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魔法遣いローテアウゼンのキセキ  作者: 福山 晃
第四章 決戦! スツーカ砦
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ユハとケルナ⑦

 建物に入ると中には多くの人がいて慌ただしく動き回っていた。その中にユハとその手下たちの姿もあった。俺が歩いていくとユハも気付き手を振った。

「早くから大変だな、ユハ」

 ユハは笑いながら答える。

「準備を怠るようじゃあ戦う前から負けですからなあ、ハッハッハ」

 確かにそうだ、俺は肩をすくめて見せた。

「そうだ、旦那の言っていた槍が出来てますぜ」

 そう言ってユハは手下に「持ってこい」と指示をだす。

 手下の持ってきた槍は質素だが確かに俺の注文通りに見えた。ユハは俺に手渡してくれた。

 握りはやや太めで少し長め、刃はしっかりとしていて先端部がやや太くなっている。

「そこは短剣を加工したものが付いてるんでさ」

 俺があまりにまじまじと刃の部分を見るのでユハが解説をしてくれた。

「なるほど、大量に買い付けた短剣はこう使うのか」

 ユハはにんまりと笑って答える。

「ここの職人は腕もいいが仕事も早い」

「これはいいな、気に入った。ありがたく使わせてもらおう」

 そう言ってユハに返すと刃の部分には皮の袋を被せ肩紐のついた運搬用の袋に槍を入れてからまた俺に返してくれた。

「どうぞ、これで持っていってください」

「そうか、すまんな」

 俺は槍を受け取って建物を出……ては駄目だった、大事な用事を忘れていた。が、しかしなかなか言いだしにくい。言い出しにくいが……俺はそのためにここに来たのだ。

「……その……ところで…………ユハよ」

「なんですか? 旦那」

「うむ、少し話があるのだが……ちょっといいか?」

 ユハの顔が変わった。

「……ケルナのことですか?」

「う……うむ、まあそうだが……」

「そのことならもう話すことは……」

「まっ……待ってくれ、俺にも都合があってな、このまま帰るわけにはいかんのだ」

 俺にしてはなかなか食い下がった方だと思うが……

 ユハは苦い顔で立ちすくんでいる。ここぞとばかりに俺は追い打ちをかける。

「俺の話を聞くだけでいい、なるべく手短にしよう……」

 ユハは俺とは目を合わせず、俯いたままでこう言った。

「ここじゃ何ですんで、ちょっと外に出ましょうか……」

「お、おう……そうだな」

 とりあえずは成功だ。

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