車酔いの少女27 ~別名オタク部~
仕方ないけど新キャラ続々投入しました。
中学時代のキャラは、野々宮・海野・大友の順で登場頻度が高いと思われます。
かなめは高校に入って、パソコン部に入った。
実はブラインドタッチというのにあこがれていたかなめである。あと勧誘ポスターに『就職に有利!』と書かれていたのも効いた。
が、入部してから「ブラインドタッチならタイプ部のほうが身につくよ。あそこスパルタだから」と先輩に言われてしまったかなめである。
しかし、そんな先輩はかなめのほうを見ながら、見事なブラインドタッチで『投稿小説』を打ち込んでいる。
「まー、俺みたいにしょっちゅう打ってりゃ身につくけどね。ゲームの操作と一緒みたいな?」
オタクのかなめには大変分かりやすい表現だったので『なるほど・・・』と呟くと、先輩(3年:伊藤秀樹)はニヤっとした。
「水野サン、ゲームやるんだ? もしかしなくても同士? いや、同士だね。同士のにおいがする」
「ゲームと、マンガと、小説を少々・・・」
「少々? いやいや、ご謙遜を。水野サン、BLとかも嗜んでるでしょ?」
「えっ!?」
「だいじょーぶ☆ 俺はエロゲも嗜んでるから! なんら恥じてないから!」
「18歳未満は禁止なんじゃ・・・」
「俺の精神年齢はオッサンだから大丈夫だよん」
伊藤は「おーい、部長!」と部長の芦辺祥平を呼んだ。
「『おーい、お○』みたいな呼び方すんな」
メガネ・7:3分けという見事なキャラっぷりの芦辺部長がやってきた。
「俺、水野サンの教育係になるー」
「・・・・・・・・・・伊藤よ、言ったはずだ。女子の新入部員の教育係はくじ引きだと」
ちなみにパソコン部の女子の新入部員はかなめを入れて2人だ。
「運命感じたんだよー」
「そう思っている部員は多い」
「あのー」
かなめではないほうの新入部員女子である渡瀬比奈が挙手した。
「アタシ、下心バリバリの教育係とかマジ要りませんから。つーか、一通りのスペックは持ってるんでマジ不用っす。あと、水野サンはカレシ持ちな上、そのカレシっつうのがチートらしいんで、先輩方とかお話にもならないっすよ」
そういって比奈はネットを開いて「コイツっすよ」と指差した。
「このイケメン?」
「イケメンでチート? いや、チートの基本装備の中にイケメンが含まれるから、イケメンだからこそチートだというのか?」
「あの・・・このひと、違います」
かなめは否定した。
画面に大きく表示されているのは、野々宮春都だった。
「アレ? 緑中のバスケ部のイケメンっしょ?」
「こっちです・・・」
見切れている秀司を指差す。
「ああ、洋顔じゃなく和顔のイケメンのほうか。で、先輩方。コイツ、中学ン時は、バスケで全国行って、県立××高では新入生総代だったらしいっすよ」
「「なんだと!?」」
「えっ!?」
「なんで水野サンまで驚くんよ」
「聞いてなかった」
「彼女に自慢せずにこっそり新入生総代だと? ・・・まちがいなくチートだな」
「チート・・・いや俺は認めないぞ。きっと物凄い欠点があるはずだ」
「欠点? オラオラ系だとか、DV加害者とか、ものすごいエロいとかっすか?」
「女子が何たる発言!」
芦辺部長がよろめいた。
「渡瀬、俺ら魔法使い予備軍だからあまりハードな三次元発言はヤメて欲しいのよね」
「アタシだって、現在進行形で妖精っすよ。水野サンはどっち?」
「・・・・・・・妖精? 魔法使い? オンラインゲームの話ですか?」
「「「・・・・・・・・・」」」
ああ、水野かなめは別の意味で『妖精』だと三人は思った
パソコン部はオタクの巣窟だとしらず入部したかなめである。
類は友を呼ぶってカンジ?