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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第一百五十三節:巨阳大局晶中宝

方源(ほうげん)水晶(すいしょう)長廊(ちょうろう)(なか)()()くしていた。


眼前(がんぜん)には光華(こうか)流転(りゅてん)し、四方(しほう)(かべ)()(とお)水晶(すいしょう)出来(でき)ており、(かがみ)(ごと)人影(にんえい)(うつ)()している。


方源(ほうげん)視線(しせん)(めぐ)らすと、後方(こうほう)及び(および)左右(さゆう)(かべ)()ざされ、(まえ)(ほう)のみが唯一(ゆいいつ)進路(しんろ)であった。


(つい)秘蔵閣(ひぞうかく)辿(たど)()いたか。」


方源(ほうげん)口元(くちもと)(かす)かな()みが()かんだ。(かれ)(あし)(すす)め、(まえ)へと(ある)()した。


水晶(すいしょう)長廊(ちょうろう)細長(ほそなが)透徹(とうてつ)しており、五歩(ごほ)()かぬ(うち)に、左右(さゆう)水晶壁(すいしょうへき)(なか)無数(むすう)蛊虫(こちゅう)蛊方(こほう)などが(あら)われ(はじ)めた。(あた)かも琥珀(こはく)(なか)(ふう)()められた(むし)(ごと)く、それらは(しず)かに水晶(すいしょう)内側(うちがわ)存在(そんざい)している。


()れらは(みな)秘蔵閣(ひぞうかく)(おさ)める奇珍異宝(きちんいほう)である。()れを()()れんとすれば、相応(ふさわ)しい価値(かち)(もの)交換(こうかん)せねばならない。


「ふむ?此処(ここ)木道(もくどう)天元宝王蓮(てんげんほうおうれん)がおるな。」


方源(ほうげん)(おもむ)ろに(ある)みを()め、眼前(がんぜん)水晶壁(すいしょうへき)(なか)に、封印(ふういん)された見覚(みおぼ)()蛊虫(こちゅう)(みと)めた。


()()(あお)(しろ)(しま)模様(もよう)(はい)った満開(まんかい)蓮華(れんげ)で、洗面器(せんめんき)(ほど)(おお)きさがある。()由来(ゆらい)非凡(ひぼん)で、元蓮仙尊(げんれんせんそん)によって(つく)()された。


一連(いちれん)()()わせが存在(そんざい)し、三転(さんてん)天元宝蓮(てんげんほうれん)四転(してん)天元宝君蓮(てんげんほうくんれん)五転(ごてん)天元宝王蓮(てんげんほうおうれん)、そして六転(ろくてん)天元宝皇蓮(てんげんほうこうれん)から()る。


(なか)でも天元宝皇蓮(てんげんほうこうれん)十大仙蛊(じゅうだいせんこ)第六位(だいろくい)(かぞ)えられ、()価値(かち)春秋蝉(しゅんじゅうせみ)互角(ごかく)である。現在(げんざい)琅琊地霊(ろうやちれい)()(ちゅう)()る。


方源(ほうげん)以前(いぜん)天元宝蓮(てんげんほうれん)一匹(いっぴき)使用(しよう)した(こと)()り、(おお)きく(かれ)資質(ししつ)欠陥(けっかん)(おぎな)い、非常(ひじょう)(おお)きな(たす)けと()った。(しか)()()(さら)昇進(しょうしん)させ(よう)とすれば、方源(ほうげん)対応(たいおう)する蛊方(こほう)()くのみならず、合成練成(ごうせいれんせい)代償(だいしょう)高額(こうがく)で、一道(いちどう)天然元泉(てんねんげんせん)利用(りよう)しなければならない。()元泉(げんせん)元力(げんりょく)飽満(ほうまん)である必要(ひつよう)で、長年(ながねん)使用(しよう)されて底蕴(ていいん)不足(ふそく)した元泉(げんせん)では(やく)()たない。成功(せいこう)した(あと)は、()元泉(げんせん)完全(かんぜん)(すた)れてしまう。

