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ヒーローアフターヒール(リメイク連載中)  作者: 手頃羊
8話:過ぎた技術に利はあるか
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その1・The interesting case

[クロノ]

キキョウ「また事件か。」

リースに戻るなりキキョウに呆れられる。

クロノ「諦めろ。」

どこか行く度何かしら事件が起きるのだから仕方ない。

リンコ「それでもちゃんと解決してくるんですからすごいですよね。」

ジュリ「どうせ力技ですよ。」

間違ってないから言い返せない。

キキョウ「それで、この少女…ルカ、か。この娘の片腕はどうにかならんのか?」

森の中に設置された罠のせいで片腕を失くしてしまった魔女、ルカ。

不便な生活ではあるが、これからは片腕無しで生きていかなくてはならない。

ジュリ「あの人は?マキノさん。あの人なら何とかできるんじゃ?」

クロノ「そうだな。明日にでも聞きに行ってみよう。」

サクラ「私たちが支えてあげなければいけませんね。」

ルカ「ありがとう…ございます…」

深々とお礼をする。

キキョウ「しかし、けったいな村もあったものじゃ。」

話が村のことに移る。

クロノ「あんた、あの村のこと何か知らなかったのかよ。」

キキョウ「全く知らなかった。すまんな、あのような危険な村に部下を向かわせたくなくてな…」

クロノ「そりゃまぁ仕方ないがな…。」

部下の安全を第一に思うキキョウのことだ。

仕方ない。

マリア「村1つ滅びるなんて…余程神様の怒りでも買ったんでしょうね。」

僧侶というには賭け事という俗な遊びに浸りまくっているマリアの『神様』というセリフにみんな驚く。

マリア「何…どうしたんですか?」

クロノ「お前から神様なんて言葉が出るとは思わなかった。」

マリア「いや、私は真面目なシスターですよ?ちょっと賭け事が好きってだけで、信仰心は一切失ってないですよ?」

ジュリ「マリアの宗教ってレジネでしょ?」

レジネとは、この世界に多数存在する宗教の1つで、人と人との繋がり、隣人への愛、永遠の幸福をスローガンに人々へ救いの手を差し伸べる宗教である。

キキョウ「繋がりは広そうじゃな。」

サクラ「裏の方に。」

マリア「で、何の話でしたっけ。」

強引に話を戻す。

クロノ「村が滅んだ話だ。」

レオリー「あれは他の村でも起きるような現象なんでしょうか…」

キキョウ「ワシらは見てないから分からんな。どうじゃ、ルカ?人の魔力のように感じたか?」

ルカ「ううん…お母さんの魔力とかだったら分かるんだけど…」

ルカは魔法使いとしては優秀だが、経験が浅く幼い。

母かどうかは血のつながりか何かで分かるらしいが、母以外の存在の物か自然的な物かまでは分からないらしい。

まぁ、余程の実力を持った魔法使いでもないと、人間の物か自然的な魔力かは判断できないものだから分からないのは当たり前である。

キキョウ「ふむ…母親か。虫を扱う魔女…ラグネか?」

ルカ「…うん?知ってるの?」

クロノ「ラグネって?」

キキョウ「この子の母親の名じゃ。かなり昔に知り合ってな。たまに飲むくらいには仲が良かったが、ある日急に姿を消して行方知れずになった。まさか、子供を作っておったとは…」

まさかの出会いである。

ルカ「お母さんの知り合い…」

キキョウ「そう固くならずとも、ワシとお主は仲間じゃ。何でも言うがよい。」

ルカ「じゃあ1つだけいい?」

キキョウ「なんじゃ?」

キキョウの尻尾を指差して言う。

ルカ「そのモフモフ…触りたい。」

かわいい。

レオリー「ところで…僕の正体については…触れないんですか?」

キキョウ「何となく予想はついとったからの。お主の正体がレオじゃったところで、ワシらは何も困らんし?」

クロノ「こいつら基本的に精神図太いから。」

サクラ「1番太い人がよく言いますわ。」



深夜。

全員が寝静まった頃、目が覚めてしまった。

(なんなんだ…)

人を数十人殺した程度で眠れなくなるなんてことは今までなかった。

そう感じること自体はおかしいはずだが、今の自分には分からない。

リミはずっと起きている。

リミも首を傾げている。

(幽霊は寝なくていいのか…)

自分の部屋を出て一階に下りる。

クロノ「あら?」

キキョウも起きていて、1人で酒を飲んでいた。

キキョウ「クロノか。」

クロノ「何やってんのよこんな時間に。」

キキョウ「いやな…今回の事件で、過去の歴史も重要な情報になるということを思い知った。全く、情報屋のくせにそんなことも忘れていた。情報屋となってからずっと、今起きていることばかり集めておった。おかげで世界中の情報が集まるが、現在のことしか分からん。ルカのことも、もし過去を知っていたなら、もっと良い解決法もあったじゃろうに…そう思っていくとだんだん落ち込んできての。酒で何とか紛らわせたかった。しかしなんだ、一向に落ち込んでくるばかりで気が滅入る。」

酒瓶は2本目に突入している。

クロノ「どんだけ飲んでんのよ…」

キキョウ「飲みたくなるのだから仕方あるまいて。」

クロノ「そういうもんか。」

キッチンの棚からジョッキを取ってきてテーブルの反対側、キキョウと向かい合うように座る。

クロノ「俺にもちょーだい。」

キキョウ「お主は寝なくてよいのか?」

クロノ「目が覚めた。」

ジョッキに酒を注ぐ。

キキョウ「ふふっ…今回の事件のせいか?」

クロノ「さぁ?」

一口飲む。

クロノ「うん、おいしい。」

キキョウ「安物の酒じゃぞ?」

クロノ「俺は庶民の舌だからな。」

キキョウ「そうだ、一個お主に聞きたいことがあったんじゃった。」

クロノ「聞きたいこと?」

キキョウがコップに入っていた酒をグイッと飲み干してから、新たに注ぐ。

キキョウ「村を消したのはお主じゃろう?どうせ。」

クロノ「おいおいおい。何を根拠にそんなこと言うんだ?」

キキョウ「村長に怒ってたのはルカだけじゃない。レオもお主もそうじゃろう?特に、お主はそういう類の怒りはまず行動に移すタイプじゃ。」

クロノ「そうとは限らねぇじゃんよ。」

キキョウ「じゃあ奴らを生かしておこうという気持ちはあったか?」

クロノ「ないな。1%もねぇわ。」

キキョウ「じゃろう?」

クロノ「俺ってそんなに分かりやすい?」

キキョウ「お主ほど分かりやすいのもおらん。」

クロノ「あ〜あ、恥ずかしいわ〜。」

ジョッキの酒を飲み干す。

キキョウ「はぁ〜…」

クロノ「どったの?」

キキョウ「さっきのことじゃ…過去の歴史に気をつかいさえしていれば…」

クロノ「くよくよ悔やんでも仕方ねぇさ。次から変えていきゃいい。」

キキョウ「次から…か。」

クロノ「そうだ!過去の歴史を情報にする練習ってことでさ、1個お願い聞いてくんない?」

キキョウ「わざわざお願いと言われずとも引き受けるが、なんじゃ?」

クロノ「リミの死因、あるいは霊体化した理由。これを調べてくんないかな?」

キキョウ「…ほう。」

クロノ「いったいリミの身に何が起きたのか。リミの過去がちょっと気になってきたのさ。もう半年以上も一緒だからな。」

キキョウ「なかなか面白い話だな。」

クロノ「だろ?」

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