エリー様の誕生日会3
ガチャ
再びテラスの扉が開かれた音がした。
するとその瞬間、横で座っていたルーウェン様がすぐさまソファから立ち上がり、跪いて頭を下げている。
え!?と思いながらも、ルーウェン様が頭を下げるほどの人物だ。私が座っていていいはずない。私も立ち上がり、頭を下げることにした。
いったい誰なんだ!?
不安で胸がドキドキする。
「…ルーウェンか。フェルナンドを見てないか?」
知らない声だった。声色からすると歳はそんなにかわらないだろうか。だが、その声色にやや苛立ちを感じた。
「いえ、先ほどは会場の東の方でドルン子卿と話をしておりましたけども。」
「なるほど。みてこよう。…してそちらは?」
「…」
「ああ、噂の引籠眼鏡か。」
「「…。」」
なんだその四文字熟語みたいな噂は。まぁ、当たってはいるけどな。
「顔をあげろ。」
命令口調でそう言われてしまえば、逆らうことはできないだろう。
私は嫌々ながらも顔を上げる。
話すことは許されていないのでそのまま目をやや伏せる。まぁ、瓶底眼鏡でみえていないだろうけど。
そして彼は、私の顔を見た途端に顔を歪ませて笑った。その笑いには嘲りと侮蔑の意味が含まれているのは火を見るより明らかだった。
「くっくっく。はっはっは、あー…ルーウェン。お前への罰はこれか。なるほどな。可哀そうに。くくく。あぁ、ちょっとしたイライラがお前のおかげでどこかへいったよ。礼を言う。」
そう言うと、また1人で笑い1人で納得して従者と共にどこかへ行ってしまった。きっとフェルナンド殿下を探しにいかれたのだろう。
それにしても礼を言われる筋合いはない。私の容姿を笑われ、ルーウェン様がなぜか可哀そうといわれ。何て腹立つ奴だ。
因みに彼の容姿は…まぁ私の好みではないと言うことだけ伝えておこうと思う。まぁ彼も私に好かれたくないだろうし。
はぁ、疲れたと思って再びソファに座ると、斜め上から盛大な舌打ちが聞こえた。
え?と思って斜め上を見ると、ルーウェン様から凄まじい怒気を発しているように見える。というか、ルーウェン様の周りの空気だけやけに冷たい気がするのは気のせいだろうか…?
可哀そうと言われたことに腹立っているのだろうか?でも、客観的に考えると、私と変な縁ができてしまい友人となったことは、たしかにルーウェン様にとっては罰であり可哀そうである。だから、彼の言っていることはあながち間違っていないのかもしれない。
1人で納得していると、隣から大きな溜息が聞こえてきた。
いつの間にかまた隣に座っていたようだ。
「ソフィリア嬢、彼のいうことには決して耳を傾けないようにしてください。」
「はぁ。」
「いいですか?もし次どこかで出会っても、絶対に無視してください。」
そう言われても、ルーウェン様が頭を下げるほどの身分の人でしょ?無視はさすがに無理でしょう。けれど彼の身分とやらは気になる。ルーウェン様が跪くほどの人ってどれだけいるだろう?
「ところで、失礼だと思ってはいるのですが…あの方はどなたなのでしょう?」
おずおずとルーウェン様を見上げると、その目は少し見開き、その後面白そうなものを見る眼差しで私を見た。
「あの方はデベンドラ・アン・ソニタリア王子。この国の第2王子様だよ。歳はフェルナンド殿下と一緒だ。」
ええ!?あれが第2王子様だって!?あんなあからさまに他人を見下すような人が王子様だなんて…。王子として考えてることがすべて言動に出るのはいかがなものだろうか…。
それにしても、面と向かってあなた誰ですか?なんて聞かなくてよかった。
もしそんなことを口に出していたら、不敬罪で処罰されていただろうな。
そう考えると、おもわず体が震えた。
ブックマークありがとうございます。
とても嬉しいです!