四転元蓮(してんげんれん)昇格(しょうか)するには、七基(ななき)元泉(げんせん)()てねばならぬ。五転(ごてん)(いた)っては(さら)九基(きゅうき)六転(ろくてん)となれば十一基(じゅういちき)(よう)する。


()数値(すうち)南疆(なんきょう)(など)地域(ちいき)元泉(げんせん)(もと)づく。北原(ほくげん)元泉(げんせん)利用(りよう)する場合(ばあい)(すく)なくとも六割増(ろくわりま)しの消費(しょうひ)となる。


方源(ほうげん)当時(とうじ)天元宝蓮(てんげんほうれん)昇進(しょうしん)させようとするのは、(じつ)困難(こんなん)(きわ)まりなかった。(いわ)んや()資質(ししつ)(おお)きく改善(かいぜん)された(ため)(かれ)天元宝蓮蛊(てんげんほうれんこ)断念(だんねん)したのである。


(しか)(いま)()五转天元宝王蓮(ごてんてんげんほうおうれん)は、(かれ)(こころ)()()けて()まない。


天元宝蓮(てんげんほうれん)系統(けいとう)は『移動元泉(いどうげんせん)』と(しょう)される。一旦(いったん)煉化(れんか)すれば、天然(てんねん)真元(しんげん)産出(さんしゅつ)する。三转天元宝蓮蛊(さんてんてんげんほうれんこ)は、最早(もはや)()(よう)には()わぬ。(しか)五转天元宝王蓮(ごてんてんげんほうおうれん)は、(まさ)現在(げんざい)()状態(じょうたい)(てき)している。」


しかし()天元宝王蓮(てんげんほうおうれん)()にれるには、規矩(きく)(したが)い、方源(ほうげん)等価(とうか)宝物(ほうぶつ)交換(こうかん)せねばならない。


()れでは(しば)()えてみよう。」


方源(ほうげん)(いま)(とみ)()かし福地(ふくち)(よう)する(こと)(すなわ)蛊仙(こせん)()みの資本(しほん)(ゆう)すると()って過言(かごん)ではない。


天元宝王蓮(てんげんほうおうれん)()わんとすれば、他人(たにん)にとっては()ぐるみ()がされる大仕掛(おおじか)けなれど、方源(ほうげん)()っては、(たん)如何(いか)なる選択(せんたく)をするかという小問題(しょうもんだい)()ぎない。


(なに)(もっ)()わすべきか?」


方源(ほうげん)心神(しんしん)(ふた)つの空竅(くうこう)(さぐ)()れた。


空竅中(くうこうちゅう)力道(りきどう)奴道蛊(どどうこ)は、無論(むろん)交換(こうかん)(きょう)することはできぬ。第一本命蛊(だいいちほんめいこ)である春秋蝉(しゅんじゅうせみ)(いた)っては、()()すことさえ(かな)わない。


しかし()以外(いがい)にも、多種多様(たしゅたよう)蛊虫(こちゅう)がごた()ぜに存在(そんざい)している。


此等(これら)蛊虫(こちゅう)単独(たんどく)価値(かち)は、無論(むろん)天元宝王蓮(てんげんほうおうれん)には(およ)ばない。(しか)れど一匹(いっぴき)()りなければ、二匹(にひき)三匹(さんびき)複数(ふくすう)交換(こうかん)()てればよい。


「ふむ?此処(ここ)如何(いか)して十八顆(じゅうはっか)泉蛋蛊(せんたんこ)が?」


方源(ほうげん)第一空竅(だいいちくうこう)(なか)に、珍稀(ちんき)なる五転蛊(ごてんこ)一団(いちだん)()えていることに(おどろ)いて発見(はっけん)した。


しかし(かれ)(ただ)ちに()理由(りゆう)を思い(おもいあ)たった。「()れも(わす)れる(ところ)だった。()れは上等突破(じょうとうとっぱ)褒賞(ほうしょう)として、真陽楼(しんようろう)直接(ちょくせつ)空竅(くうこう)(おく)()んだものである。」


