第七話 潜航艦の戦い
通常空間にて、艦載機と通常艦艇が光の応酬を続けているのと同時刻。
人間の目では決して見ることのできない亜空間では、まったく異なる戦いが進んでいた。
そこにあるのは、艦が通り過ぎた後に残る僅かな位相航跡と、亜空間そのものに刻まれた微細な因果の乱れだけだった。
通常艦艇からすれば、亜空間は目的地まで高速で通り抜けるための航路である。
しかし潜航艦乗りにとっては違う。
例えるなら、潜水艦にとっての海である。
西暦2507年10月7日
大辰帝国908型潜航艦〈赤月〉
大辰帝国の量産型潜航艦である黒月型の2番艦〈赤月〉は、現在レイヤー2.9にて推進機を完全に停止し、聞き耳を立てていた。
発令所には、顎鬚を生やしたいかにも豪快そうな男が艦長席にどかっと座り、頬杖をついてその時を待っていた。
「新たな航跡を探知。方位216。深度レイヤー2.7」
静かな発令所に因果士の声が響く。
「隻数は?」
「現在明確なのは一隻。しかし未確認の艦が存在する可能性はあります」
「そういう時は三隻いると思え」
艦長の岳 飛燕中佐は、艦長席で不敵に笑いながらそう言った。
「潜航艦ってのは、見えてない奴の方が多い」
「……艦長の経験則ですか?」
「俺の勘だ」
「それ経験則って言わないですよね」
「細かいこと言うなよ」
岳中佐は正面に浮かぶ戦域図を見る。
捜索対象の敵空母はまだ正確な位置を特定できてない。
しかし、周辺に王国潜航艦がいることは分かった。もし仮に三隻いる場合、おそらくだがまとまって動いている可能性が高い。
どのみちこのエリアは味方が展開しなければならない。今のところ真っ先に展開したのは〈赤月〉であり、それならば、自ずとやるべきことも見えてくる。
「航法長、推進機の出力を最大に。遷移率1.5A/cまで加速しろ」
因果士が振り返った。
「艦長、それでは航跡が──」
「残してしまって構わん」
「……はい?」
「今日は隠れる日じゃない」
岳中佐は笑いながらそう言った。
発令所の空気が僅かに変わったが、乗員達は艦長の意図を理解する。
「わざと敵潜航艦を釣り出すんですか?」
「そうだ。俺たちが餌になる」
彼の命令は正しく理解され、復唱された。
「機関、最大戦速!」
その時、〈赤月〉の位相勾配推進機が大きく出力を上げた。
静粛性を第一とする潜航艦としては、本来あり得ないほど大きな航跡が亜空間へ刻まれていく。
潜航艦乗りなら誰でも気づくレベルの騒音だ。例えるなら、暗闇の中で自分から、「俺はここにいるぞ」と叫んでいるようなものだった。
「敵艦反応!」
思惑通りだった。
「新たな目標探知! 二隻目、いや、三隻目を確認! こちらへ針路変更!」
「ほらな」
岳は笑った。
「食いついてきた」
王国側も馬鹿ではない。
一隻だけ無謀に前へ出てきた帝国潜航艦を、好機だと判断したのだろう。
「敵魚雷発射! 雷数三! 方位220から回り込んできます!」
「回避するぞ! 面舵30、ダウントリム20、機関最大!」
「急速潜航! 深度変更!」
「前進いっぱい!!」
亜空間の中の〈赤月〉が急旋回する。
遷移率を上げたまま深度を変更、レイヤー2.9からレイヤー3ヘ突入。さらに横方向への位相ドリフトを重ね、追尾してくる敵魚雷の内側へ回り込む。
「敵魚雷、距離3万!」
船体が大きく進路を変えると、魚雷も追従してくる。
敵艦と魚雷の間には一本のリンクが接続されているが、これは物理的なワイヤーではない。亜空間魚雷と母艦の間に維持されていた光誘導である。
