24話 変化(3)
兄貴の変わり果てた姿に驚きつつも、とりあえず、身なりを整えさせて、家に上げて話を聞いた。
兄貴は家から出ていった後、しばらくは仕事が無く、バイトなどをして、その日暮らしの生活を送っていたようだ。
しかし一年ほどすると、兄貴には仕事が殺到した。
短期で、研究を手伝いをしていたらしい。
しばらくすると、軌道に乗り自分の研究室も持つようになっていた。
二十代前半で自分の研究室が持てる魔術師など、ほとんどいない。やはり、兄貴の才能は確かだった。
二六歳で兄貴は父親になった。
男の子だった。名前は紀彦。
しかし、その十年後、ほんの些細な仕事のトラブルで、兄貴は恨みを買ってしまった。
でも、それ自体は魔術界で珍しいことではない。
問題はその相手が俺たちの実の父親の義子だったこと。
父は俺たち兄弟がいなくなると、すぐに養子を迎えていた。
言うことを聞かない子どもはいらない、ということだろう。
しかし、その養子は必死に父のお気に入りになろうとした。
とんでもない話だが、そいつは養父の為、兄貴の妻子を殺そうと考えてた。
あえて兄貴に仕事を持ちかけ、わざとトラブルを起こし、それを怨恨の理由にして、義父の大嫌いであろう兄貴の奥さんと息子の命を奪った。
兄貴は魔術裁判で訴えたが、あの父は忌々しいことに、それなりの権力を持っている。
当然のように裁判所にも手が回っていた。
魔術界において三権分立などはない。
兄貴は裁判で負けた。
それどころか、名誉毀損罪で逆に訴えられ、敗北。
研究室を没収された。
自分の家族、研究室を失った兄貴は、ほうほうの体で俺の家まで来た。
俺は怒った。
有り得ない。
人の命を、人に気に入られるために奪うなど、あってはならない。
その後、兄貴はしばらくは俺の家にいたが、あるとき思い立ちメモ書きだけを残して去って行った。
「俺は魔術界に復讐する」
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
過去編パート4です。
(前回言い忘れた)
次話は過去編ラストです!
頑張ります!




