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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第一百五十一節:竟是蛊仙传承!

ドン!


黒楼蘭(こくろうらん)(あし)(もた)げ、一族(いちぞく)黒旗勝(こくきしょう)地面(じめん)蹴飛(けと)ばした。


無能(むのう)役立(やくた)たずめ!」


(くろ)(ぶと)りの(おとこ)怒号(どごう)()びせ、顔面(がんめん)横肉(よこにく)痙攣(けいれん)させ、凶暴(きょうぼう)目付(めつ)きで(にら)()けた。


広間(ひろま)(ない)(みず)()った(ごと)静寂(せいじゃく)(つつ)まれ、黒家(こくけ)蛊師(こし)たちは(いき)(ころ)して(こえ)()てられない。


黒楼蘭(こくろうらん)は人々(ひとびと)から「黒暴君(こくぼうくん)」と異名(いみょう)され、その残忍(ざんにん)苛烈(かれつ)性格(せいかく)有名(ゆうめい)だった。(とく)第五十四(だいごじゅうよん)(かん)六度(ろくど)(つづ)けて(はば)まれた(いま)、その短気(たんき)火薬(かやく)()()()いた(ごと)爆発(ばくはつ)しつつあった。


族長(ぞくちょう)(さま)何卒(なにとぞ)(ゆる)(くだ)さい!此方(こちら)無能(むのう)(ゆえ)()(ざい)(あたい)します!」


黒旗勝(こくきしょう)地面(じめん)()いずり(まわ)り、平身低頭(へいしんていとう)して(はげ)しく(ゆる)しを()(もと)めた。


馬鹿者(ばかもの)()黒家(こくけ)何故(なぜ)此様(こん)無能(むのう)(おろ)(もの)がおるのだ!?」


黒楼蘭(こくろうらん)()(ぎし)りしな(が)ら、黒旗勝(こくきしょう)(たい)何度(なんど)()りを()れた。(かれ)吐血(とけつ)する(ほど)()()けると、(ようや)黒楼蘭(こくろうらん)(いか)りも(すこ)(おさ)まった。


周囲(しゅうい)家老(かろう)たちは、誰一人(だれひとり)として(こえ)()てず、棒立(ぼうだ)ちに(ちか)姿(すがた)()た。


(さき)()って、()家老(かろう)黒旗勝(こくきしょう)()めに懸命(けんめい)した結果(けっか)黒楼蘭(こくろうらん)逆鱗(げきりん)()れ、重傷(じゅうしょう)()って(とこ)()いたままなのである。


黒楼蘭(こくろうらん)気性(きしょう)は、王庭之争(おうていのあらそい)(おり)には(いく)(ぶん)抑制(よくせい)されていた。()かし福地(ふくち)()以降(いこう)()(あら)々(あら)しい気質(きしつ)残酷(ざんこく)本性(ほんしょう)は、(つい)(かく)すところ()露呈(ろてい)したのであった。


貴様(きさま)らも同様(どうよう)無能(むのう)役立(やくた)たず(そろ)いだ! ()()ってぼんやりしている場合(ばあい)か? 五十四(ごじゅうよん)(かん)突破(とっぱ)する方法(ほうほう)()ってみろ! (おも)いつかなければ、貴様(きさま)らの俸禄(ほうろく)(けず)るぞ。部族(ぶぞく)役立(やくた)たずは不要(ふよう)だ! (おれ)貴様(きさま)らに元石(げんせき)(あた)え、栄華(えいが)()けさせ、()()てて(そだ)ててやったのは(なん)(ため)だ? (いま)こそ貴様(きさま)らの()(どころ)だ!」


黒楼蘭(こくろうらん)怒号(どごう)窓枠(まどわく)(かす)かに(ふる)わすほどの(はげ)しさだった。


家老(かろう)たちは心中(しんちゅう)(よわ)()て、(しも)()たれた茄子(なす)(ごと)くうなだれ、こっそりと視線(しせん)()わすも、誰一人(だれひとり)として率先(そっせん)して発言(はつげん)しようとする(もの)はいない。


黒楼蘭(こくろうらん)眼光(がんこう)(するど)(にら)()え、場内(じょうない)をくまなく()い、最終(さいしゅう)的に黒沛家老(こくはいかろう)(うえ)視線(しせん)()まった。