道理(どうり)()えば、蛊師(こし)空竅(くうこう)修行(しゅぎょう)根本(こんぽん)たる最重要(さいじゅうよう)秘所(ひしょ)である。(しか)真陽楼(しんようろう)は、流石(さす)長毛老祖(ちょうもうろうそ)(みずか)らが煉製(れんせい)し、巨陽仙尊(きょようせんそん)布置(ふち)しただけあって、蛊虫(こちゅう)直接(ちょくせつ)蛊師(こし)空竅(くうこう)(おく)()むという途方(とほう)もない威能(いのう)(ゆう)するのだ。


()くして、方源(ほうげん)納得(なっとく)したのであった。


泉蛋蛊(せんたんこ)は、天元宝王蓮(てんげんほうおうれん)には(およ)ばないものの、同様(どうよう)五转蛊(ごてんこ)である。


()外観(がいかん)白鳥(はくちょう)(たまご)(ごと)く、強力(きょうりょく)蛋人皇(たんじんこう)(とう)(ばつ)して()られる。泉蛋蛊(せんたんこ)地底(ちてい)(ふか)くに()()けると、元水泉ノ(げんすいせんのめ)形成(けいせい)される。


元泉(げんせん)蛊師(こし)修行(しゅぎょう)根幹(こんかん)である(ため)大規模部族(だいきぼぶぞく)家族(かぞく)は、不測(ふそく)事態(じたい)(そな)えて基盤(きばん)強化(きょうか)する(ため)泉蛋蛊(せんたんこ)(あつ)める。(たと)蛊仙(こせん)(いえど)も、(みずか)らの福地(ふくち)元泉(げんせん)(もう)万物(ばんぶつ)(うるお)(ため)に、しばしば購入(こうにゅう)(もと)める。


方源(ほうげん)(なん)躊躇(ちゅうちょ)()く、()(なか)から一匹(いっぴき)泉蛋蛊(せんたんこ)を取り(とりだ)した。


(しか)()()出来(でき)()くなく、卵の(から)表面(ひょうめん)には(かす)かな(ひび)(われ)(ひろ)がっている。()(なか)には(あき)らかな真元(しんげん)痕跡(こんせき)(のこ)っており、(あき)らかに使用済(しようず)みであった。


方源(ほうげん)双眸(そうぼう)(するど)(ひかり)一瞬(いっしゅん)(はし)り、(ひや)やかな(わら)(ごえ)()れた。「()()は、飛手雪(ひしゅせつ)掠奪(りゃくだつ)された(さい)損傷(そんしょう)()けたようだな。八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)突破報酬(とっぱほうしゅう)は、(みな)(かく)(ごと)由来(ゆらい)という(わけ)か。」


巨陽仙尊(きょようせんそん)は「家天下(かてんか)」という美夢(びむ)実現(じつげん)すべく、子孫(しそん)(ため)利益(りえき)をも画策(かくさく)し、千古(せんこ)大局(たいきょく)布置(ふち)するに骨身(ほねみ)()しまなかった。


()ずは王庭之争(おうていのあらそい)(もっ)他部族(たぶぞく)弱体化(じゃくたいか)させ、(つづ)いて十年雪災(じゅうねんせっさい)利用(りよう)し、北原(ほくげん)各地(かくち)天材地宝(てんざいちほう)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)収奪(しゅうだつ)した。


看官(かんかん)(おぼ)えよ、蛊師(こし)修行(しゅぎょう)物資(ぶっし)への依存(いぞん)度合(どあい)(きわ)めて(おお)きい。


巨陽仙尊(きょようせんそん)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)設立(せつりつ)したのは、(まさ)釜底(ふてい)より(たきぎ)()くが(ごと)(さく)である。物資(ぶっし)収奪(しゅうだつ)して自家(じか)血脈後裔(けつみゃくこうえい)(あた)え、他部族(たぶぞく)台頭(たいとう)希望(きぼう)()()やさんとするものだ。


方源(ほうげん)五百年(ごひゃくねん)前世(ぜんせ)経験(けいけん)した通り、中洲蛊仙(ちゅうしゅうこせん)たちが王庭福地(おうていふくち)攻略(こうりゃく)した(さい)には、(まさ)()真陽楼(しんようろう)特性(とくせい)利用(りよう)していた。


