甘いもの
下校中のイソノとナカジマは、ダラダラ歩きながら話をしていた。
「そういやナカジマのクラスで数学のプリント出てる? 公式でわかんないとこあるから教えてくんない?」
「いいぞ。うちに来るか?」
「いいのか? じゃ、先に行って準備したらすぐに行くわ」
「お菓子もって来いよ」
「オッケー」
イソノは駆け出し、一足先に帰宅した。はす向かいに住むナカジマが家について着替えが済んだのとほぼ同時に、イソノはナカジマの家に到着していた。
「おじゃましまーす。これ、おふくろがナカジマにって」
「だし昆布じゃねーか」
「親戚から届いたやつ」
「Word換算132文字前にお菓子持って来いって言っただろ」
「メタ発言はよせ! 他にあったのが飴くらいだったんだよ!」
「飴でもいいのに。甘いもののほうがよかった」
「水溶性食物繊維がたっぷりだぞ。こっちのほうが体にいい」
「飴でもいいのに。甘いもののほうがよかった」
「大事なことだから二回言うの?」
「お菓子もって来いよ」
「話をループさせるな」
「甘いものを持ってこない罪でイソノを断罪する!」
「どんだけ甘いものが食いたいんだよ!?」
「断罪内容を具体的に言うと、学校にプリントを忘れてきた!」
「断罪されるのお前じゃねーか」
「明日の一限提出のやつなんで、プリント見せてくださぁい!」
「答えだけノートに書いておくのか」
「そう」
「急に冷静になるな」
「ルーズリーフを一枚渡すから、イソノはこっちに答え書いて。間に置いて一緒にやろう」
「しゃーない。この問三の公式がちょっとわかんないから解き方教えてくれ」
「いいぞ。とりあえず一通りやってから答え合わせもかねてやろう」
「頼みますナカジマ先生!」
「よきにはからえ」
「いきなり王様になるじゃん」
「甘いものを持ってこない罪で死刑!」
「そのネタまだ引っ張るのかよ。罪が重すぎる」
「五限の終わりから低血糖でフラフラなんだよ」
「あれ? 弁当は?」
「母さんが米を詰め忘れてて、おかずだけだった」
「さっさと終わらせてコンビニ行くぞ!」
「おー……」
「しっかりしろナカジマぁ!」
その後、二人は爆速でプリントを終わらせてコンビニへひた走った。
彼らは今日も仲がいい。