最古参(さいこさん)(だい)家老(かろう)である黒沛(こくはい)は、()()()()(うやうや)しく一礼(いちれい)(もう)()げた。「殿(との)此方(こちら)見解(けんかい)()りますれば、第五十四(だいごじゅうよん)(かん)奴道(どどう)(ため)難関(なんかん)にて、大師級(だいしきゅう)(いき)(たっ)せざる(もの)には突破(とっぱ)不可能(ふかのう)(ぞん)じます。黒旗勝家老(こくきしょうかろう)(すぐ)れた奴道蛊師(どどうこし)では御座(ござ)いますが、(いま)大師(だいし)(もう)すまでには(いた)っては御座(ござ)いません。()(かん)突破(とっぱ)するには、狼王(ろうおう)常山陰(じょうさんいん)殿(どの)御力(ごりき)()りる(ほか)あるまいと……」


「ふん!()れは()れに他力(たりき)()りよと(もう)すのか?黒家(こくけ)無能(むのう)さを天下(てんか)(さら)せと?」


黒楼蘭(こくろうらん)双眸(そうぼう)凶光(きょうこう)()ぜ、怒声(どせい)堂内(どうない)(とどろ)いた。


黒沛(こくはい)心胆(しんたん)(かん)からしめつつ、(さら)(ふか)(かしら)()れて(あわ)てて()べた。「何卒(どうぞ)御怒(おいか)(しず)(くだ)さいませ!族長様(ぞくちょうさま)御威光(ごいこう)天下(てんか)(とど)き、王庭(おうてい)(あるじ)とし(て)御座(ござ)います。他力(たりき)などと(もう)すは言語道断(ごんごどうだん)狼王(ろうおう)(いえど)も、()盟軍(めいぐん)一員(いちいん)()ぎず、族長様(ぞくちょうさま)御命令(ごめいれい)(うけたまわ)るは当然(とうぜん)(こと)(いわ)んや真陽楼(しんようろう)()()えを(たまわ)るとは、(かれ)にとって()()()光栄(こうえい)御座(ござ)います!」


黒楼蘭(こくろうらん)()言葉(ことば)に、顔面(がんめん)怒色(どしょく)(すこ)(やわ)らいだ。


周囲(しゅうい)家老(かろう)たちは(いろ)(うかが)い、心中(しんちゅう)(ひそ)かに黒沛(こくはい)弁舌(べんぜつ)(たく)みさを称賛(しょうさん)した。流石(さす)(だい)家老(かろう)だけ()って、一筋縄(ひとすじなわ)では()かぬ腕前(うでまえ)である。


黒楼蘭(こくろうらん)(ゆる)やかに(ある)(まわ)り、内心(ないしん)(つよ)無念(むねん)がった。


現時点(げんじてん)で、(かれ)手元(てもと)には二枚(にまい)来客令(らいきゃくれい)しかない。()れは以前(いぜん)第十二(だいじゅうに)(かん)第四十六(だいよんじゅうろく)(かん)突破(とっぱ)した(さい)真陽楼(しんようろう)からの褒賞(ほうしょう)である。


(かれ)(べつ)来客令(らいきゃくれい)()しんでいる(わけ)ではない。問題(もんだい)は、狼王(ろうおう)(まね)()れた瞬間(しゅんかん)第五十四(だいごじゅうよん)(かん)突破(とっぱ)褒賞(ほうしょう)常山陰(じょうさんいん)()(わた)ってしまう(てん)にある。


()()れが自族(じぞく)(もの)であれば、黒楼蘭(こくろうらん)族長(ぞくちょう)としての権威(けんい)(もっ)て、此等(これら)良品(りょうひん)(みずか)らの(もの)()すことも出来(でき)た。(しか)伝統(でんとう)規矩(きく)によれば、()褒賞(ほうしょう)外援(がいえん)帰属(きぞく)するのが当然(とうぜん)なのである。


八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)褒賞(ほうしょう)は、(ひと)(ひと)つが並大抵(なみたいてい)ならぬ品々(しなじな)で、(たと)黒楼蘭(こくろうらん)(いえど)(むね)(おど)らさずには()られぬ。


蛊方(こほう)であれ蛊虫(こちゅう)であれ、()(ほか)(なに)であれ、(ほとん)どの褒賞(ほうしょう)(ひと)りの蛊師(こし)凡庸(ぼんよう)(そこ)から()()がらせ()(ちから)(ゆう)している。


