亡霊との戦い
「あのー」
「なにかしら?」
「これはどういう事で?」
ターミナルから少々離れた宙域にいるのは、サジタリウスリーダーとキャットリーダー、そしてたくさんの敵だった。
サジタリウス小隊の面々は、宗美の命令により既にターミナルに帰投している。
その理由は。
「合体の練習よ。スカイシューターが使えなかったらサジタリウスリーダーは3割の力しか出ないわ……あれは何かしら?」
サジタリウスリーダーが指さした方向を見ると、白銀のホムンクルスが遠くからこちらの様子をうかがっていた。
「あれはっ!ハリスメネ⁉」
ハリスメネは大戦時に地球防衛軍に多大な被害を出し、十二部隊の隊長クラスの強者でないと相手にすらならず、白銀の悪夢と呼ばれた存在そのものが恐怖のホムンクルスである。
その見た目は中世のフルプレートメイルの騎士のようで防衛軍には、恐ろしさとともにその美しさも伝わっていた。
最終決戦でターミナルの自爆に敵の主力ごと飲まれて倒されたとされていたが。
「やはりこの敵は決戦時の敵主力か。宗美」
「分かってるわ。あたしは雑魚を蹴散らすからゲイルはハリスメネを見ていて。なにか不審な動きがあったらすぐに報告」
「りょーかい」
エンジンから光の輪を残して敵に向かっていくサジタリウスリーダーを視界の端で見送りながら敵の分析を始めた。
「キャンサーかカプリコーンが居ればもっと分かるんだけどなー」
敵の分析が得意な2機に比べるとキャットリーダーでわかることは微々たる情報だった。
データベースから参照するとやはりハリスメネ本人(本機?)であり、武装も当時のままである。
「確かハリスメネって1機で旅団を2つ壊滅させたって教科書に書いてたよな。うー、頼むから動かないでくれよ」
今は何を考えているのか分からないが何故か戦闘に参加せず傍観しているのみで不気味さを漂わせているが、ゲイルはそのまま不気味なだけで終わってほしいと願った。
しかし、そんなゲイルの心の声が聞こえたのか、ハリスメネはゲイルの乗るキャットリーダーめがけて突撃してきた。
宗美はまだ、敵の中。
「くそっ、なんとか持ってくれよ相棒」
ゲイルは覚悟を決めて機体の腰にある超振動ブレードを抜いた。