彼等(かれら)(こま)派遣(はけん)王庭福地(おうていふくち)(もぐ)()ませると(とも)に、意図的(いとてき)蛊虫(こちゅう)()()らし、飛手雪(ひしゅせつ)掠奪(りゃくだつ)されるままに(ゆだ)ねた。最終的(さいしゅうてき)には真陽楼(しんようろう)内部(ないぶ)から破壊(はかい)仕掛(しか)け、決定的(けっていてき)(ひび)(われ)穿(うが)ったのである。


中洲蛊仙(ちゅうしゅうこせん)たちは王庭福地(おうていふくち)破滅(はめつ)させた(のち)巨陽仙尊(きょようせんそん)邪悪(じゃあく)(たくら)みを(さら)()し、(ひろ)世間(せけん)公表(こうひょう)した。()れにより北原(ほくげん)には(おお)きな動揺(どうよう)(はし)り、民衆(みんしゅう)(いか)りは(てん)()がす(ほど)沸騰(ふっとう)した。


(しか)動揺(どうよう)()れど、北原(ほくげん)依然(いぜん)として中洲(ちゅうしゅう)()第二(だいに)戦力(せんりょく)(たも)っている。(かく)(ちょう)大勢力(だいせいりょく)黄金部族(おうごんぶぞく)連合(れんごう)して鎮圧(ちんあつ)()たった(ため)北原(ほくげん)基盤(きばん)()(どう)だにしなかった。


黄金部族(おうごんぶぞく)による北原支配(ほくげんしはい)長年(ながねん)(わた)り、(すで)()(ふか)()(かた)められている。最早(もはや)民衆(みんしゅう)沸騰(ふっとう)などでは()るぎようも()いのである。


民意(みんい)がどれほど(おお)きくとも、武力(ぶりょく)(ささ)えが()ければ塵芥(じんかい)同然(どうぜん)である。


方源(ほうげん)()にした泉蛋蛊(せんたんこ)水晶壁(すいしょうへき)(ちか)づけ、(なか)封印(ふういん)された天元宝王蓮(てんげんほうおうれん)()せた。


周辺(しゅうへん)水晶壁(すいしょうへき)(かす)かな赤光(せきこう)(はな)(はじ)め、(つづ)いて橙光(とうこう)(あらわ)れ、(さら)には黄芒(おうぼう)(かがや)いた。


(せき)(とう)(おう)三光(さんこう)交錯(こうさく)した(のち)(うご)きは()んだ。方源(ほうげん)(さら)二匹(にひき)泉蛋蛊(せんたんこ)を取り(とりだ)し、水晶壁(すいしょうへき)(ちか)づけた。


()くして第四(だいよん)緑色(りょくしょく)光暈(こううん)(きらめ)いた。(しか)緑芒(りょくぼう)()三光(さんこう)圧倒(あっとう)され、(かがや)きを(よわ)めていた。


水晶壁(すいしょうへき)実体(じったい)から(きょ)ろへと変容(へんよう)し、(かす)かに(ふる)えた。(なか)からは天元宝王蓮(てんげんほうおうれん)が悠々(ゆうゆう)と飛来(ひらい)し、一方(いっぽう)方源(ほうげん)()(なか)四匹(よんひき)泉蛋蛊(せんたんこ)制御(せいぎょ)(うしな)い、水晶壁(すいしょうへき)(なか)()()まれて天元宝王蓮(てんげんほうおうれん)(もと)位置(いち)(おさ)まった。


天元宝王蓮(てんげんほうおうれん)はゆるりと方源(ほうげん)掌中(しょうちゅう)()ち、(かれ)真元(しんげん)()いて瞬時(またた)くうちに煉化(れんか)した。


八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)威能(いのう)非凡(ひぼん)で、楼中(ろうちゅう)では蛊師(こし)凡蛊(ぼんこ)瞬間(しゅんかん)煉化(れんか)できるのである。


