パソコンの中に・・・・
家に帰って眺めまわしても、他人の家のようで何も思い出さなかった。
落ち着かず、とにかくパソコンを探した。
パソコンはベッドの横にあり、私は日がなベッドの上でパソコンでアニメや検索などをしていたらしい。
ダンナは一通りの家事や雑用をすますとテニスに出かけて行った。ここだけはなぜか違和感がなかった
私のそばに居ないんだとちょっとがっかりするものの
・・・毎日出かける、家にいない・・・前にもそんなことがあったような既視感があった
リハビリはまもなく家での自主練に変わった。どうやら後遺症は軽いらしい、口がまだ少しマヒしていておしゃべりは出来ないが、短い会話なら問題はなかった。指は何とか動くのでリハビリもかねて、一日中キーボードをたたいた
さっそく、パソコンを開けてメールボックスにアクセスする。勝手にパスワードが開
き受信トレイに到達した
思い出せないかと思っていたのに、自分でもびっくりするくらい、パソコンの操作はスムーズにできた
迷惑メールに200通のメールが溜まっていて、受信トレイにも70通のメールがたまっていた。
横のフォルダーの「友達」にもそれらしいメールはなく送信トレイにもそれらしいヤバいものはなかった。
しかたなく一件一件メールを見ていくしかない。
でもそれらしい不倫の証拠はなく、もしかしてダンナに見られて削除された?
とも思ったが、「毎月フォルダー」に北条君とのやりとりがいくつかあって、やはり彼の言う通り北条君は友達にまちがいなかった。
その中に、イカれた私に北条君が返信メールをくれた痕跡を見つけた、
「イカれたってとこ自己分析してて、まだ冷静さが残っていて安心したよ、ダンナにばれないように気を付けて・・・」
やっぱり真実だったのか。私最近までイカれてたんだ、どんなふうに?見てみたかった。どうやら私は本当にいけないことしてたらしい。
私ってこんな女なんだとびっくりするやらあきれるやら、記憶喪失で性格もリセットされるといいんだけどな・・・
大まかのアウトラインが見えてきた。私はプールの誰かに恋してプラトニック不倫をしていたこと。最近それが終わりを迎えそうだったこと。
誰なんだ「かの君」って、明日にでもプールに行って確かめたくなった。
大方、ジャンクメールの整理が終わり、何気なく下書きフォルダーをのぞいた。件名なしのメールを開けると衝撃の内容があった。まさしく私の行動のヤバイ欠片だった。
「10月10日に何があったのですか?誰かに何かを言われたり、とても不快なことがあったんじゃないんですか? どうしてもあの豹変したことが信じられません
嘘つきよばわりのあげく、ぼくにとってはどーでもいいこと・・って・そんなひどい。
その言葉は面と向かって言える人なんですか?」
なんじゃこれ?私は怒っているの?かの君に対してか?
10月10日に何があったんだろう?
自分で書いたメールで自分がミステリーに迷い込むとは
相手のメルアドはなく、内容だけを先に書いているらしい。喧嘩したのかな?
嘘つきって何があったんだ。私は夫を裏切ったのか?裏切ってないのか?
とにかくその人を探さなきゃ、プールにいるらしいし。
それまでは慎重に、記憶はまだ手探り状態。