艦から魚雷に向かって光信号で誘導を更新する方式なのだが、それが〈赤月〉の急激な位相変化と深度変更により、リンクが切断された。
「敵魚雷、本艦の左舷後方を通過。迷走しているようです」
「よし」
岳中佐はすぐさま言う。
「一番、二番管──」
「装填済みです」
「航法」
「艦よし!」
「因果」
「因果率よし!」
「水雷長」
「武器よし!」
「全てよし!」
全ての復唱が終わると、岳中佐は不敵に笑い、その指示を下した。
「撃て」
「発射!」
〈赤月〉の魚雷発射管から、二本の光子魚雷が放たれた。だが魚雷は敵艦の未来位置ではなく、その間をすり抜けるようにまっすぐ進んでいる。
彼の目的は初めから空母ではない。潜航艦を護衛位置から引き剥がし、一隻ずつ孤立させ、それを食らうつもりであった。
三対一という絶望的な状況にも関わらず、岳中佐は楽しそうに笑っていた。
「いいぞ。もっと連れてこい」
同時刻
大辰帝国912型潜航艦〈雷鯨〉
ミレシア重力圏外縁
大辰帝国の最新鋭潜航艦である白鯨型の2番艦〈雷鯨〉は、優秀な乗組員と冷静高潔な艦長によって率いられていた。
艦長席に座るのは、紫の髪を下ろした目つきの鋭い女性軍人である。
「艦長。亜空間可航深度が変化しています」
発令所で、因果士が報告する。
「ミレシアの重力井戸の影響です。L2.6以深は安定度が低下しています」
その言葉を受け、女性艦長の九条 紫苑中佐は深度図を見つめた。
彼らは潜航艦乗りにとって、普通なら避けるべき厄介な場所にいた。
通常空間で言えば、〈雷鯨〉は第三惑星ミレシアに近いている。通常空間から見れば、この惑星は大気すらほとんど持たない冷たい岩石惑星にすぎない。
だが亜空間では違う。惑星ほど巨大な質量と重力は、通常宇宙を亜空間へ固定する巨大な重力アンカーとして作用する。
つまり惑星へ近づけば近づくほど、利用できる亜空間は浅くなるのだ。
他の空間ではレイヤー3まで利用できたところがレイヤー2に浅くなり、終いにはレイヤー1まで使用できなくなる。そして最後には、通常空間へ浮上する。
「現在位置からミレシア方向へ進んだ場合?」
「十五分後にはレイヤー2.1が限界です」
「分かった」
九条中佐は艦長席のコンソールで表示を切り替える。このエリアの星系マップを拡大表示し、頭の中で考察をした。
まず王国空母が帝国の航空隊から逃げる場合、考えられる退避経路は複数ある。
だが空母は潜航艦ではない。巨大な船体に護衛艦艇など、どれほど隠そうとしても必ず痕跡を残す。
「艦長。〈赤月〉より報告」
「内容は?」
「我、王国潜航艦三隻と接触。現在交戦中」
九条は僅かに目を細めた。
「三隻も釣ったか」
「援護しますか?」
「必要ない。それよりも奴の作ったチャンスを活かす」
岳中佐なら、自分から始めた戦いで沈むほど間抜けではない。九条中佐は彼を信頼しているからこそ、彼のチャンスを利用し、敵を追い込む必要があった。
九条中佐は星系図にマウスで線を引き、三本のルートを表示させる。彼女が考察した、敵空母の予測退避ルートだった。
九条中佐はそのうち、一番外側の経路を見る。
「ここ」
「これは?」
「私が敵艦の艦長なら真っ先に選択する」
九条は淡々と言った。
「位相ドリフトへ以降。方位110、速力0.5A/c」
「了解。位相ドリフトへ以降、方位110」
〈雷鯨〉は推進機を使わず、リングの位相だけでゆっくりと前進。そのままある一本のルートを潰せる位置へと前進した。
