はしゃいだ結果
『っと、私の子孫へ。貴方にはこれから長くつらい戦いが待っています。いつ挫けてしまってもおかしくない戦いです。でもきっと隊長を信じて頼ればなんとかなります。私がそうですから』
少し笑みを浮かべながら話す初代キャット。その表情には、サジタリウスへの信頼以上の何かがあった。
『私は無理でしたけど、きっと貴方ならあの人の子孫に選ばれることを私は祈ってます。どうかあなたたちが挫けることなく前を向いて歩けることを』
そうして先祖からのメッセージは終わった。
これを見ればキャットはサジタリウスに恋心を抱いてたのは一目瞭然だ。
そしてその恋の行方も。
「ご先祖様……俺と隊長は男同士です」
たとえ宗美がオネエでもゲイルにそっちの気は無かった。
子孫が同性だと思いこんでしまう辺り初代キャットのおっちょこちょいな性格が手に取るようにわかった。
フーっと息を吐いてシートにもたれかかるゲイル。今から命のやり取りをするはずなのに毒気を抜かれた。
「準備はできたか?」
「ああ、ゲイル・北原、キャットリーダー。出撃する」
エンジンをフルスロットルにしてゲイルは敵へと駆け出した。
◇◆◇
「くっ、こいつら数ばっかり」
敵ホムンクルスを迎撃する為、出撃したゲイルは様々な武装を使って、百機以上いた敵を残り3分の1にまで減らしていたが、動きを読まれてついに囲まれてしまった。
「どこかに逃げ道は……あった!」
敵の包囲網で罠のない穴を探していたゲイルは、それを見つけその周囲に残りの背部マイクロミサイルを撃ち込んだ。
「逃げられたはいいけど、くそっエネルギーゲージがもう……」
出撃の際、はしゃいでフルスロットルにしたのがまずかった。
そもそもリニアカタパルトなのだからバーニアをふかす必要はなかった。
「ここまでか……」
そうつぶやくゲイルへ敵のミサイルが迫り、それが当たる直前、一機のホムンクルスが割り込んでキャットリーダーの盾となった。
そのホムンクルスは牡羊のホムンクルス。アリエスリーダーだ。
「一人でカッコつけてんじゃないわよ!」
「セフィーラ。勝負はどうなったんだ?」
「……こっちの惨敗よ!ほら」
アリエスリーダーが指さしたのはサジタリウスリーダー含む各隊長機が敵機を殲滅してるところだった。
「みんな一緒か。てことは和解か?」
「ま、あんな実力差見せられたら認めるしかないわよね。それと、鞄の件だけど」
「敵機殲滅を確認。キャットリーダー、帰投する」
「あっ!待ちなさーい!」
帰還後、第二回バカの反省会があったのは言うまでもなかった。




