表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
視線の重なりでできた日常  作者: ゆら。


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/14

第十二話 未定


放課後。


教室。


静か。


机。


一枚のプリント。


端、少しだけはみ出してる。


風。


ヒラ、と揺れる。


廊下。


青木、歩いてる。


青木「……」


足元。


紙、落ちてくる。


足、止まる。


少しだけ振り返る。


青木「……」


教室、覗く。


誰もいない。


青木「……」


手、伸びる。


青木「……」


持ち上げる。


“進路希望”


名前。


見覚え。


視線、下。


“未定”


その横。


“変更”


青木「……」


少しだけ、息止まる。


青木「……関係ないだろ」


小さく。


近くの机に戻す。


一歩、下がる。


止まる。


青木「……」


青木「……関係ないなら」


青木「……あえて巻き込まれなくていいだろ」


でも。


視線、戻る。


青木「……」


ため息。


青木「……めんどくせぇ」


もう一回、取る。


青木「……ったく、忘れるなよ」


廊下。


足音。


少し早い。


青木「……」


青木「……俺が行ってるんじゃない」


青木「……行かされてる」


間。


青木「……でも」


ほんの少しだけ。


青木「……自分の意思で止まれたよな……さっき」


ーーー


階段前。


人影。


ちょうどいた。


青木、止まる。


プリント、見る。


顔、上げる。


青木「……」


青木「……あの」


声、出る。


相手、振り向く。


少し驚いた顔。


青木「……これ」


差し出す。


相手「……あ」


受け取る。


少しだけ気まずい。


相手「……ありがとう」


青木「……別に」


沈黙。


終わりそうになる。


でも。


青木「……それ」


言葉、出る。


青木「……大丈夫か」


相手「……え」


青木「……いや」


青木「……なんでもない」


引こうとする。


相手「……未定」


止まる。


相手「……にしただけ」


小さく。


青木「……」


青木「……変えたのか」


相手「……うん」


間。


青木「……なんで」


相手、少し困る。


相手「……なんとなく」


青木「……」


その言葉。


少しだけ引っかかる。


青木「……なんとなく、か」


間。


青木「……それでいいのか」


相手「……」


相手「……わかんない」


小さく。


青木「……」


言葉、探す。


でも。


青木「……じゃあ」


青木「……決まるまで、そのままでいいんじゃねぇの」


言葉、出る。


青木「……無理に決めるよりは」


一瞬だけ、真面目。


すぐ逸らす。


青木「……知らんけど」


相手、少しだけ笑う。


ほんの少し。


相手「……ありがとう」


青木「……別に」


沈黙。


でも。


さっきと少し違う。


相手、去る。


青木、残る。


青木「……」


小さく息吐く。


青木「……なんだよこれ」


手元、空。


青木「……そんな役目なんて欲しくなかっただろ」


でも。


青木「……流れが来たな」


間。


青木「……なんで」


少しだけ。


青木「……俺なんだよ」


ーーー


昇降口。


雨宮、いる。


青木、近づく。


青木「……来た」


雨宮「うん」


青木「……欲しくないやつ」


雨宮「うん」


青木「……でも」


少し考える。


青木「……来た方がよかったかもしれない」


間。


雨宮「うん」


それだけ。


青木「……なんでだよ」


雨宮「さあ」


青木「……」


青木「……めんどくせぇな」


雨宮「うん」


少し歩く。


並ぶ。


青木「……」


青木「……別に俺じゃなくてよかったよな」


雨宮「うん」


青木「……じゃあなんで」


雨宮「そこにいたからでしょ」


青木「……」


青木「……雑すぎるだろ」


雨宮、少し笑う。


雨宮「でも、それで足りる時もあるよ」


青木「……」


青木「……足りてたのか?」


雨宮「さあ」


歩く。


夕方。


光、長い影。


青木「……」


小さく。


青木「……なんとなくでいいのかもな」


誰にでもなく。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