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傾国の美男子  作者: 空乃明
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外出計画

勉強をしたいとお母さまに話すと、お母さまはとても喜んで早速家庭教師を手配してくれた。

これで学園に通う時に楽になればいいのだけど。


ただ、魔術の授業だけは知識のみにするということになった。まぁ私の魔力は少ないし、問題ないのだろう。

魔力が多い子は幼い頃から魔力をコントロールするために専門の家庭教師をつけたりするらしい。ルーウェン様やフェルナンド様、そしてユリウスは魔力量が多い。中でもルーウェン様は魔術師一家なだけあり群を抜いている。



そういえばかなり高価なブローチをいただいていた。何かお礼をしなければ…。助けていただいたこともあるし…。なにがいいだろう?何が好きなんだっけ?


ゲームの中の彼は誰にも無関心で、魔術のことや母親の事件の情報収集にしか興味がなかった。その中で唯一関心をもち心を開いたヒロイン。ヒロインからプレゼントした花やペンダントは喜んでいた。だけどそれは『ヒロインがくれたもの』だからであって、好きな物ではないだろう。


どうしよう…。今度お会いした時に直接聞いてみようかな…。

うん、そうしよう。いらないもの貰っても仕方ないしね。




それから家庭教師の先生方に勉強を学ぶ日々が続いた。数学や言語や化学のようなものだけでなく、ソニタリア王国の歴史や文化、魔術の基礎等、学ぶことは沢山あった。知らないことの方が多く、楽しくもあった。ソフィリアはそれほど物覚えが悪いわけでもなく、先生からもお褒めの言葉をいただいた。


えっへん。


けれど癒しの時間がなくなってしまったソフィリアは我慢の限界に近づいていた。



もう半年!半年よ!?半年もユリウスの顔を見ていない!よくこれほどまでにも我慢できたわね!私は私を褒めるべきだわ!だけどもう限界!

ユリウスがこんなに帰ってこないとは思ってもみなかった。会いに行こうとも考えたが、両親が私一人での外出を渋るので行けなかったのだ。


それに、ユリウスがフォンラトス家に行ってからルーウェン様もお忙しいみたいで来られなくなってしまったし。そもそも今まで来てくださっていたことが不思議なのだけどもね。

それでもルーウェン様は月に一回手紙を送ってくれている。1本の薔薇とともに。欲しいものを手紙で聞くのもなんだか怖くてまだ聞けていないし。



だけど!とにかく!私はイケメンが見たいのだ。癒されたい!手紙では顔はみえない!ギブミー!私の癒しの時間!!!カムバック!私の至福の時間!!!



沸々と溜まったソフィリアのストレスは今にも爆発しそうだった。



「お父さま、お母さま。そろそろ外に出たいのですけど…?」

「…そうねえ。最近はお勉強も頑張っているみたいね。先生が褒めてくださっていたわよ。ご褒美も必要よね。ソフィ、絶対に危ないことはしないと誓ってくれる?」

「も、もちろん誓います!」


食い気味に誓う私を見たお父様は苦笑いしながら私に問う。


「ソフィ、今はユリウスがいない。ユリウスがいないお茶会も1人で参加できるのかい?」

「…できます!」


…したくないけど。


「ふむ。なら今度のお茶会で何事も起こさず起きず無事帰ってこれたら今後のことを考えよう。」


いや、まって?前のお茶会も別に私が騒ぎを起こしたわけではないわよ?


でも、これならきっと大丈夫だろう。なぜならお茶会に参加して気配を消して過ごせばいいだけなのだから。気配を消すのは得意だ。それにあのゲームの中でもほぼ気配がなかった。


私は元気よく「わかりました!」と答え、勿論承諾した。

これをクリアしたら、ユリウスに会いに行ことができる!

よし、頑張るぞー!






数日後、待ちに待ったお茶会の招待状がやってきた。

「お嬢様、こちらが届いております。」


メリーから受け取った招待状の入った封筒はえらく豪奢なものだった。封筒には金色の草花の絵柄が入っており、金色に輝くリボンで装飾されている。明らかに身分が高いと想像できる封筒に一瞬開くことを躊躇った。

が、思い切って開いた。



差出人は…エリザベス・テン・デュテローム。

あれ?この名前って悪役令嬢の…。

なぜ私にこんな高貴な人物から招待状が届くの?もしかして貴族全員に招待状を出しているとか?


わからない。それにしてもまさかこんな時から接点があっただなんて。

でも、あのゲームの時点で取巻きをしていたぐらいだから、以前から接点はあったはずなんだろうな。もしかするとこのお茶会で仲良くなるとか?いや、まさかね。


とりあえず両親との約束もあるし、私も彼女に会ってみたい。出席の返事を書いてメリーに渡した。



メリーが部屋から出ていったのを確認して、鍵付きの棚からノートを取り出した。


エリザベス・テン・デュテローム…

『傾国の美男子』における悪役令嬢であり、4公爵家の1つであるデュテローム家の長女。彼女は攻略対象の婚約者として、もしくはその親友として必ず登場する。


彼女は周りの取巻きたちを利用して、ヒロインに様々な嫌がらせをする。直接手を下すことはせず、彼女はいつも遠くから笑っているだけ。自ら手を下さないやり方は、ゲームプレイヤーに反感を抱かせた。


彼女についてはこれくらいしか知らないんだよね。悪役令嬢だからかってに傲慢で我儘で自己中だとは思っていたけど…。


まぁ、実際に会えるんだしそのときによく観察しよう。お茶会は1か月後だ。目標は大人しく観察する!


よし、頑張ろう。


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