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【祝!金賞受賞!】【4/24書籍化!】収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~  作者: エルリア


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478.発見したお宝を鑑定して

転送装置を使って地上に戻った俺達は、その足で臨時のギルドへと向かい走破を報告。


素材の買取と装備品鑑定をお願いしつつ、金箱から出てきた例の本はあえてのスルー。


金箱から出てきたってことはよっぽどの物なんだろう、それを鑑定に出してしまうと手に入れた事がバレてしまうので今回はそれをせず自前で鑑定することに。


こういう時鑑定スキルがあるってのはべんりだなぁ。


でもまぁ急いで調べなければならないわけじゃないし明日でいいか、ってことでその日はお待ちかねの肉を喰らってから家路についた。



「ふぁ、よくねた」


翌朝。


腹いっぱいになったのと戦闘の疲れもあり戻った後シャワーを浴びる間もなく眠ってしまったようだ。


大あくびをしながらリビングに行くといつの間にかブレスレットから出てきていたリルが元気よく尻尾を振りながら出迎えてくれた。


「わふ!」


「リルもおはよう、今日も早いな」


「グァゥ!」


「そうかそうか。それで、ぷっくんは?」


俺の問いにここにいるよ!と元気良く反応する毛玉、チャージしていた冷気をすべて使ったせいで随分と小さくなってしまったが、それでもいつもと変わらず小さな手を大きく振って存在をアピールしている。


「ん?そういやルナは?」


「わふ?」


「まだ寝てる感じか。結構なダメージだったし仕方ないよな」


昨日の打ち上げにすら出てこれないぐらいに怪我がひどかったんだろう、幸い指輪の中にいれば復活はできるみたいだけどしばらく時間はかかりそうだ。


いつもならリルの頭を無意識に撫でているけれども、この間の姿を知っているせいで同じようにしていいのかなんだか不安になってくる。


それを察したのか遠慮なく頭をぐりぐりと押し付けてくるリル、まぁ本人がいいというのならば何も言うまい。


ということで、いつものようにわしゃわしゃと体を撫でつつとりあえず朝食・・・いや、ブランチを取ることにした。


「美味いか?」


「わふ!」


「そりゃ何よりだ。ルナは・・・まだ無理そうだな」


ドラゴン戦でさえ翌日には出てこれたけれども、今回の相手はそれだけの強さがあった。


反転の魔術師、物理攻撃はほとんど効かずそれでいて魔法は反転しさらに強化させてくる面倒な奴。


今回はリルの覚醒によってボッコボコに出来たけれども、そうでない場合はどうすればいいんだろうか。


幸い魔法ダメージは喰らっていたようなので、反転してくるのにさえ対処できれば倒しきれる相手ではある。


魔法を無効化するか、はたまた今回のように反転してもいい攻撃をするか。


まてよ?


反転ってどこまで反転するんだ?


例えば相手を回復させたらそれが毒になって帰ってくるとか?


