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傾国の美男子  作者: 空乃明
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もやもや

それにしても、エリー様の誕生日会…か。



フェルナンド王子の誕生日会を思い出す。とても多くの人が参加していた。

けれど私はすぐに帰ってしまったので、誰が来ていたのか、あの後どのようなことが行われたのか全く知らないのだ。



エリー様の誕生日会には誰がいらっしゃるんだろうか。

きっと4公爵家の御子息御令嬢はやってくるだろう。またルーウェン様にも会えるだろうか。



ふと、彼の柔らかい微笑みを思い出してしまい、顔が熱くなる。私は顔を横にぶんぶんと振って、他に誰が招待されているんだろうと意識的に考えることにした。



えーっと。

きっと、レオノール様のお茶会で見かけた取巻き3人衆もやってくるだろう。それを考えると少し面倒くさく感じた。ヒロインであるメリアーナはどうだろう。来ているのだろうか?



そういえば、エリー様といえばフェルナンド殿下だよね。フェルナンド殿下がエリー様のことをどう思っているのかはわからないが、エリー様は殿下のことを少なからず想ってらっしゃるはず。たぶん。


それにエリー様は殿下の婚約者候補筆頭だろう。エリー様が正式に婚約者になった場合、両想いだと幸せになれそうだけど…。でもゲームのストーリーを考えると現実はそう甘くはないだろう。


そう。

もしエリー様が婚約者になった場合、気が掛かりなのはやはりヒロインだ。もしヒロインが殿下を好きになれば…。エリー様はとても辛い思いをするだろう。



それは嫌だな。



このゲームのヒロインであるメリアーナが出てくるのは学園に入学して2年目になってからだけど、それより前に接触してみるのもいいかもしれない。どういう人物で今何をしているのか…とかこっそり調べてみようかな。



だけど…。

そう考えたけど思い直した。なぜなら方法がないのだ。

先ほども言った通り1人ではどこにも行けないし、私の代わりに調べてくれる人もいない。



うーーん。



やはり何度考えても今の自分では直接彼女のことを詳しく調べるのは難しそうだ。

でも直接自分の足で探しに行くことが無理なら間接的に探していくしかない。

つまりはやはり情報収集である。



そう思えば、エリー様の誕生日会は絶好の情報収集の機会だよね。もしかするとメリアーナも招待されているかもしれないし。

いや、ゲームの内容的には、初対面は学園だったはずだ。そう考えると、きっと来ていないだろうな。



けれどエリー様の誕生日会には多くの子どもたちが集まるはずだ。

きっと何か情報も得られるはず…だよね?



そうと決まれば話は早い。

今度の誕生日会ではメリアーナを知っている人を探してみよう。知っている人がいればどのような人物なのか聞いてみたい。


なぜなら私が出会ったゲームの登場人物は、私がプレイしていたゲームの中の性格と少しずつ違っているような気がするからだ。だから実際聞いてみないとその人となりがわからないのである。

本当は会いたいのだけどね。



とりあえず、覚えているヒロインの情報を見直してておくか。

メリーを下がらせて、いそいそと鍵付きの棚からノートを取り出す。



ノートに書いてあるのは、ヒロインであるメリアーナの容姿とテルノミナ男爵家の娘だということだけだった。



何でこんなに情報が少ないの?

ヒロインを操作していたはずなのに、情報が少なすぎじゃない?

そう疑問に思わずにはいられなかった。



それでも覚えている内容だけでも確認しておかなければ。

容姿はたぶんゲームと変わらないだろう。今までの主な登場人物がかわらないから。



メリアーナはピンク色の髪にピンク色の大きな瞳でとても愛らしい人物だ。彼女の唇は小さく可憐で、だが瑞々しく麗しい。その可憐な唇から紡がれる声は小鳥のさえずりのように可愛らしく庇護欲をそそる。小動物のような愛らしい動きも何もかもすべてがヒロインであると思わせる。

そしてルーウェン様ほどではないが、彼女も膨大な魔力を持っているという設定だったはずだ。



後は…テルノミナ男爵だな。私はテルノミナ男爵がどのような人物なのかわからない。ただ覚えていないだけなのか、描かれていなかったのかすらわからない。どこに住んでいるのかも詳しくはゲーム内でも描かれていなかったと思う。

忘れているだけかもしれないけれど…たぶん詳しく描かれていなかったはずだ。



ヒロイン自身もそうだが、ヒロインの親についてもなぜこんなに知らないことだらけなのだろう?

少しもやもやする…。



よし。それならまずは男爵の情報を集めてみよう。

そうすれば自然と娘の情報も聞き出すことができるだろう。



よし、頑張るぞー!おー!

と必死に気合を入れていたら、もう目の前にエリー様の誕生日会は迫っていた。




だがその前に。

さらなるイベントが私を待っていたのである。


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