表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
557/688

第一百五十二節:三等通关可为上?

方源(ほうげん)全身(ぜんしん)瞬間(しゅんかん)(きん)(ちょう)するのを(かん)じた。塔楼(とうろう)()()刹那(せつな)(ひと)つの圧力(あつりょく)(かれ)身心(しんしん)(あっ)(はく)した。


しかし(またた)くうちに、その圧力(あつりょく)()()った。


(かれ)完全(かんぜん)真陽楼(しんようろう)内部(ないぶ)へと(はい)り、眼前(がんぜん)(ひろ)がるのは一湖(いっこ)(みず)であった。


(そら)湛藍(たんらん)とし、湖面(こめん)はきらめく(なみ)(ひかり)()ち、周囲(しゅうい)には朦朧(もうろう)とした青山(せいざん)墨影(ぼくえい)(ひろ)がっている。


()()っていた来客令(らいきゃくれい)は、(つめ)たい鉄鋼(てっこう)(みず)()わり、(かれ)(ゆび)(あいだ)から(こぼ)()ちていった。


来客令(らいきゃくれい)(いち)()(かぎ)りの使用(しよう)である。


方源(ほうげん)()()って、鉄鋼(てっこう)(みず)完全(かんぜん)()(はら)った。


(かれ)周囲(しゅうい)見回(みまわ)し、(みずか)らが(みずうみ)中心(ちゅうしん)にある小島(こじま)()っていることに()づいた。(そば)には一人(ひとり)人物(じんぶつ)()っている。それこそが黒楼蘭(こくろうらん)であった。


此処(ここ)第五十四(だいごじゅうよん)(かん)だ。」


黒楼蘭(こくろうらん)()()きもせず、()()前方(ぜんぽう)見据(みす)えて()った。


()よ、山陰老弟(さんいんろうてい)突破(とっぱ)せねばならぬ難題(なんだい)彼方(かなた)にある。」


方源(ほうげん)()視線(しせん)(さき)()やれば、(はる)(とお)くない(ところ)に、もう(ひと)つの小島(こじま)()かんでいた。


()(しま)には、水蛇獅(みずへびしし)()れが棲息(せいそく)している。


水蛇獅(みずへびしし)は、亮藍色(りょうあんしょく)(つや)やかな体毛(たいもう)(つつ)まれ、四肢(しし)には(するど)(つめ)ではなく(かえる)水掻(みずか)きが()いている。()猛毒(もうどく)を持つ(つ)(へび)()わっており、()るいは獅子(しし)背中(せなか)(から)()き、()るいは蛇体(だたい)()らせて真紅(しんく)(した)(ふる)わせている。


黒楼蘭(こくろうらん)(あらた)めて説明(せつめい)するまでもなく、方源(ほうげん)脳裏(のうり)には(ただ)ちに一股(いこ)情報(じょうほう)(なが)()んだ──


(しま)棲息(せいそく)する山椒魚(さんしょううお)駆使(くし)し、水蛇獅(みずへびしし)()れの防備(ぼうび)()(やぶ)り、対岸(たいがん)(しま)占領(せんりょう)せよ。」


方源(ほうげん)視線(しせん)(おさ)め、(あらた)めて自身(じしん)()小島(こじま)(ふち)見渡(みわた)した。


(しま)()(かこ)碧藍(へきらん)(うみ)(なか)に、()たして無数(むすう)山椒魚(さんしょううお)(かげ)()れているのを(みと)めた。


()(とき)黒家(こくけ)族員(ぞくいん)たちが次々(つぎつぎ)と(あら)われ、黒楼蘭(こくろうらん)(そば)陣取(じんど)った。


水蛇獅(みずへびしし)にせよ山椒魚(さんしょううお)にせよ、(みな)中古時代(ちゅうこじだい)野生(やせい)生物(せいぶつ)よ。現今(げんこん)では東海(とうかい)深淵(しんえん)にのみ()むと()く。」


()家老(かろう)感懐(かんぱい)(ぶか)げに()べた。


僭越(せんえつ)ながら、()(せき)(きわ)めて不公正(ふこうせい)(もう)さねばなるまい。水蛇獅(みずへびしし)元来(がんらい)強力(きょうりょく)で、一頭(いっとう)だけで()六匹(ろっぴき)山椒魚(さんしょううお)匹敵(ひってき)する。(しか)るに我方(わがほう)山椒魚(さんしょううお)(かず)は、()()れの二倍(にばい)(ほど)()ぎぬ。」