なら毒を与えたらこっちは回復するのだろうか。


ふむ、その考えはなかったな。


相手は毒状態になるけどこっちはひたすら回復するならそれはそれで面白い。


なるほど、そうやって試行錯誤しながら倒し方をアップデートしていくわけか。


上級ダンジョンになればなるほどそれが難しくなるけれども、なんにせよ最初に倒せるという結果を見せたのは素晴らしいことだ。


「わふ?」


「すまん、考え事をしていただけだ。今日は完全オフだからゆっくりしよう」


体力と違い、戦いの疲れは急速でしか回復できない。


とりあえず胃の中に何か入れて今日は1日ゴロゴロするつもりだ。


ダンジョンに出た魔物の情報整理や資料作成は須磨寺さんに丸投げ、本当は装備のメンテナンスもしたいところだけど・・・まぁ今日はいいか。


「はぁ、美味い」


洗い物を放棄してとりあえず水に漬け、香茶の入ったカップを手に別名『人をダメにする巨大クッション』に身を預けながら一息つく。


普段はリルが使っているけれど、今日は譲ってくれるようだ。


代わりに俺の横にぴったりとくっついてぬくぬくと日向ぼっこを始めている。


フェンリルなのに日向ぼっことはこれいかに。


見た目だけ言えば完全に猫だな。


「お、ルナも出てきたか」


「は、い」


「今回はよく頑張ったな、お疲れさん」


そんなことをしているとリルの反対側にルナが姿を現した。


もちろん鎧など着ているはずもなく、いつも通りの部屋着。


一体どういう仕組みで着替えているかはわからないけれど、下着姿や裸で出られると色々と心がしんどいのでこちらの方がありがたい。


出てきたものの本人はかなりお疲れの様子、横になったままぴったりと体をくっつけてくる。


こちらもまた完全に猫。


右のリル、左のルナに挟まれながらのダメにするクッションで昼寝、最高すぎるだろ。


そのままうとうととすること数時間、そろそろ夕方と言うタイミングでインターホンが鳴った。


「おっはよ~和人君!」


鍵の音が開く音がしたかと思ったら聞き覚えのある人物の声が聞こえてくる。


全く、オフだって言ってたのに・・・まぁいいけどさぁ。


「駄目だよ綾乃やん勝手に入ったら」


「大丈夫大丈夫、和人君が女の子侍らせてるなんて・・・してたー!」


「えぇ!」


「いや、人聞きの悪いこと言わないでくれるか?」


「だって左にルナちゃん、右にリルちゃんだよ?美女と美少女に囲まれて何もないはずが・・・ないか」


「そこでいきなり素に戻るなっての」


「いや、最近自分がオッサン化しているのが気になっちゃって」


「今更だとおもうぞ」


「今更だよ綾乃ちゃん」


「それはそれで傷つくんですけど!」


まったく、騒がしいやつらだなぁ。


「お休みの所ごめんなさい和人さん」


「まぁいつもの事だしな。それで、今日はどうしたんだ?完全オフって話だっただろ?」


「それはそうなんだけどさ、やっぱり気になっちゃって」


「あぁ、例の本か」


「もう調べちゃいました?」


「いや、すっかり忘れてた」


装備のメンテナンスを含めダンジョン関係を一切思考から切り離していたので言われてやっと思いだした。


そういえばそんなものもあったなぁ。


「金箱から出たお宝をスルーできるなんて、流石和人君だね」


「仕方ないだろ、疲れてたんだから」


「今日はずっとここだったんですか?」


「あぁ、ルナの回復も必要だったし3人でずっと寝てた」


「健康的と言うか非健康的と言うか・・・ま、いいけどね。それじゃあ全員揃ったわけだし、お披露目会をしようよ!」


「へいへい、ちょっと待ってくれ」


数時間ぶりに起き上がったので体中からバキバキと骨の鳴る音がする。


うーむ、流石に寝すぎたか。


一度探索道具を置いている部屋に向かいマジックバックを回収、リビングに戻ると全員がラグに座って今か今かと待ちわびていた。


「なんだよ、そんなに期待してるのか?」


「和人さんは期待してないんですか?」


「そりゃまぁ期待はしてるけど・・・でも本だからなぁ」


「一般的なものでいくとスキルブック、特定のスキルを習得するものですね。当たりはずれはありますが、上位のスキルだと数千万の価値があると言われています」


「でもはずれだと二百万ぐらい、それでも確定でスキルを得られるのは大きいよね」


「もしくは魔術書という線もありますよ。一番はずれなのは解読できない文字で書かれている本、価値的には高いと思いますが使用できなければ・・・というやつですね」


「はてさて何が出るのやら」


マジックバッグから取り出したのは金箱から出てきた古ぼけた本。


それをラグの真ん中に置き、取り囲むようにして全員でそれを見つめる。


「それじゃあ行くぞ」


【恒常スキルを使用しました。鑑定、次回使用は二時間後です】

【鑑定スキルを使用します。どれに使いますか?人、本】


鑑定スキルを使うといつものようなメッセージが流れてくる。


選ぶのはもちろん本、はてさて何が出るのやら。


【解呪の書。たとえどんな呪いであってもこの書を使用すると解呪することが出来る。ただし、呪いを受けた場所に行かなければ使用できない】


鑑定結果は思わぬもの、想定外の品に思わず声を失ってしまった。

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