黒楼蘭(こくろうらん)(いつ)六歩(ろっぽ)ほど(ある)(まわ)り、かすかな嘆息(たんそく)()らした。


(かれ)心中(しんちゅう)(わか)っていた。黒旗勝(こくきしょう)()いても無駄(むだ)だと。黒家(こくけ)育成(いくせい)した三人(さんにん)奴道蛊師(どどうこし)(うち)王庭之争(おうていのあらそい)一人(ひとり)(たお)れ、黒旗勝(こくきしょう)(のこ)二人(ふたり)(なか)最強(さいきょう)であった。


(しか)(かれ)奴道大師(どどうたいし)ではない。如何(いか)なる大師(たいし)も、十分(じゅうぶん)才情(さいじょう)()ければ()()ぬ。(たん)育成(いくせい)だけで大師(たいし)()まれる(わけ)()いのである。


黒楼蘭(こくろうらん)(あし)()めた。「黒書(こくしょ)何処(いずこ)に?」


配下(はいか)此処(ここ)御座(ござ)ります。」


大広間(おおひろま)戸口(とぐち)(ひか)えていた黒書(こくしょ)は、()ぐに(すす)()(うやうや)しく(ひざまず)いた。(かれ)黒楼蘭(こくろうらん)側近蛊師(そっきんこし)として(つね)主君(しゅくん)(そば)(つか)えている。


狼王(ろうおう)(まね)いて(まい)れ。」


黒楼蘭(こくろうらん)(めい)じるや、堂内(どうない)家老(かろう)たちは一斉(いっせい)(むね)()()ろした。地面(じめん)(たお)れていた黒旗勝(こくきしょう)は、全身(ぜんしん)(ちから)()けるように安堵(あんど)した――(つい)解放(かいほう)される!


(うけたまわ)りました。族長(ぞくちょう)(さま)。」


黒書(こくしょ)(うやうや)しく(れい)()り、退出(たいしゅつ)した。


ドン!


黒楼蘭(こくろうらん)黒旗勝(こくきしょう)()蹴飛(けと)ばした。「役立(やくた)たずめ! ()()(ころ)がって(なに)をしている? 常山陰(じょうさんいん)()れば、()黒家(こくけ)無様(ぶさま)姿(すがた)()せびらかす()か?」


(おお)旦那様(だんなさま)此方(こちら)(わる)御座(ござ)いました!」


黒旗勝(こくきしょう)(あわ)てて()びを()れた。


(きず)手当(てあ)てに()せろ!」


黒楼蘭(こくろうらん)怒鳴(どな)()けると、


「は、は、はっ、旦那様(だんなさま)!」


黒旗勝(こくきしょう)必死(ひっし)(からだ)()こし、よろめきながら(あわ)てて退出(たいしゅつ)した。


(ほど)なくして、黒書(こくしょ)()ずかし()(うつむ)きながら、(ひと)りで(もど)()げた。「族長様(ぞくちょうさま)狼王様(ろうおうさま)聖宮(せいきゅう)にはおらせず、狼群(おおかみむれ)放牧(ほうぼく)()ておられます。」


(なに)だと?」


黒楼蘭(こくろうらん)声調(せいちょう)(するど)()げ、(まゆ)()()げ、(いま)しがた(おさ)まった(かお)(ふたた)(いか)りの(いろ)()かんだ。


家老(かろう)たちは内心(ないしん)緊張(きんちょう)し、(だい)家老(かろう)黒沛(こくはい)黒書(こくしょ)()めた。「()小輩(しょうはい)め、(こと)(しょ)(かた)()らぬとは。狼王様(ろうおうさま)不在(ふざい)なら、(から)()(もど)(わけ)()るまい。伝令(でんれい)()ばして用向(ようむ)きを(つた)え、狼王様(ろうおうさま)()いずる(よう)()()けさせれば()いでは()いか!」


旦那様(だんなさま)(けっ)して配下(はいか)が不行き(いきとど)きだった(わけ)では!」


黒書(こくしょ)(えん)げさながらに(うった)えた。「(すで)伝令(でんれい)(おく)りましたが、狼王様(ろうおうさま)返信(へんしん)をよこされ、狼群(おおかみむれ)()いての()りは()はや習慣(しゅうかん)となっております(ゆえ)中座(ちゅうざ)()(めん)(こうむ)りたい、(しば)らくお()(いただ)きたいとの(こと)()()がれますれば、唐妙鳴(とうみょうめい)らを楼内(ろうない)()()れられよし……」


