか? ()()重生(ちょうせい)利便(りべん)(めぐ)まれ、(さら)には琅琊地霊(ろうやちれい)第一級(だいいっきゅう)情報(じょうほう)(ゆう)している。彼(あるいは彼女)は如何(いか)にして、八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)(たい)して()くも詳細(しょうさい)知見(ちけん)()たのであろうか?」


此刻(こく)洞穴(どうけつ)(ない)(すで)彩霞(さいか)充満(じゅうまん)し、(あふ)()んとする(いきお)いさえ()せている。(しか)()れは(つね)洞口(どうこう)(おお)一層(いっそう)黒光(こっこう)()()められている。


霞光(かこう)(たぎ)()ち、()(なか)には一筋(ひとすじ)強光(きょうこう)次第(しだい)増大(ぞうだい)しつつある。


ガシャン...


八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)第一層(だいいっそう)に、無数(むすう)裂痕(れっこん)(はし)(はじ)めた。


黒沛(こくはい)(はじ)めとする家老(かろう)たちは、顔面(がんめん)蒼白(そうはく)となり、呆然(ぼうぜん)として()光景(こうけん)見守(みまも)っていた。


聖宮(せいきゅう)上層(じょうそう)位置(いち)する蛊師(こし)たちは、数多(あまた)(もの)()(ひざまず)き、()()なく(ひたい)地面(じめん)()()けて(おが)(つづ)けている。


彼等(かれら)(こえ)()()げ、(ある)いは()(さけ)び、(せつ)(ねが)(もと)めて――


(くず)れないで、(くず)れてはならない!」


「ご先祖様(せんぞさま)私共(わたくしども)一体(いったい)(なに)(あやま)ったというので、(かく)(きび)しいお仕置(しお)きをなさるのですか?」


何卒(なにとぞ)先祖様(せんぞさま)(たい)いなる慈悲(じひ)をお(さず)(くだ)さいまして、不孝(ふこう)なる子孫(しそん)(ども)にもう一度(いちど)機会(きかい)(たま)わりたく!」


此等(これら)(こえ)黒楼蘭(こくろうらん)(みみ)(とど)くも、(かれ)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)第一層(だいいっそう)を、(うご)かぬ(ひとみ)凝視(ぎょうし)(つづ)けていた。


幾重(いくえ)にも(かさ)なる裂痕(れっこん)が、()()なく第一層楼面(だいいっそうろうめん)蔓延(まんえん)していく。


(たと)黒楼蘭(こくろうらん)五转蛊師(ごてんこし)であり、十絶体(じゅうぜったい)という凡人(ぼんじん)頂点(ちょうてん)()存在(そんざい)であると(いえ)ども、()(とき)ばかりは手足(てあし)なす(すべ)()らず、(ちから)(およ)ばぬ無念(むねん)彷徨(さまよ)いを(おぼ)えざるを()なかった!


(いな)(しか)るべからず! ()事態(じたい)(けっ)して看過(かんか)する(わけ)には()かぬ!」


突然(とつぜん)黒楼蘭(こくろうらん)憤怒(ふんぬ)咆哮(ほうこう)(ほとばし)らせた。その(かお)(ゆが)み、(ひとみ)には灼熱(しゃくねつ)(いか)りが(あふ)れんばかりであった。


(はは)(あだ)(いま)()てず! ()復讐(ふくしゅう)大計(たいけい)()力道仙蛊(りきどうせんこ)よ!」


(かれ)(こころ)(うち)(さけ)(つづ)けていた。


ゴオォン...


(かす)かな(ひび)きが、()()るがす大音響(だいおんきょう)へと()わった。


八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)の、本来(ほんらい)凝実(ぎょうじつ)して(かたち)()していた第一層(だいいっそう)完全(かんぜん)崩壊(ほうかい)し、虚空(こくう)(ひろ)がる彩霞(さいか)へと還元(かんげん)された。


霞光(かこう)(あた)かも堤防(ていぼう)(やぶ)った洪水(こうずい)(ごと)(ほとば)()急速(きゅうそく)(ひろ)がり、幾度(いくど)呼吸(こきゅう)する()に、巨大(きょだい)聖宮(せいきゅう)(つつ)()み、(さら)には天際(てんさい)()()げた。


ぷっ!


