↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傾国の美男子  作者: 空乃明
14/93

目覚めてから2【ルーウェン視点】

そして私は父から魔力と感情をコントロールする訓練を受けると同時に、ソフィの治療方法を探すことにした。



ソフィの魔視症は、ソフィの瞳に私の魔力が滞っている為に起こっていると医師が説明していた。つまり、私の魔力を取り除けばいいのだろう。私はその方法を考えることにした。



まず魔視症について調べることにした。だが、極稀な魔力障害である魔視症は、あまり多くのことを書かれていなかった。ただ、極稀な魔力障害ではあるが治療法が確立していたのは僥倖だった。


普通の魔視症ならば、治療法は簡単だった。書によると、滞っている魔力を自分の中へ循環させることができるようになれば治ると書かれていたのだ。そして魔力を循環できるようになるまでは、魔道具で視界を補助すれば視界を確保することができるとも書かれていた。



ただソフィの場合、ソフィの魔力が滞っているのではなく私の魔力が滞っているため、魔力を循環させることができない。それをどうにかしなければならないのだ。



私はすぐに魔道具の研究を始めた。魔視症の時に使用すると書かれている、視界を補助する魔道具『眼鏡(がんきょう)』を使うことができるのではと考えたからだ。魔道具ならば魔力を使うはず。魔道具は基本的に魔力がないと発動しないものであり、常に魔力を必要とするのだ。



視界を補助するこの魔道具『眼鏡』を調べると、装着する本人の魔力を源に作動しているということがわかった。つまり瞳に宿る滞った魔力を使って作動しているのだ。そして魔力の循環がよくなるようサポートする役割もあるらしい。残念ながらそのサポートの役割は今回は必要がなさそうだった。

だが、それなら『眼鏡』に使われる魔力をソフィの魔力ではなく、ソフィの瞳に滞っている私の魔力を使って作動させることができれば、自然に魔力が無くなるのを待つよりも早く私の魔力を消費することができるのではないかと考えた。



寝る間も惜しんで約1か月。ついにソフィの為の魔道具『眼鏡』が完成した。

私の魔力にだけ反応するような術式を開発し、その眼鏡に組み込むことに成功したのだ。ガラスの部分が分厚くなってしまったため、全体的に重くなってしまったが…新たな術式を組み込むためには仕方がなかったのだ。


だがこれで視界を確保し、少しでもソフィの瞳に滞る私の魔力が少なくなればと思う。

そして良くなれば…と。良くなってほしいという願いを込めて。私は父に、ダンウォール公爵家からの慰謝料の一部として渡して貰えるよう進言し、了承を得た。


これで必ずソフィの手元に届くだろう。





ソフィが目覚めて1年半が経過した。未だに直接会って謝罪をさせてもらえない…。というか、ここまでくればきっとソフィが会いたくないと思っているのだろう。確かに、殺されかけた相手になんて恐ろしくて会いたくだろうし、謝罪をされても困るだろう。




1年が経過した頃から、私は一人でソフィの屋敷の訪れるようになっていた。デンパール家はもうこれ以上謝罪の必要はないと、ソフィ自身がそう言っていると何度も進言があったからだ。父は、これ以上はデンパール家側に迷惑になると判断したため、訪問することを辞めた。家格が違うといろいろとあるのだろう。


だが私は辞めることはできなかった。ソフィの無事をこの目で確認したかったし、魔道具の状態も直接確認したかった。そして何より、1度でいいから直接謝罪をしたかったのだ。…許してもらえなくても。

それに父との約束もあった。



父との約束については私も考えていたことだった。

内容は…まぁいいだろう。

きっと次も会ってもらえないだろうから。



そんなことを考えながら、先触れを出す。毎月決まった日に伺っているとはいえ、訪れることを知らせておかねば先方に迷惑となる。


するといつもは返ってこない返信がやってきた。初めは良くないことが書かれているのではと不安になったが、その内容は私にとって喜ばしいことだった。

なんと明日は漸くソフィと話をすることができるらしい。



何故急に?という想いよりも、漸く直接会って話ができるという事実が嬉しかった。許されなくても、恨まれても直接目を見て謝罪したい。



それは、あのきらきらとした瞳を私に向けてくれなくなっていたとしても…だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。