第十五話 それでも
放課後。
廊下。
静か。
雨宮、一人。
窓の外、見てる。
頭の中。
整理されてる。
* 最近、青木と話す回数が増えた
* 同じタイミングで会うことが多い
* 行動が重なっている
雨宮(……寄ってる)
小さく。
雨宮(条件が揃ってるだけ)
視線、落とす。
納得してる。
だから。
雨宮、少しだけ距離を取る。
廊下、歩き出す。
今日はもう会わない。
そう決める。
外。
校門前。
また、雨降りそう。
雨宮、立ち止まる。
青木はいない。
当然。
雨宮(……来ない)
当たり前。
今日は自分が避けた。
だから。
来ない。
雨宮
そう思う。
そのまま歩き出す。
一歩。
止まる。
なぜか。
理由、すぐ出る。
* いつもこの時間に来る
* ここで会うことが多い
* だから“待つ”流れがある
雨宮(……違う)
首、振る。
雨宮(これは流れ)
否定する。
もう一歩、歩く。
でも。
足、止まる。
さっきより強く。
雨宮「……」
完全に理解してる。
* 戻れば会う可能性がある
*この流れなら成立する可能性がある
全部“条件”
雨宮(……関係ない)
言い聞かせる。
振り返らない。
歩く。
……数歩。
止まる。
沈黙。
雨宮、目閉じる。
そして。
小さく、息吐く。
雨宮(まだ“判断する段階“じゃない)
誰にも聞こえない。
そのまま。
振り返る。
戻る。
校門。
青木、いる。
少し焦った顔。
青木「……あ」
目、合う。
一瞬。
青木「今帰り?」
普通に言う。
何も特別じゃない。
でも。
雨宮、少しだけ止まる。
さっきまでの自分。
全部、分かってる。
* これは寄ってる状況
* これは条件が揃ってるだけ
全部、理解した上で
雨宮「……うん」
答える。
少しだけ近づく。
傘、開く。
雨、降り始める。
青木「うわ、タイミング」
雨宮、少しだけ笑う。
雨宮「そうだね」
でも。
内心。
雨宮(……違うけど)
わかってる。
これは“選んだ”。
自分で。