瞬時(またた)()に、場内(じょうない)驚愕(きょうがく)(つつ)まれた。


大家老(だいかろう)黒沛(こくはい)()(みは)り、(いま)()(がた)げに()った。「まさか()(よう)に淡々(たんたん)としている(もの)がおろうとは!(まこと)(かれ)()(もう)したのか?!」


証拠(しょうこ)(たし)かで御座(ござ)います!族長様(ぞくちょうさま)()れが狼王常山陰(ろうおうじょうさんいん)よりの返信(へんしん)伝書蛊(でんしょこ)御座(ござ)います!」


黒書(こくしょ)()()えると、星信蛊(せいしんこ)黒楼蘭(こくろうらん)()()した。


()れは星道(せいどう)蛊虫(こちゅう)にして、四転(してん)という(たか)()位置(いち)し、伝書(でんしょ)最速(さいそく)(ほこ)る。(ただ)飛行中(ひこうちゅう)光芒(こうぼう)赫奕(かくえき)として目立(めだ)(ため)(てき)(さえ)ぎまれて(つか)まえられ(やす)い。


(ただ)王庭福地(おうていふくち)(ない)では、()(うれ)()し。


黒楼蘭(こくろうらん)心神(しんしん)星信蛊(せいしんこ)(なか)(さぐ)()れ、(ひや)やかに(わら)った。「(やつ)は中々(なかなか)の性根(しょうこん)()(ぬし)よのう、()れほど沈着(ちんちゃく)して()るとは。」


旦那様(だんなさま)狼王(ろうおう)孤高(ここう)ぶりは()()(ところ)配下(はいか)()るに、狼王(ろうおう)内心(ないしん)哄笑(こうしょう)しながらも、(わざ)気位(きぐらい)(たか)()せているので御座(ござ)いましょう。」


大家老(だいかろう)黒沛(こくはい)()推量(すいりょう)に、(ほか)家老(かろう)たちも(うなず)()った。


「ふん、()れも道理(どうり)よ。(やつ)奴道(どどう)大家(たいか)なら、飛行(ひこう)達人(たつじん)でも()る。貴様(きさま)らがもし大家(たいか)なら、()れが(よそ)(もの)(あたま)()げる必要(ひつよう)()ろうか!」


黒楼蘭(こくろうらん)一喝(いっかつ)に、大家老(だいかろう)(またた)(くち)(つぐ)み、(ほか)家老(かろう)たちも一層(いっそう)(ふか)(かしら)()れた。


方源(ほうげん)()(とき)()以上(いじょう)真陽楼(しんようろう)注意(ちゅうい)()けてはいなかった。


(かれ)足下(あしもと)地丘(ちきゅう)見下(みお)ろし、(むね)()かれる(おも)いであった。「()たして此処(ここ)には小塔楼(しょうとうろう)()い。周囲(しゅうい)小塔楼(しょうとうろう)配置(はいち)から()(はか)れば、本来(ほんらい)此処(ここ)一座(いちざ)小塔楼(しょうとうろう)存在(そんざい)すべき()である。(しか)るに(いま)此処(ここ)()るのは、暗黒(あんこく)洞窟(どうくつ)入口(いりぐち)のみ……見事(みごと)なり。()伝承(でんしょう)(もう)けた蛊師(こし)は、(じつ)見事(みごと)なり!」


王庭福地(おうていふくち)には八里(はちり)(ごと)小塔楼(しょうとうろう)存在(そんざい)する。(じつ)は、()れらは(みな)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)一部(いちぶ)()している。


八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)は、当年(とうねん)長毛老祖(ちょうもうろうそ)(みずか)煉製(れんせい)した仙蛊屋(せんこや)であり、()位階(いかい)八转(はってん)(たっ)する。


(のち)になって、巨陽仙尊(きょようせんそん)(みずか)()(くわ)え、北原(ほくげん)全土(ぜんど)対応(たいおう)する布置(ふち)(ほどこ)された。小塔楼(しょうとうろう)王庭福地(おうていふくち)(ない)()り、(ほとん)(いた)(ところ)()られるようになった。各塔楼(かくとうろう)には何千(なんぜん)何万(なんまん)という野生蛊(やせいこ)生息(せいそく)しているが、誰一人(だれひとり)として(かす)かにでも()れようとする(もの)()く、()()せば(かなら)()(いた)る。