一人(ひとり)黒家(こくけ)族員(ぞくいん)小島(こじま)凝視(ぎょうし)し、方源(ほうげん)難易度(なんいど)()いて()かせた。


山陰老弟(さんいんろうてい)、ご心配(しんぱい)無用(むよう)本次(ほんじ)腕試(うでだめ)しが(おも)だ。」


黒楼蘭(こくろうらん)方源(ほうげん)(かた)(かる)(たた)きながら()った。


(なに)しろ方源(ほうげん)統率(とうそつ)するのは狼群(おおかみむれ)である。(しか)るに今回(こんかい)相手(あいて)魚群(ぎょぐん)、それも現世(げんせ)では(まれ)で、北原(ほくげん)では絶滅(ぜつめつ)した山椒魚(さんしょううお)である。


黒旗勝(こくきしょう)(すで)に六、七度(しちど)失敗(しっぱい)し、最良(さいりょう)戦績(せんせき)とて水蛇獅(みずへびしし)三割(さんわり)()(たお)したに()ぎない。()れにより黒家(こくけ)蛊師(こし)たちは、()(せき)(むずか)しさを骨身(ほねみ)(てっ)して(さと)ったのであった。


常山陰(じょうさんいん)(たし)かに奴道(どどう)大家(たいか)ではあるが、此処(ここ)巨陽仙尊(きょようせんそん)(もう)けた真陽楼(しんようろう)なのである。


方源(ほうげん)(しば)凝視(ぎょうし)した(のち)(まゆ)をひそめた。


内心(ないしん)(かれ)冷静(れいせい)見積(みつ)もった。(みずか)らの実力(じつりょく)のみで()()山椒魚(さんしょううお)(あやつ)り、水蛇獅(みずへびしし)()れを殲滅(せんめつ)するのは(むずか)しくなかろう。(むし)ろ、(いた)(くぎ)()(ごと)確実(かくじつ)なことと()って過言(かごん)ではない。


しかし(せき)突破(とっぱ)するのが容易(ようい)()えても、(じつ)(おお)いなる工夫(くふう)(よう)る。


当初(とうしょ)巨陽仙尊(きょようせんそん)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)設立(せつりつ)したのは、後世(こうせい)(ため)伝承(でんしょう)(のこ)し、才華(さいか)(めぐ)まれた後輩(こうはい)褒賞(ほうしょう)する(ため)であった。(ゆえ)に、真陽楼(しんようろう)各関(かくせき)における褒賞(ほうしょう)は、上中下(じょうちゅうげ)()つの等階(とうかい)()かれている。


下等(かとう)突破(とっぱ)は、(もっと)(すく)ない褒賞(ほうしょう)()て、(ただ)ちに(つぎ)(せき)(すす)む。


中等(ちゅうとう)突破(とっぱ)は、下等(かとう)より一倍余(いちばいあま)(おお)褒賞(ほうしょう)()次関(じせき)(すす)(さい)には()(せき)に関する提示(ていじ)情報(じょうほう)()られる。


而上等(じょうとう)突破(とっぱ)(いた)っては、褒賞(ほうしょう)中等(ちゅうとう)()()(さら)倍増(ばいぞう)するのみならず、闖関者(ちんかんしゃ)真陽楼(しんようろう)深奥(しんおう)の「秘蔵閣(ひぞうかく)」へと伝送(でんそう)するのである。


()秘蔵閣(ひぞうかく)(なか)には、無数(むすう)奇珍(きちん)異宝(いほう)(ねむ)り、(さら)には巨陽仙尊(きょようせんそん)直伝(じきでん)数多(あまた)なる真仙伝承(しんせんでんしょう)さえ(ぞう)されている。


(ただ)秘蔵閣(ひぞうかく)(ない)の品々(しなじな)は、無条件(むじょうけん)()()せる(わけ)では()い。闖関者(ちんかんしゃ)(かなら)交換(こうかん)()(おこな)わねばならない。


蛊虫(こちゅう)(もっ)交換(こうかん)するも()し、蛊方(こほう)(もっ)()えるも()なり。(たと)(みずか)らの修行体悟(しゅぎょうたいご)経験(けいけん)でさえも、交換品(こうかんひん)として(もち)いることが出来(でき)る。