赤橙黄緑青藍紫黒(せきとうおうりょくせいらんしこく)……()秘蔵閣(ひぞうかく)には八種(はっしゅ)基準(きじゅん)存在(そんざい)する。彩光(さいこう)(おお)ければ(おお)(ほど)宝物(ほうぶつ)価値(かち)(たか)いことを(しめ)す。五转(ごてん)天元宝王蓮(てんげんほうおうれん)緑光(りょくこう)()まったということは、八基準(はちきじゅん)(なか)では中程(なかほど)位置(いち)()ぎぬ。秘蔵閣(ひぞうかく)(じつ)尋常(じんじょう)ではない。収蔵(しゅうぞう)されている宝物(ほうぶつ)(きわ)めて(おお)いようだ。」


方源(ほうげん)心中(しんちゅう)(すこ)計算(けいさん)し、秘蔵閣(ひぞうかく)価値(かち)(たい)する認識(にんしき)一層(いっそう)(ふか)めた。


(かれ)()()ばし、眼前(がんぜん)水晶壁(すいしょうへき)()(まわ)した。


(てのひら)からは、(つめ)たい触感(しょっかん)(つた)わってくる。水晶壁(すいしょうへき)内側(うちがわ)には、方源(ほうげん)(はら)った代償(だいしょう)——四匹(よんひき)泉蛋蛊(せんたんこ)(おさ)められている。


方源(ほうげん)(こころ)みにそれらを(うご)かそうとしたが、(かす)かな(うご)きも()られない。


(かれ)心中(しんちゅう)(おお)きく感嘆(かんたん)した。


謙遜(けんそん)()きに()えば、当今(とうこん)天下(てんか)において、方源(ほうげん)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)への理解(りかい)は、三本(さんぼん)(ゆび)(かぞ)えられるほど(ふか)い。


()れは(かれ)琅琊地霊(ろうやちれい)から()詳細(しょうさい)情報(じょうほう)(にぎ)っているからに(ほか)ならない。


方源(ほうげん)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)(ことわり)()れば()るほど、()楼閣(ろうかく)神業(かみわざ)(ごと)(わざ)絶妙(ぜつみょう)才情(さいじょう)(はだ)(かん)じるのであった。


(ほか)()いて、()眼前(がんぜん)水晶壁(すいしょうへき)のみを(かた)っても、()来歴(らいれき)(おお)いなるものがある。


()水晶壁(すいしょうへき)は、当年(とうねん)長毛老祖(ちょうもうろうそ)数万(すうまん)蛊師(こし)生剝(いきは)ぎにし、秘法(ひほう)(もっ)彼等(かれら)空竅(くうこう)()()し、()空竅壁(くうこうへき)主材(しゅざい)とし、玄冰蛊(げんぴょうこ)氷牆蛊(ひょうしょうこ)華玉蛊(かぎょくこ)緩更蛊(かんこうこ)生機蛊(せいきこ)など多種多様(たしゅたよう)()を合わせて煉製(れんせい)したものである。()水晶壁(すいしょうへき)蛊虫(こちゅう)封蔵(ふうぞう)する絶好(ぜっこう)場所(ばしょ)であり、蛊虫(こちゅう)()(なか)自然(しぜん)休眠(きゅうみん)()ち、数百年(すうひゃくねん)から千年(せんねん)もの(あいだ)(ごう)(そこ)なわずに保存(ほぞん)される。


情報(じょうほう)記載(きさい)されている(ところ)によれば、煉製(れんせい)された当初(とうしょ)水晶壁(すいしょうへき)は、(つね)温潤(おんじゅん)とした(みず)(ごと)()らぎ(ひかり)(はな)ち、(ひと)()(なか)(ある)けば夢幻(むげん)(ごと)(かん)じであったという。


今日(こんにち)(いた)っては、水晶壁(すいしょうへき)以前(いぜん)風采(ふうさい)こそ(うしな)ったが、(いま)晶瑩剔透(しょうえいてきとう)たるを(たも)っている。


光陰(こういん)荏苒(じんぜん)として(なが)れ、水滴(すいてき)(いし)穿(うが)つ。


光陰(こういん)(ちから)こそ、(もっと)宏大(こうだい)天地偉力(てんちいりょく)(ひと)つである。


(たと)九転(きゅうてん)(とうと)存在(そんざい)(いえど)も、(とき)(なが)れには(やぶ)れる。真陽楼(しんようろう)仙蛊屋(せんこや)とはいえ、(とお)(ねん)(ごと)頻繁(ひんぱん)起動(きどう)()()すため、(すく)なからぬ消耗(しょうもう)(きた)している。


