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視線の重なりでできた日常  作者: ゆら。


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第十三話 足りない


放課後。


教室。


人、ほぼいない。


青木、席。


ノート開いてる。


『どこまで?』


その下。


『雨宮』


青木「……いや書くなよ」


自分で消す。


消しゴム、止まる。


青木「……」


少しだけ考える。


青木(……話すか)


隣を見る。


窓際。


雨宮、いる。


青木、少し近づく。


青木「なぁ」


雨宮「うん」


青木「今日さ」


言いかける。


その瞬間。


ドア、開く。


クラスメイト「おーまだいたのか」


青木「……は?」


タイミング、潰れる。


青木「いや今」


クラスメイト「ちょっと手伝え」


青木「今無理」


クラスメイト「いいから来いって」


腕、引かれる。


青木「ちょ、待て」


振り返る。


雨宮、こっち見てる。


でも。


何も言わない。


ーーー


数分後。


廊下。


青木「……はぁ」


戻る。


教室。


雨宮、いない。


青木「……は?」


見回す。


空。


スマホ。


メッセージ。


『先帰る』


青木「……」


沈黙。


青木、席に座る。


ノート。


『どこまで?』


その下。


空白。


青木「……寄ってんじゃねぇのかよ」


小さく。


ーーー


■ 次の日


昼休み。


屋上。


青木、先にいる。


待ってる。


青木「……来るだろ」


風。


ドア、開く。


雨宮、来る。


青木「お」


立つ。


青木「昨日さ」


雨宮「うん」


青木「ちょっと話あって」


雨宮、止まる。


青木、少し近づく。


距離、いい感じ。


タイミング、いい。


青木「俺さ」


言いかける。


その瞬間。


強い風。


ドア、バンッて閉まる。


音、でかい。


青木「うわっ」


一瞬、途切れる。


青木「……」


さっきの流れ。


消える。


青木「……なんだよこれ」


雨宮、少しだけ笑う。


雨宮「寄ってたね」


青木「だよな!?」


青木「昨日も今日も!」


雨宮「うん」


青木「じゃあなんでなんだよ」


雨宮、少し考える。


雨宮「足りないんじゃない?」


青木「何が」


雨宮「青木」


青木「は?」


雨宮「さっき」


間。


雨宮「止まったでしょ」


青木「……」


思い出す。


ドアの音。


でもその前。


“言いかけたとき”


ほんの一瞬。


迷った。


青木「……」


言い返せない。


雨宮「寄るのは“条件”だけだよ」


青木「……」


雨宮「決めるのは青木」


沈黙。


青木、視線落とす。


青木「……止まったの、俺か」


雨宮「うん」


沈黙。


青木、少し笑う。


青木「……ダサ」


雨宮「……うん」


雨宮「……まだ、そこじゃない」


風。


静か。


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