闖関者(ちんかんしゃ)交換(こうかん)(まっと)うした(のち)(はじ)めて(つぎ)(せき)(すす)むことが(ゆる)される。


黒楼蘭(こくろうらん)下等突破(かとうとっぱ)満足(まんぞく)していた。第五十五関(だいごじゅうごかん)(すす)むことが出来(でき)さえすれば()いのである。(しか)方源(ほうげん)要求(ようきゅう)(こと)なる。


(かれ)上等突破(じょうとうとっぱ)必要(ひつよう)としている。秘蔵閣(ひぞうかく)(はい)り、其処(そこ)(はじ)めて()(どく)()()り、(まえ)(もっ)準備(じゅんび)していた手段(しゅだん)()って最大(さいだい)利益(りえき)()るのである!


下等突破(かとうとっぱ)()(はい)にとって(やす)きこと反掌(はんしょう)(ごと)し。(しか)れど中等(ちゅうとう)上等突破(じょうとうとっぱ)基準(きじゅん)(いま)()るところでは()い。(いま)(ただ)(ちから)()くして(こころ)みるのみ!」


()(さと)り、方源(ほうげん)(ふか)(いき)()()み、黒楼蘭(こくろうらん)()かって(かす)かに(うなず)き、開始(かいし)合図(あいず)(おく)った。


黒楼蘭(こくろうらん)(ふところ)から一枚(いちまい)令牌(れいぱい)を取り(とりだ)し、天空(てんくう)()かって()るがした。


()令牌(れいぱい)来客令(らいきゃくれい)とは(こと)なり、楼閣主令(ろうかくしゅれい)(しょう)される。黒楼蘭(こくろうらん)最初(さいしょ)王庭福地(おうていふくち)(はい)った(とき)突然(とつぜん)(てん)より(さず)かったもので、()尊貴(そんき)身分(みぶん)(あらわ)している。


楼閣主令(ろうかくしゅれい)()らめくや、空中(くうちゅう)波紋(はもん)()ように(ひろ)がり、数十匹(すうじゅっぴき)馭魚蛊(ぎょぎょこ)閃光(せんこう)(とも)(あら)われた。()れらは壱転(いってん)弐転(にてん)参転(さんてん)と、各階級(かくかいきゅう)のものが()じり()っている。


方源(ほうげん)()()蛊虫(こちゅう)を受け(うけと)り、(かる)煉化(れんか)した瞬間(しゅんかん)(ほか)(もの)たちは無形(むけい)(やわ)らかな(ちから)束縛(そくばく)され、援護(えんご)する(こと)出来(でき)なかった。


(ただ)一人()黒楼蘭(こくろうらん)のみが(なお)(かた)ることができ、(かれ)助言(じょげん)した。「山陰老弟(さんいんろうてい)時間(じかん)()()けるが()い。()(せき)には(ちゃ)一服(いっぷく)(ぶん)時間(じかん)しか(あた)えられておらぬ。」


方源(ほうげん)(かる)(うなず)くと、(てのひら)(ひるがえ)した。手中(しゅちゅう)馭魚蛊(ぎょぎょこ)は、数十(すうじゅう)(ほん)奇光(きこう)()って飛翔(ひしょう)した。


()無造作(むぞうさ)動作(どうさ)に、衆人(しゅうじん)心中(しんちゅう)驚呼(きょうこ)した。


()()れが黒旗勝(こくきしょう)であれば、(かなら)一匹一匹(いっぴきいっぴき)(えら)()き、慎重無比(しんちょうむひ)指揮(しき)する(こと)であろう。馭魚蛊(ぎょぎょこ)種付(たねつ)ける(さい)には、蛊師(こし)(かなら)魚群(ぎょぐん)反抗(はんこう)()い、(すこ)しでも()(ゆる)めれば、()()らすのに失敗(しっぱい)する。最悪(さいあく)場合(ばあい)魂魄(こんぱく)(まで)反噬(はんせい)()ける(こと)さえ()()るのだ。


