ユハとケルナ⑥
一夜明けていつも通りに食卓に行くとロッタはすでに席に着いていた。
「ロッタ、おはよう」
「ん、おはよう」
挨拶は返ってきたが、なにやら圧力を感じる。
「あ、おはようございます。すぐに朝食お持ちしますね」
ケルナはいつも通り……に見えなくもないが……いや少しだけよそよそしい……か?
まあなんにせよ今日やることはまずはユハに会うことだ。
ロッタは黙々と朝食を平らげる、ケルナは俺や、ロッタをちらちらと見ては目を伏せながら……そして俺は会話を切り出すことが出来ず沈黙のまま朝食は終わる。
なんとなく気まずいので俺はすぐに出かけることにした。席を立ちふと呟いた。
「さて……と、まだ早いしユハは家にいるだろうか……」
するとケルナが答えた。
「あ、ユハさんなら今日はマツーダファミリアの皆さんと武具の整備とかしてるんじゃないでしょうか、タケゾウさんの頼んでいた槍も出来てる頃だと思います」
「ん? そうか……そんな話はしているのだな」
あれきりユハとは口を聞いていないものだと思ってたが……
「あ、いえ……その……勘です……」
勘か……
「なんじゃ貴様、槍など頼んでおったのか」
「まあな、今回は相手が多いからな……槍の方が間合いを長く取れて戦いやすい」
ロッタの目つきが変わる。遠くを見るような……何かを思い出すような、そんな顔をした。
ロッタは頷くだけでそれ以上は何も言わなかったので俺は行くことにした。
「ケルナありがとう、武具倉庫から行ってみることにしよう」
「はい、いってらっしゃい」
「……おっと、そうだケルナ一つ聞きたいことがあった」
「はい? なんでしょうか」
ケルナは首を傾げて答える。
俺は昨夜考えておいたユハを焚付けるための文言を思い出しケルナに一つの質問をした。
少し考えた後にゆっくりと少しずつ答えたその言葉を聞いてから俺は武具倉庫へと向かう。
俺は町の中心から少し外れた自警団が使う大きな倉庫へとやってきた。まだ朝も早いのに多くの人が慌ただしく動き回っている、襲撃に備えて忙しいのだろう。
さてユハはどこにいるのか、近くで馬車から荷降ろし作業中の男に聞いてみた。
「すまない、ユハがどこにいるのか知らないだろうか」
男は汗を拭いながら振り向くと中央にある建物を指差した。
「マツダファミリアの連中ならあそこさ」
「ありがとう」
俺は礼を言って男の差した建物へと向かう。