(しか)るに、方源(ほうげん)前世(ぜんせ)において、八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)中洲蛊仙(ちゅうしゅうこせん)たちに攻破(こうは)される(こと)()かったであろう。


現在(げんざい)水晶壁(すいしょうへき)(かがや)きは(うせ)壁際(かべぎわ)には(うす)らと水晶(すいしょう)(こな)()もっている。


方源(ほうげん)(さき)(すす)(つづ)けた。


水晶壁(すいしょうへき)(なか)には、様々(さまざま)な蛊虫(こちゅう)蛊方(こほう)煉骨(れんこつ)奇材(きざい)封印(ふういん)されており、(さら)には歴代(れきだい)蛊師(こし)たちが(のこ)した修行(しゅぎょう)心得(こころえ)数多(あまた)(おさ)められている。


()れら心得(こころえ)経験(けいけん)は、(まこと)貴重(きちょう)である。秘蔵閣(ひぞうかく)(いた)()(もの)(みな)上等突破(じょうとうとっぱ)()()げた人傑(じんけつ)ばかりである。彼等(かれら)(のこ)したものは、(もと)より粗末(そまつ)(もの)など()()ない。


(さらに)(ひと)きり(ある)(すす)んだ(のち)方源(ほうげん)(あし)()めた。


前方(ぜんぽう)へと(つづ)水晶(すいしょう)回廊(かいろう)()てしなく(とお)く、()(さき)見渡(みわた)せない。(しか)一基(いっき)石碑(せきひ)が、方源(ほうげん)進路(しんろ)(はば)んでいた。


石碑(せきひ)四角四面(しかくしめん)で、方源(ほうげん)膝丈(ひざたけ)(ほど)(たか)さがある。()表面(ひょうめん)には、北原文字(ほくげんもじ)四文字(よんもじ)(きざ)まれていた——「来客止歩(らいきゃくしほ)」。


八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)巨陽仙尊(きょようせんそん)設立(せつりつ)したもの、()子孫(しそん)(ため)(おも)っての(こと)である。(しか)秘蔵閣(ひぞうかく)進入(しんにゅう)する(もの)が、(みな)巨陽(きょよう)血脈(けつみゃく)を持つ蛊師(こし)とは(かぎ)らない。


巨陽仙尊(きょようせんそん)()(てん)考慮(こうりょ)し、一層(いっそう)貴重(きちょう)物資(ぶっし)石碑(せきひ)彼方(かなた)布置(ふち)した。常山陰(じょうさんいん)(ごと)(よそ)(もの)は、()宝物(たからもの)(なが)めて嘆息(たんそく)する(こと)しか出来(でき)ないのである。


(しかし)れども、方源(ほうげん)常山陰(じょうさんいん)では()かった。


来客止歩(らいきゃくしほ)?ふん。」


方源(ほうげん)(あざけ)るように冷笑(れいしょう)した。


(かれ)()(こころ)みに石碑(せきひ)()えようとしたが、無形(むけい)(かべ)(はば)まれて進路(しんろ)(さえぎ)られた。


()(ほど)歳月(さいげつ)(なが)れても、八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)消耗(しょうもう)()るとは(いえ)ど、来客止歩碑(らいきゃくしほひ)効能(こうのう)(いま)健在(けんざい)か。強行突破(きょうこうとっぱ)(かな)わぬな。」


方源(ほうげん)一連(いちれん)试探(しさつ)()えると、石碑(せきひ)正視(せいし)して端坐(たんざ)した。


此度(こたび)行動(こうどう)は、(なが)時間(じかん)()けて()()げたものだ。当然(とうぜん)万全(ばんぜん)準備(じゅんび)(すで)(ととの)えてある。


(またた)くうちに、(かれ)一匹(いっぴき)蛊虫(こちゅう)を取り(とりだ)し、石碑(せきひ)(なか)射込(いりこ)んだ。


八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)煉化(れんか)する第一歩(だいいっぽ)が、(いま)(まく)()けた!








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