自分から獲物を探しに行くのではない。
獲物が来る場所へ先回りし、そこを塞ぐつもりだった。
同時刻
大辰帝国910型潜航艦〈雲龍〉
ミレシア外縁 深度レイヤー2.5
大辰帝国の指揮型潜航艦である双龍型の5番艦〈雲龍〉は、現在深度レイヤー2.5の付近にて、長い間待ち伏せを続けていた。
艦長の壮年の男、曹 景岳大佐は忍耐強くひたすら待ち続けている。
ただそれだけ。しかしそれだけで潜航艦としての価値は非常に高くなる。
現在、〈雲龍〉は完全に停止している。
主推進機は沈黙し、位相ドリフトさえ使わない。今はワープリングが艦の現実性を固定するためだけに動き続けていた。
停止してから、すでに四時間近い。
だが潜航艦乗りにとって、待つことは苦痛ではない。むしろ基本だった。
「〈赤月〉より入電。王国潜航艦を一隻撃沈したようです」
「……そうか」
「〈雲龍〉は予定位置へ到達。待機しています」
「わかった」
曹の返答はそれだけだった。
若い観測員が訊く。
「艦長。こちらも前進しますか?」
「しない」
「しかし、敵空母がここを通るとは……」
「心配無用」
曹中佐は、若手を宥めるかのような穏やかな言葉遣いで言う。
「敵は必ずここを通る。それ以外は塞いでるからな」
曹は自艦位置を指した。若い観測員は不安が少しあったが、帝国に長年支えている老年の艦長を信じ、自分の計器類に戻った。
そして再び、〈雲龍〉の発令所から会話が消えた。
同時刻
第三惑星ミレシア軌道上の通常空間
王国宇宙軍航空母艦〈アストライア〉
「敵偵察機、さらに増加!」
戦闘指揮所が騒がしくなっていた。
「方位110、距離900万にて新たに十五!」
「方位330、上方距離1200万にもワープアウト反応!」
「敵潜水艦、第三セクターの亜空間にてコンタクトロスト!」
ルゲイ中将は戦況図を睨んだ。
帝国空母から投射された無人機が、少しずつこちらへ近づいている。
先ほど第3打撃群を攻撃したことで、こちらの投射経路を読まれたのだろう。場所までは知られていないが、存在圏は確実に絞られている。
また、艦隊の近くで帝国の潜航艦同士の戦闘が起こっているのも懸念事項だった。
潜航艦はやろうと思えば、通常空間にいるこちらにも攻撃できる。どちらも空母にとっては重大な懸念事項であった。
「司令。このままでは敵艦載機だけでなく、潜航艦にも捕捉されます」
「分かっている」
参謀の言葉に、ルゲイ司令は短く答えた。
「艦隊はミレシア方向へ移動する」
「ミレシアへ?」
「重力圏へ近づく」
幕僚の一人がその意図を理解した。
「それでは深度が浅くなり、現在戦闘中のこちらの潜航艦と連携が取れなくなります」
「問題ない。相手も同じだ」
ルゲイ司令の意見も一理あった。
確かに惑星の重力アンカーが強くなれば、帝国潜航艦も深層を使えない。浅いレイヤーへ押し上げられれば、その分だけ探知もしやすくなる。
しかし、連携が疎かになる可能性は十分にあった。
「全艦、進路変更」
白い巨大空母が姿勢を変える。護衛艦隊もそれに追随し、ミレシア方面へと近づいていく。
だがそれこそが、第2潜航艦隊の待っていた動きだった。
同時刻
惑星ミレシアに近い亜空間
大辰帝国 912型潜航艦〈雷鯨〉
「艦長。大型通常艦由来の位相残響を確認しました」
観測員が声を上げ、モニターに新たな情報を表示する。
「こちらが予想経路上です」
「確度は?」
「70〜80%で超大型艦です」
九条が目を細める。