狼王(ろうおう)(すこ)過信(かしん)()ぎやしないか?」


()ような獣馭(けものぐ)しは(いま)()たことが()い!」


最悪(さいあく)だ……」


一同(いちどう)(むね)不安(ふあん)(つか)れた。


(しか)(またた)()に、彼等(かれら)(ひとみ)見開(みひら)かれた。魚群(ぎょぐん)蛊虫(こちゅう)()え付け(つけ)られるや、静寂(せいじゃく)から躍動(やくどう)へと(てん)じ、次々(つぎつぎ)と(しま)(はず)れへ(およ)()して()った。(あた)かも(はじ)めから方源(ほうげん)(もと)(ぞく)していたが(ごと)く、一匹(いっぴき)として馴獸(じゅんじゅう)失敗(しっぱい)する様子(ようす)()かった。


水蛇獅(みずへびしし)()れも()異変(いへん)警戒(けいかい)(つよ)め、懈怠(けたい)した態度(たいど)一変(いっぺん)させた。坐臥(ざが)していた(もの)(またた)()起立(きりつ)し、獅子頭(ししがしら)()え、蛇頭(へびがしら)(きば)()らして威嚇(いかく)した。


数多(あまた)水蛇獅(みずへびしし)(みず)(ちゅう)(おど)()み、水中防衛線(すいちゅうぼうえいせん)(きず)()げた。


()れに(たい)し、方源(ほうげん)傲然(ごうぜん)(たたず)み、両手(りょうて)()後に()んで微動(びどう)だにしなかった。()姿(すがた)(あらわ)れた奴道(どどう)造詣(ぞうけい)魂魄(こんぱく)(ふか)みは、見守(みまも)(もの)全員(ぜんいん)をして暗嘆(あんたん)せしめた。


()()一幕(ひとまく)()ただけでも、()(ひら)かれる(おも)いだ。」


流石(さす)狼王(ろうおう)奴道(どどう)大家(たいか)(しょう)されるだけのことはある。」


大家(たいか)たる所以(ゆえん)今回(こんかい)こそ一挙(いっきょ)成功(せいこう)するかもしれぬな。」


衆人(しゅうじん)(ひとみ)には、期待(きたい)(いろ)(きら)めいた。黒楼蘭(こくろうらん)さえも、満面(まんめん)期待(きたい)()かべて見守(みまも)っている。


しかし魚群(ぎょぐん)は、人々(ひとびと)が予想(よそう)したように、()()対岸(たいがん)水蛇獅(みずへびしし)()れへ()(はし)ることはなかった。()れより四方八方(しほうはっぽう)()()りに(およ)(めぐ)り、()()なく警戒行動(けいかいこうどう)(つづ)けている。


()れは……狼王(ろうおう)(なに)(たくら)んでいるのだ?」


狼王(ろうおう)慎重(しんちょう)だ。魚群(ぎょぐん)習性(しゅうせい)把握(はあく)している最中(さいちゅう)()える。」


しかし(とき)(こく)一刻(いっこく)()()り、魚群(ぎょぐん)相変(あいか)わらず悠々(ゆうゆう)と(およ)(まわ)っている。衆人(しゅうじん)()()がれながらも、一向(いっこう)魚群(ぎょぐん)獅群(しぐん)交戦(こうせん)(はじ)まらない。


()くしては、黒楼蘭(こくろうらん)でさえ、不安(ふあん)(つの)らせて(うなが)した。「山陰老弟(さんいんろうてい)時間(じかん)()かれた方が()いのでは?」


()がぬ。」


方源(ほうげん)平静(へいせい)面持(おもも)ちで、悠長(ゆうちょう)(こた)えた。


水蛇獅(みずへびしし)()れは、魚群(ぎょぐん)久久(ひさびさ)襲来(しゅうらい)しないのを()て、何頭(なんとう)かが水中(すいちゅう)から()()がり、(しま)(もど)って()った。()れに(ともな)い、水中防衛線(すいちゅうぼうえいせん)次第(しだい)(ゆる)(はじ)めた。


(しょう)(とき)()ち、黒楼蘭(こくろうらん)(ふたた)催促(さいそく)した。「山陰老弟(さんいんろうてい)(すで)半茶(はんちゃ)時間(じかん)()()ったぞ!」