黒楼蘭(こくろうらん)(ひとみ)(ひかり)()え、(むね)煩悶(はんもん)(かぎ)りなく、一股(いっこ)鬱血(うっけつ)咽喉(いんこう)まで逆流(ぎゃくりゅう)し、噴出(ふんしゅつ)せざるを()なかった。


(いな)──! 絶対(ぜったい)(みと)めぬ! ()れ、()(もと)(もど)れ!」


(かれ)両腕(りょううで)(ひろ)十指(じっし)()ばし、煙霞(えんか)(つか)(もど)さんと(こころ)みた。


(あた)かも(かれ)努力(どりょく)(こた)える(ごと)く、(ほとば)()霞光(かこう)次第(しだい)縮小(しゅくしょう)(はじ)めた。外周(がいしゅう)(かすみ)()()なく後退(こうたい)していく。


黒楼蘭(こくろうらん)()一筋(ひとすじ)(ひかり)(はし)ったが、()ちに()()がった希望(きぼう)火花(ひばな)は、(またた)くうちに完全(かんぜん)()()せた。


霞光(かこう)(たし)かに退却(たいきゃく)しつつあったが、()(なか)第一層(だいいっそう)虚影(きょえい)再凝練(さいぎょうれん)される気配(けはい)()かった。(かすみ)次第(しだい)(うす)()き、(あた)かも()()えぬ巨獣(きょじゅう)貪欲(どんよく)()らい()くしているかのようであった。


「いや、()めてくれ…」


遠方(えんぽう)太白云生(たいはくうんせい)放心状態(ほうしんじょうたい)(つぶや)いた。


(てん)()黒家(こくけ)見捨(みす)てられたというのか?」


黒沛大(こくはいたい)家老(かろう)(かみ)(つか)んで一束(ひとたば)も引き()ぎった。


八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)黒家(こくけ)()の中で問題(もんだい)()こせば、黒家(こくけ)完全(かんぜん)()わりだ。(ほか)超大勢力(ちょうだいせいりょく)や、各黄金部族(かくおうごんぶぞく)彼等(かれら)見逃(みのが)すはずがない。


(てん)よ、一体(いったい)(なに)()きているのだ?八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)がまさか……」


耶律桑(やりつそう)(むね)()さえ、恐慌(きょうこう)(から)られた。()(むね)には、火道仙蛊(かどうせんこ)()(しろ)とされていた。王庭之争(おうていのあらそい)(まえ)に、耶律家(やりつけ)太上家老(たいじょうかろう)である耶律莱(やりつらい)耶律桑(やりつそう)()(あた)えたものだ。此刻(こっこく)()火道仙蛊(かどうせんこ)()()なく(ふる)えている


()(とき)方源(ほうげん)もまた顔色(かおいろ)(かす)かに()えた。


(かれ)空竅(くうこう)(なか)では、春秋蝉(しゅんじゅうせみ)実体(じったい)(あら)わし、()()なく(ふる)えながら仙蛊(せんこ)威厳(いげん)(はな)ち、五转(ごてん)空竅(くうこう)(きし)ませていた。


()れは天地(てんち)大道(だいどう)(たが)いに感応(かんのう)しているのである。」


方源(ほうげん)()(こと)熟知(じゅくち)していた。


(ひと)万物(ばんぶつ)(れい)であり、()天地(てんち)(せい)にして大道(だいどう)媒体(ばいたい)である。凡蛊(ぼんこ)()天地(てんち)法則(ほうそく)一片(いっぺん)微細(びさい)断片(だんぺん)()ぎないとすれば、仙蛊(せんこ)大道(だいどう)一角(いっかく)であり、天地(てんち)真理(しんり)完結(かんけつ)した一段(いちだん)なのである。


(まさ)()(ゆえ)に、仙蛊(せんこ)唯一無二(ゆいいつむに)なのである。


(まい)仙蛊(せんこ)誕生(たんじょう)する(たび)に、周囲(しゅうい)(ほか)仙蛊(せんこ)共鳴(きょうめい)し、感応(かんのう)()こして顫動(せんどう)する。