「来たわね」
九条は戦域図を見る。
相手はこちらに向かっている。
「艦長、こちらからでも攻撃可能です」」
「いや、撃たない」
「よろしいのですか?」
「私たちの仕事は沈めることではない」
九条は別の航路を示した。
「こちらへ逃げさせないことだ」
その時、接近していた敵空母が少し進路を変更した。護衛艦もその変進へ続く。
なんと九条の予測通り、王国艦隊は進路を変えたのだ。
「敵大型艦、針路変更! 方位266!」
九条には最後まで聞く必要がなかった。
その先に何がいるか知っている。
「〈雲龍〉へ短文通信」
「はい」
「『狩人へ獲物は渡った』、以上」
同時刻
大辰帝国910型潜航艦〈雲龍〉
「艦長! 〈雷鯨〉より短文通信です!」
「読め」
「『獲物は狩人へ渡った』、以上!」
曹中佐は小さく頷いた。
「通常空間センサー浮上準備」
曹中佐は即座に端的な指示を出す。
その一言で、四時間近く静止していた〈雲龍〉の発令所が、一斉に動き始めた。
「センサー浮上準備。レイヤー1.2まで浅度変更」
「浮上。現在、リング位相は正常」
〈雲龍〉が攻撃を行うには、マストの後部からセンサーアレイを射出し、それだけを通常空間へ飛び出させる必要があった。
潜航艦そのものは亜空間にいるが、通常空間の目標へ攻撃するには、最後に一度だけ正確な位置を確認する必要がある。
推測だけで魚雷を撃つこともできるが、曹中佐はそれをしない男だ。
絶対に外さないために。
「センサー浮上」
「センサー浮上!」
因果士の操作により、〈雲龍〉の外部センサーヘッドだけが、亜空間と通常空間の境界を越えた。
それから、ほんの数秒も経たずに結果が出る。
「センサー浮上確認。通常空間と同期開始」
次の瞬間、観測員の声が跳ねる。
「大型艦の反応を確認! 方位010、距離18万7000!」
「RCSからして、王国宇宙軍の〈アストライア〉と思われます」
彼らはついに、王国軍唯一の航空母艦を見つけてしまった。
通常空間に存在するその白い巨体が、〈雲龍〉のセンサーへ明瞭に映し出された。
曹は一度だけ頷いた。
「よし。センサー下げろ」
「はい!」
「発射管、一番から六番管」
「装填済みです」
「通常空間侵入設定」
「了解……設定完了!」
センサーはすでに亜空間へ戻り始めている。
通常空間に姿を晒していた時間は、ほんの数秒だった。
「目標、敵航空母艦」
曹中佐の声は変わらない。
「艦よし」
「因果率よし」
「武器よし」
「全てよし」
全ての確認を終えて一泊だけ置き、曹中佐は一言、
「撃て」
とだけ言った。
「一番から六番、魚雷発射」
そして間髪入れず、六発の光子魚雷が〈雲龍〉から放たれた。
亜空間を走った魚雷は、指定された浅度へ上がり、搭載されたワープリングで通常空間との境界を突き破った。
同時刻
第三惑星ミレシア 通常空間
航空母艦〈アストライア〉
「空間異常!」
その時、レーダーを見ていた空母観測員が叫んだ。
「左舷下方距離18万!極めて至近です!」
ルゲイが振り返る。
その時、何も存在しなかった宇宙空間が裂け、そこから六発の光子魚雷が、一斉に通常空間へ飛び出した。
「緊急回避だ!面舵いっぱい!」
「各艦、バリア展開!」
空母艦内でけたたましい警報が鳴る。
〈アストライア〉に搭載された大量のCIWSが、自動的に目標を捕捉しようとする。
だが、それですら遅かった。
敵潜航艦がどこにいるかを探知したのではない場合、魚雷が通常空間へ現れたその瞬間、大抵の場合は迎撃が間に合わない。