(しか)(いま)()るに、地丘伝承(ちきゅうでんしょう)布置(ふち)した蛊師(こし)は、(たん)小塔楼(しょうとうろう)(うご)かしただけではなく、()れを利用(りよう)して伝承(でんしょう)設置(せっち)していた。()(よう)手腕(しゅわん)()(よう)才情(さいじょう)()(よう)能力(のうりょく)に、方源(ほうげん)(ただ)ちに()神秘(しんぴ)蛊師(こし)並大抵(なみたいてい)ではないと確信(かくしん)した。


「いや、蛊師(こし)()うよりは、(むし)蛊仙(こせん)(しょう)すべきだ!(たと)桑滄(そうそう)歳月(さいげつ)()て、巨陽仙尊(きょようせんそん)布置(ふち)(いく)らか(ゆる)んだと(いえど)も、凡人(ぼんじん)()るがし()るものでは()い。蛊仙(こせん)(きゅう)人物(じんぶつ)にのみ、一角(いっかく)()るがし、(かく)(ごと)布局(はきょく)(かも)()すことが出来(でき)るのだ。」方源(ほうげん)双眸(そうぼう)には(するど)(ひかり)()らめいていた。(かれ)予期(よき)せず()地丘伝承(ちきゅうでんしょう)は、(おどろ)くべき(こと)蛊仙伝承(こせんでんしょう)であったのだ!


土中(どちゅう)(ひかり)()み、(ぼう)万丈(ばんじょう)(たか)く、百里(ひゃくり)(てん)(あそ)び、梅雪(ばいせつ)()(うた)う」


()密語(みつご)は、(いった)(なに)物語(ものがた)っているのか?


蛊仙(こせん)伝承(でんしょう)(なか)には、如何(いか)なる秘宝(ひほう)(ねむ)っているというのか?


「もしかすると、仙蛊(せんこ)一匹(いっぴき)(ひそ)んでいるのではあるまいか?」


方源(ほうげん)(おお)きく推測(すいそく)()ばした。


()仙蛊(せんこ)であれば、()れは真陽楼(しんようろう)一層(いっそう)(ぶん)匹敵(ひってき)する価値(かち)がある。何故(なぜ)なら、(たと)八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)(いえど)も、各層(かくそう)最終関(さいしゅうかん)仙蛊(せんこ)褒賞(ほうしょう)とし(て)(そな)わっている(わけ)では()いからである。


假令(たと)仙蛊(せんこ)()くとも、地丘伝承(ちきゅうでんしょう)(かく)入念(にゅうねん)布置(ふち)されている以上(いじょう)(おそ)らくは仙蛊方(せんこほう)一巻(いっかん)(そな)わっているであろう。」


仙蛊(せんこ)()くとも、仙蛊方(せんこほう)()れば、それも巨大(きょだい)収穫(しゅうかく)となる。完全(かんぜん)仙蛊方(せんこほう)は、宝黄天(ほうこうてん)にて販売(はんばい)されることさえ()いのである。


蛊仙(こせん)たちは、せいぜい欠陥(けっかん)のある配方(はいほう)()(さば)程度(ていど)である。(たと)完全(かんぜん)仙蛊方(せんこほう)()っていたとしても、それを分割(ぶんかつ)し、意図的(いとてき)(あやま)りを()()んで(はじ)めて販売(はんばい)()する。


完全(かんぜん)無欠(むけつ)仙蛊方(せんこほう)は、相互交換(そうごこうかん)によってのみ()()る。しかし()のような交換(こうかん)も、歴史(れきし)(かえり)みれば、(かぞ)える(ほど)しか(れい)()い。


方源(ほうげん)(むね)(ふく)らむ空想(くうそう)(おさ)え、(ふたた)冷静(れいせい)思考(しこう)開始(かいし)した。


手掛(てが)かりを(つか)んだ(いま)(かれ)推理(すいり)飛躍的(ひやくてき)進展(しんてん)した。


様々(さまざま)な手掛(てが)かりを総合(そうごう)し、地丘伝承(ちきゅうでんしょう)布置(ふち)された時代(じだい)は、相当(そうとう)(ふる)いと推測(すいそく)した。(すく)なくとも楽土仙尊(らくどせんそん)時代(じだい)には、(すで)此処(ここ)存在(そんざい)していたに(ちが)()い。


しかし思考(しこう)(ふか)める(ほど)に、(あたら)しい(なぞ)が次々(つぎつぎ)と浮上(ふじょう)してきた。


(かり)()布局者(はきょくしゃ)を「地丘蛊仙(ちきゅうこせん)」と()ぶとすれば、()たして()(もの)何者(なにもの)なのか?何故(なぜ)此処(ここ)(みずか)らの伝承(でんしょう)布置(ふち)したのか?蛊仙(こせん)として、如何(いか)にして此処(ここ)侵入(しんにゅう)したのか?(さら)重要(じゅうよう)疑問(ぎもん)は、如何(いか)にして()()布置(ふち)()り、八十八角真陽楼(はちじゅうはっかくしんようろう)原理(げんり)理解(りかい)したのか?