蛊虫(こちゅう)宿(やど)大道(だいどう)(ことわり)相似(そうじ)し、(ある)いは相克(そうごう)する(ほど)仙蛊間(せんこかん)感応(かんのう)(ふか)まり、顫動(せんどう)(はば)(おお)きくなる。


春秋蝉(しゅんじゅうせみ)顫動(せんどう)程度(ていど)から()ると、(いま)まさに誕生(たんじょう)せんとする()仙蛊(せんこ)宙道(ちゅうどう)のものではないようだ。」


方源(ほうげん)推測(すいそく)しながら、視線(しせん)地洞(ちどう)から一瞬(いっしゅん)(はな)さず、警戒(けいかい)(ゆる)めなかった。


地洞(ちどう)(なか)では、霞光(かこう)()()なく八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)から()()せられ、また()えず消長(しょうちょう)()(かえ)しながら、(なか)一筋(ひとすじ)強光(きょうこう)(はぐく)んでいた。


()強光(きょうこう)次第(しだい)増大(ぞうだい)し、洞口(どうこう)(おお)黒膜(こくまく)も、最早(もはや)禁锢(きんこ)()れない趨勢(すうせい)()(はじ)めていた。


最早(もはや)()()たねば。()のままでは黒膜(こくまく)(やぶ)れ、霞光(かこう)(あま)()き、()()露見(ろけん)する。黒楼蘭(こくろうらん)らに気付(きづ)かれる程度(ていど)些事(さじ)だが、(まん)(いち)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)(ふか)くで(ねむ)意志(いし)()ましてしまえば、仙尊(せんそん)一念(いちねん)灰燼(かいじん)()すこと必定(ひつじょう)である。」


(さき)幾度(いくど)か、方源(ほうげん)()()衝動(しょうどう)()意志(いし)(おさ)えてきた。()(とき)時機(じき)完璧(かんぺき)(じゅく)したと()るや、(つい)行動(こうどう)(うつ)り、(またた)(うち)漫天(まんてん)蛊虫(こちゅう)()()らした。


蛊虫(こちゅう)一転(いってん)から五转(ごてん)まで各道(かくどう)多種多様(たしゅたよう)にわたり、花吹雪(はなふぶき)(ごと)()(そそ)いだ。


一見(いっけん)無秩序(むちつじょ)()える()光景(こうけい)には、(じつ)(ふか)奥義(おうぎ)(かく)されていた。蛊虫(こちゅう)種別(しゅべつ)ごとに区画分(くかくぶ)けされ、(たが)いの間隔(かんかく)厳密(げんみつ)計算(けいさん)されている。(なか)には落下速度(らっかそくど)意図的(いとてき)(おく)らせたもの、(はや)めたものさえ存在(そんざい)した。


()れは煉蛊(れんこ)上級手法(じょうきゅうしゅほう)花散(はなち)り」と(しょう)せられる。奴道(どどう)造詣(ぞうけい)飛行術(ひこうじゅつ)同様(どうよう)天賦(てんぷ)(さい)(めぐ)まれた(もの)でなければ会得(えとく)できぬ(わざ)である。仮令(たとえ)天稟(てんぴん)卓越(たくえつ)なる蛊師(こし)(いえ)ども、(すく)なくとも千百回(せんひゃっかい)修練(しゅうれん)()て、(はじ)めて(かたち)になると()われる。


方源(ほうげん)()手法(しゅほう)(いき)は「(かたち)になる」程度(ていど)(はる)かに()え、一部(いちぶ)煉道大師(れんどうたいし)さえも驚嘆(きょうたん)せしめるに()る。蛊虫(こちゅう)()()()わるや、彩霞(さいか)次第(しだい)一色(いっしょく)へと(おさ)まり、碧水(へきすい)(ごと)蒼穹(そうきゅう)()って、(どう)から(せい)へと(てん)じた。


碧光(へきこう)(なか)には、無数(むすう)飛鳥(ひちょう)()い、遊魚(ゆうぎょ)(ごと)白光(はくこう)(ただよ)う。点々(てんてん)と(かがや)白光(はくこう)は、(とき)(あつ)まって(かたまり)()り、(とき)(さん)りて(ほし)(ごと)(かがや)く。方源(ほうげん)(しば)らく凝視(ぎょうし)するうちに、眩暈(めまい)がし(はじ)めた。