18万キロと言う距離も、現代の光子兵器にとっては目と鼻の先よりも短い極至近距離であった。
「全周囲バリア、最大出力!」
艦長が被弾する前に叫ぶ。
その途端、〈アストライア〉を包むように透明なバリアが展開された。
その直後、一発目の魚雷がバリアへ激突した。巨大な閃光が巻き起こるが、間髪入れずに二発目が突き刺さる。
三本目、四本目と防御障壁が激しく揺れる。
現代艦船のバリアは強力だが、永続的な盾ではない。瞬間的に高出力の防御場を展開し、敵弾を受け止めるための装置であるため、連続して大きなエネルギーを受ければ発生装置そのものが耐えられない。
そして、五発目までが連続で着弾した。
「防御場崩壊!」
「バリアを維持できません!」
そして、その次の瞬間。
六本目の光子魚雷が船体中央へ突入した。
着弾直前に弾頭が炸裂。莫大なエネルギーが、バリアを失った船体へ直接叩き込まれる。
外郭装甲が吹き飛び、格納庫外壁が裂ける。艦内を走る主電力幹線が一瞬で寸断。同時に艦載機用の格納庫へ衝撃が到達した。
「船体中央被弾!」
「第三格納庫、隔壁破損!」
「主電力喪失!!」
「艦中央ブロックにて火災が発生しています!」
「中央ブロックを消火しろ!!」
「ダメです! 中央で活動している乗組員が居ません!」
被弾と同時に、戦闘指揮所が激しく揺れた。
照明が消え、予備電源へ切り替わるまでの数秒間、真っ暗になった指揮所の中でルゲイは手摺に身体を預けるしかなかった。
やがて赤い非常灯が点灯する。
「被害報告!」
「中央格納庫で連鎖爆発です! 主電力系統復旧不能! 船体フレームに亀裂!」
「弾薬庫の温度が上昇しています!」
その途端、艦長の顔色が変わる。
「誘爆を止めろ!」
「消火系統応答なし!」
「区画を切り離しだ!」
「っ、ダメです! 作動しません!」
もう遅かった。
被弾そのものより、巨大空母内部に搭載された大量の兵器、艦載機、推進剤、エネルギー設備など全てが、今度は〈アストライア〉自身を内側から破壊し始めていた。
その時、何処かで爆発がして艦が揺れる。
爆発が艦内を走り、何処かで悲鳴が聞こえた。
「司令!」
艦長に呼ばれ、ルゲイは艦の状況表示を見る。
船体強度、主機、電源、姿勢制御まで全て真っ赤であった。
これではもう、助からない。
「……艦長。総員退艦だ」
ルゲイは小さくそう言った。
一瞬、周囲の人間が止まった。
「司令……」
「聞こえなかったのか!? 総員退艦だ!」
ルゲイが声を張った。
「艦を捨てろ!」
「はっ! 聞いたな、現時刻をもってして艦を放棄する! 急げ!」
艦長の指示により、艦内放送が作動。
残っている乗組員達にも退艦を要請する。
『総員退艦。繰り返す、総員退艦。全乗員は最寄りの脱出艇へ──』
艦内で乗組員達が脱出ポットへ向かう。
合計して十分間の猶予があったが、そこまでだった。
十分後、格納庫中央で最大規模の誘爆が発生した。〈アストライア〉の白い船体が一瞬、中央部から膨らんで、そして折れた。
五百メートル近い巨大空母が、船体中央から二つに分断される。
艦首側が慣性のまま前進。
艦尾側は姿勢制御を失い、ゆっくり回転する。
その間から、大量の艦載機と船体構造物が、宇宙空間へ吐き出されていく。
その数秒後、前後で連鎖的な第二次爆発が起きた。
こうして王国宇宙軍唯一の航空母艦〈アストライア〉は、第三惑星ミレシアの軌道上で、その機能を完全に失った。