(あわ)てるには(およ)ばぬ。」


方源(ほうげん)()()り、(まぶた)(すこ)()れて、睡魔(すいま)(おそ)われているかのようであった。


(さら)なる水蛇獅(みずへびしし)()れが(つづ)いて上陸(じょうりく)し、老齢(ろうれい)獅王(しおう)()()して、()()仮寐(かび)すら(はじ)めた。


衆人(しゅうじん)(おお)きく失望(しつぼう)し、各々(おのおの)心中(しんちゅう)罵詈(ばり)した。


狼王(ろうおう)とて(ただ)空騒(からさわ)ぎか!(さき)期待(きたい)していたのが馬鹿(ばか)らしくなるわ!」


大家(たいか)(いえど)も、此処(ここ)真陽楼(しんようろう)であるからな……」


「どうやら常山陰(じょうさんいん)今回(こんかい)魚群(ぎょぐん)()れることと経験(けいけん)()むことのみを目的(もくてき)とし、次回(じかい)本番(ほんばん)(そな)えているようだ。」


時間制限(じかんせいげん)(せま)(なか)、人々(ひとびと)の(こころ)(のこ)された最後(さいご)(のぞ)みも()()てようとしていた。


()しむらくは一枚(いちまい)来客令(らいきゃくれい)が、()くも無為(むい)(つい)やされるとは。」


不如(むし)ろ、今晩(こんばん)(ぜん)(たね)(かんが)えようか?」


今回(こんかい)失敗(しっぱい)(のち)族長様(ぞくちょうさま)如何(いか)にして常山陰(じょうさんいん)対処(たいしょ)するやら……」


衆人(しゅうじん)(こころ)散漫(さんまん)となる()(とき)方源(ほうげん)高笑(たかわら)いが(ひび)(わた)った。途端(とたん)魚群(ぎょぐん)猛然(もうぜん)突撃(とつげき)開始(かいし)し、四方八方(しほうはっぽう)から水蛇獅(みずへびしし)()れへ(しゅう)()かった。


()たして(きた)った!」


黒楼蘭(こくろうらん)双眸(そうぼう)(するど)(ひかり)(はし)る。


(かれ)(すで)看破(かんぱ)していた。「常山陰(じょうさんいん)(しん)決戦(けっせん)次回(じかい)(ひか)える以上(いじょう)此度(こたび)魚群(ぎょぐん)習性(しゅうせい)掌握(しょうあく)し、獅群(しぐん)実力(じつりょく)(さぐ)るための前哨戦(ぜんしょうせん)()()んでおったのだ!」


魚群(ぎょぐん)不意(ふい)()いた突撃(とつげき)は、水蛇獅(みずへびしし)()れに完全(かんぜん)なる不意打(ふいう)ちを()わせた。


山椒魚群(さんしょううおぐん)は、()えた(さめ)(ごと)電光石火(でんこうせっか)(いきお)いで水中(すいちゅう)水蛇獅(みずへびしし)殲滅(せんめつ)した。


(さと)った!常山陰(じょうさんいん)魚群(ぎょぐん)訓練(くんれん)すると(とも)に、獅群(しぐん)油断(ゆだん)させていたのだ!」


()奇襲(きしゅう)獅群(しぐん)三割(さんわり)(ほふ)った。流石(さすが)大家(たいか)というべきだ!」


()見張(みは)馭獣(ぎょじゅう)(わざ)よ。黒旗勝(こくきしょう)常山陰(じょうさんいん)()は、嬰児(えいじ)巨漢(きょかん)(ごと)きものだ。」


衆人(しゅうじん)瞠目(どうもく)し、方源(ほうげん)瞬時(しゅんじ)()()げた戦果(せんか)驚嘆(きょうたん)(こえ)()げた。


()え!!!


配下(はいか)虐殺(ぎゃくさつ)されるを()て、老獅王(ろうしおう)怒濤(どとう)(ごと)憤慨(ふんがい)し、咆哮(ほうこう)一声(いっせい)のもと(みずか)獅群(しぐん)(ひき)いて水中(すいちゅう)()()み、魚群(ぎょぐん)(たい)復讐(ふくしゅう)殺戮(さつりく)開始(かいし)した。


人々(ひとびと)を(あや)しませたのは、方源(ほうげん)先前(せんぜん)強硬(きょうこう)作風(さくふう)一転(いってん)させ、魚群(ぎょぐん)(あやつ)って後退(こうたい)(かさ)ねたことだった。


