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23話 変化(2)

 その後、兄貴は家を出ていった。


 その頃からだ。俺と兄貴は母の姓である「弓木」を名乗りはじめたのは。


 母はある日、買い物に出かけたきり、帰ってこなくなった。


 兄貴は大学を卒業したことになっていたが、研究室には残っていなかった。


 かく言う俺も、大学からは一人暮らしを始めた。


 大学の条件は、家から相当の距離があるところが条件だった。


 母も兄貴もいない、あの家に価値などなかった。


 仕送りは一切もらわず、バイト、大学の研究室の手伝いなどで、お金を稼いだ。


 寝る時間も削って魔術の勉強とバイトに明け暮れたが、なぜかしんどくなかった。


 何が何でも、あの家に帰る訳にはいかない。


 絶対に帰りたくない。


 その気持ちが俺の芯だった。


 俺を支えていた。


 そして、何事もなく、卒業した。


 成績自体は悪くなかったし、素行もそこまで悪くなかったから俺は黒霧家の研究室に入れた。


 研究室では下積みから始まり、少しずつだが、自分の研究をできるようになっていた。

 

 そして、同じ研究室の女性と結婚した。


 その人と二八歳のとき、娘が生まれた。そこに座っている子だよ。


 しかし、三三歳のとき、娘が五歳のとき兄貴に再会した。


 俺のいる研究室にいるときに訪ねてきたんだ。


 兄貴が家から出ていったあの日以来だった。


 兄貴の容貌は一変していた。


 健康的だった肌は見た目でもボロボロしている。


 きちんとキメていた髪も、ボサボサになっていた。


 ただ、目の鋭さだけが、ある頃と変わらなかった。


 兄貴はとことん、魔術界を憎んでいた。


 最後まで読んでくださりありがとうございます。

 今回は短めです。

(次回も短くなる予定)


 次話も頑張ります!

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