(かれ)(あわ)てて視線(しせん)をそらし、(かお)()げて聖宮(せいきゅう)方向(ほうこう)()やった。


聖宮(せいきゅう)方角(ほうがく)から()こえてくる喧噪(けんそう)は、(すで)(よわ)まりつつあった。聖宮(せいきゅう)(おお)彩霞(さいか)半減(はんげん)(ぢか)くまで縮小(しゅくしょう)した(のち)、その速度(そくど)(おもむ)ろに緩和(かんわ)され(はじ)めていた。


此処(ここ)(だれ)注意(ちゅうい)()けられておらず、展開(てんかい)された狼群(ろうぐん)からも交戦(こうせん)の知らせが()いことを確認(かくにん)し、方源(ほうげん)心中(しんちゅう)安堵(あんど)(いき)をついた。


万事(ばんじ)順調(じゅんちょう)(はこ)んでいる。(つぎ)最終段階(さいしゅうだんかい)だ。」


(かれ)慎重(しんちょう)微細(びさい)に、一片(いっぺん)得意(とくい)がかる(こころ)(いだ)かず、(むし)一層(いっそう)警戒(けいかい)(つよ)めた。


仮令(たとえ)()()であれ、地球(ちきゅう)歴史(れきし)であれ、成功(せいこう)目前(もくぜん)にして失敗(しっぱい)する事例(じれい)は、()たして(すく)ないと()えようか?


()れに()最終段階(さいしゅうだんかい)は、動静(どうせい)(すこぶ)(おお)きい。(もっと)問題(もんだい)()こり(やす)環節(かんせつ)なのである。


方源(ほうげん)()(うち)に、とっくに臭屁蛊(しゅうひこ)(ひか)えていた。()(とき)()一振(ひとふ)りし、(かろ)やかに洞中(どうちゅう)(はな)った。


途端(とたん)に、洞穴(どうけつ)から(ひと)つの異香(いこう)(ただよ)()した。


異香(いこう)無風(むふう)にして()り、(またた)(うち)蔓延(まんえん)していった。


()まった、()まったぞ!」


一瞬(いっしゅん)驚愕(きょうがく)した(のち)聖宮(せいきゅう)(ない)蛊師(こし)たちは狂喜乱舞(きょうきらんぶ)した。


殿(との)霞光(かこう)縮小(しゅくしょう)()め、(ふたた)(ゆる)やかに増大(ぞうだい)(はじ)めました!」


黒家(こくけ)家老(かろう)(ひと)りが興奮(こうふん)して(さけ)んだが、黒楼蘭(こくろうらん)一蹴(いっしゅう)()らった。


()えておるわい!」


黒楼蘭(こくろうらん)家老(かろう)蹴倒(けたお)すと、(おおかみ)(ごと)眼光(がんこう)(ひく)(うな)った。(よろこ)びを(あらわ)にしながらも、()心中(しんちゅう)依然(いぜん)として緊張(きんちょう)(しば)られていた。


八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)霞光(かこう)縮小(しゅくしょう)し、(さら)には階層(かいそう)崩壊(ほうかい)するといっった事態(じたい)は、(いま)だかつて()かった。


一体(いったい)(なに)()きているのか?


黒楼蘭(こくろうらん)心中(しんちゅう)疑念(ぎねん)渦巻(うずま)いていた。


何処(どこ)問題(もんだい)()るのか()からず、焦燥感(しょうそうかん)()()てられる。(さら)黒楼蘭(こくろうらん)無念(むねん)鬱憤(うっぷん)にからしめているのは、八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)仙尊(せんそん)御手(おて)によるものだという事実(じじつ)であった。「仮令(たとえ)問題点(もんだいてん)()かったと(ところ)で、()能力(のうりょく)では解決(かいけつ)できまい……」


()(かれ)が、()())全て(すべて)が方源(ほうげん)暗躍(あんやく)によるものだと()ったなら、(たと)命懸(いのちが)けでも暗渡仙蛊(あんとせんこ)によって(ほどこ)された封印(ふういん)(やぶ)り、方源(ほうげん)生死(せいし)()けて(たたか)いを(いど)んだ(こと)だろう。









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