()()の者が太白云生(たいはくうんせい)(ごと)く、王庭福地(おうていふくち)(ない)(せん)(のぼ)ったのであれば、一切(いっさい)(あたら)しい解釈(かいしゃく)可能(かのう)となる……


方源(ほうげん)思考(しこう)(あたま)(なや)ませ、(つい)(そう)いを()せるのを()めた。


一隻(いっせき)星信蛊(せいしんこ)(てん)()いて()(らい)し、(かれ)()()ちた。


方源(ほうげん)()れを()()って()れば、(ほか)ならぬ黒楼蘭(こくろうらん)からの催促(さいそく)(じょう)であった。



(しか)し、(しば)しく()れは()いて、()真陽楼(しんようろう)(おもむ)くとする。地丘蛊仙(ちきゅうこせん)巨陽仙尊(きょようせんそん)布置(ふち)(すき)()いたと()えよう。真陽楼(しんようろう)()りて(のち)(つる)(たど)って()(いた)(ごと)く、間接的(かんせつてき)此処(ここ)秘密(ひみつ)看破(かんぱ)()るかもしれぬ!」


()(こころ)()めるや、方源(ほうげん)(すみ)やかに返信(へんしん)()した。


黒楼蘭(こくろうらん)(みずか)(しょ)(したた)めて催促(さいそく)して()以上(いじょう)最早(もはや)気位(きぐらい)(たか)(かま)えておる場合(ばあい)では()い。(いさぎよ)()(かえ)すとしよう。


此度(こたび)狼王(ろうおう)(ちから)()りねばなるまい。」


方源(ほうげん)(かお)()わせるや、黒楼蘭(こくろうらん)高笑(たかわら)いした。本心(ほんしん)焦燥(しょうそう)()られていたのだ。


王庭福地(おうていふくち)滞在(たいざい)できる期間(きかん)は、(なが)いとも(みじか)いとも()えぬ。北原(ほくげん)外界(がいかい)十年(じゅうねん)雪災(せっさい)(おさ)まれば、王庭福地(おうていふくち)閉鎖(へいさ)され、彼等(かれら)其処(そこ)から()ねばならないのだ。


()以前(いぜん)黒楼蘭(こくろうらん)本家(ほんけ)蛊仙(こし)から(ゆだ)ねられた任務(にんむ)背負(せお)っている(うえ)に、(さら)重要(じゅうよう)なこととして、(みずか)らの(ため)力道上(りきどうじょう)仙蛊(せんこ)()つけ()さねばならない。


狼王(ろうおう)帰還(きかん)()()びず、黒楼蘭(こくろうらん)()ぐに(たい)再編成(さいへんせい)した。


一同(いちどう)楼前(ろうぜん)到着(とうちゃく)するや、黒楼蘭(こくろうらん)方源(ほうげん)一枚(いちまい)古雅(こが)令牌(れいぱい)手渡(てわた)した。「()れが来客令(らいきゃくれい)である。狼王(ろうおう)には先祖(せんぞ)血脈(けつみゃく)()い。真陽楼(しんようろう)にとっては余所者(よそもの)同然(どうぜん)だ。(ひと)たび入楼(にゅうろう)する(ごと)に、一枚(いちまい)来客令(らいきゃくれい)(よう)る。」


方源(ほうげん)来客令(らいきゃくれい)を受け(うけと)ると、(いつわ)()(かる)(わら)い、(うで)()らさんばかりに()った。「ぜひ真陽楼(しんようろう)気象(きしょう)()()(たし)かめてみたいものだ!」


その(あと)黒楼蘭(こくろうらん)一階(いっかい)大扉(おおとびら)()けず、ずばりと(あたま)から(とびら)へ「()()んで」()った。


方源(ほうげん)()(あと)(つづ)き、(かがや)来客令(らいきゃくれい)()に、黒楼蘭(こくろうらん)做法(さほう)(なら)って真陽楼(しんようろう)(はい)った。







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