獅群(しぐん)追撃(ついげき)(つづ)けるうち、ある地点(ちてん)()()かると、突如(とつじょ)として隊列(たいれつ)混乱(こんらん)(おちい)った。


(なに)()きたのだ?」


誰も(だれも)が(くび)(かし)げた。


此処(ここ)暗流(あんりゅう)(うず)存在(そんざい)していたのか!」


黒楼蘭(こくろうらん)(ひく)(さけ)んだ。


(またた)くうちに、家老(かろう)たちの()(かがや)いた。「()かった!狼王(ろうおう)(ひろ)魚群(ぎょぐん)配置(はいち)したのは、訓練(くんれん)だけでなく地形(ちけい)調査(ちょうさ)目的(もくてき)だったのだ!」


()(とお)り!獣群(けものむれ)(たたか)いは両軍(りょうぐん)交锋(こうほう)(ひと)しい。敵味方(てきみかた)だけでなく、地形(ちけい)()考慮(こうりょ)せねばならぬ。」


多くの蛊師(こし)(ひざ)(たた)き、(さけ)()さんばかりの衝動(しょうどう)(おぼ)えた。水蛇獅(みずへびしし)()れが暗渦(あんか)(とら)われた刹那(せつな)魚群(ぎょぐん)(するど)方向(ほうこう)(てん)じ、逆襲(ぎゃくしゅう)()って()た。


獅群(しぐん)体躯(たいく)巨大(きょだい)(ため)暗流(あんりゅう)影響(えいきょう)(つよ)()けた。一方(いっぽう)魚群(ぎょぐん)小柄(こがら)である為、(うず)影響(えいきょう)は微々(びび)たるものだった。


()(まえ)()(ひろ)げられたのは、精妙(せいみょう)無比(むひ)攻防戦(こうぼうせん)であった。


強靭(きょうじん)(はず)水蛇獅(みずへびしし)()れは、()()(ごと)(もろ)(くず)()った。()れに(たい)し、方源(ほうげん)(あやつ)られる魚群(ぎょぐん)は、百戦錬磨(ひゃくせんれんま)精兵(せいへい)(ごと)く、連携(れんけい)呼吸(こきゅう)()わせ、進退(しんたい)には節度(せつど)()り、分断包囲(ぶんだんほうい)して(すみ)やかに蚕食(さんしょく)していく。


魚群(ぎょぐん)(とき)には猛然(もうぜん)集合(しゅうごう)し、強襲(きょうしゅう)仕掛(しか)ける。(また)(とき)には散開(さんかい)して四方(しほう)()(まよ)い、獅群(しぐん)反撃(はんげき)(むな)しくさせる。


()れは(まこと)(たわむ)れの(ごと)きでは()いか!」


(じつ)見事(みごと)(じつ)見事(みごと)なり!!十数回(じゅうすうかい)呼吸(こきゅう)()たぬ(うち)に、狼王(ろうおう)大勝(たいしょう)(おさ)めた!」


()(せき)(やぶ)れた、(やぶ)れた!」


黒家(こくけ)(もの)一同(いちどう)驚喜(きょうき)()じりの表情(ひょうじょう)()かべ、方源(ほうげん)(なが)める眼差(まなざ)しには畏敬(いけい)嘆服(たんぷく)、そして()れさえも(にじ)ませていた。


()し、()きかな狼王(ろうおう)よ!」


黒楼蘭(こくろうらん)(てのひら)()()らし、高笑(たかわら)いした。


方源(ほうげん)もまた朗然(ろうぜん)たる(わら)(ごえ)()げた。獅群(しぐん)殲滅(せんめつ)した()瞬間(しゅんかん)(かれ)脳裏(のうり)(ひと)つの情報(じょうほう)()()んできたからである――上等評価(じょうとうひょうか)


次の瞬間(しゅんかん)方源(ほうげん)身影(しんえい)突然(とつぜん)として消失(しょうしつ)した。


(なに)()きたのだ!?」


黒家(こくけ)(もの)たちは()驚異(きょうい)光景(こうけい)()()()り、眼球(がんきゅう)()()さんばかりの衝撃(しょうげき)()けた。


()れは上等突破(じょうとうとっぱ)であったのか!!」


黒楼蘭(こくろうらん)のみが、心底(しんてい)驚嘆(きょうたん)(さけ)びを()げた。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