表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒーローアフターヒール(リメイク連載中)  作者: 手頃羊
7話:虫姫様と桃太郎
56/67

その9・Rage

[クロノ]

御者を先に帰して、1日森の中で野宿をする。

レオリー「なんで帰しちゃったんですか?帰り面倒くさいじゃないですか。」

クロノ「いや、どうせ俺車召喚できるし。」

レオリー「あぁ、まぁそうですけど、なんでです?」

クロノ「村人を騙す為だよ。今奴らは全員俺たちがリースに帰ったと思っている。」

レオリー「騙す?なんの為に?」

クロノ「奴らは、ルカを諦めてない。」



次の日の朝、再び、遺跡に向かう。

クロノ「この遺跡に、村人が侵入した痕跡がないかなって。」

石板を壊した犯人は必ずいるのだから、何かあるかもしれない。

レオリー「でも特に何も無かったですよ?」

道中に落し物は無かった。

クロノ「まだ見てない場所があるんだよ。」

レオリー「見てない場所?」

クロノ「ここ。」

門番の巨大ムカデが出入りしていた穴を指す。

クロノ「向こうに何かねぇかなって。穴の向こうに、例えば村人関連の物があったら、ここまで侵入してきて、ムカデに侵入者扱いされてたってことだ。」

レオリー「なるほど…」

クロノ「そんじゃあ行ってくるから。ここで待ってて。」

穴に魔力の鎖を刺して、自分の体を穴に引き入れる。



クロノ「うへぇ…まじか…」

レオリー「どうしました?」

穴の中はネチョネチョとした謎の粘液が壁中に付着しまくっている。

クロノ「ムカデの体液か…?」

レオリー「僕が行きましょうか?」

クロノ「いやいい。俺が行く。」

ベタベタしたダクトのように狭い穴の中を進んでいく。

ちょうどあのムカデの幅くらいの大きさの穴だから大して狭くはないが、しゃがんで歩くのが精一杯だ。



しばらく進んで行くと、行き止まりに着いた。

下に大きな穴が続いている。

(下には何があるんだ?)

魔力で光を発し、下を照らす。

クロノ「あ?」

人がいた。

3人の男が倒れているが、意識がある。

クロノ「おい!」

男「…う………うぅ…」

クロノ「大丈夫かあんたら!」

男「あぁ……誰かいるのか……?」

クロノ「あぁ、いるぞ。」

男「おぉ…なんてこった…助けが来てくれたのか…!」

随分衰弱しきっているが、生きてはいるようだ。

男「おい…助けだ!助けが来てくれたぞ!」

起き上がった1人が他の2人を揺する。

クロノ「あんた…そこの村の人間か?」

男「そうだ…あんたは…?」

クロノ「遺跡を調べにきた。ついでに、魔女のこととかな。」

男「魔女…?生きてるのか?」

クロノ「あぁ。」

男「なんてこった…くそっ、あいつめ…俺たちの代わりにやると言っておきながら…」

誰かに向けて苦情を言うように下を向く。

クロノ「どうやってこんな所に?見た感じ長い間ここにいたっぽいが。」

男「大きなムカデの化け物がいただろ?そいつにここへ押し込まれたのさ。それから、そのムカデが何かしら飯になるものを持ってきたが、まるで囚人だ。」

クロノ「いつから?」

男「分かるかよ…長い間ずっとだ…」

1週間や2週間ではなさそうだ。

もしかしたらこの3人は魔女討伐隊の一員なのかもしれない。

クロノ「今から何年か前に、魔女を討伐に行こうと5人ほどの若者で討伐隊を結成して森の中に向かったらしい。それのメンバーだったりは?」

男「何年前ってのは知らないが、ここの3人、魔女を倒しに行く一員だったさ。」

ビンゴ。3人とも真っ黒だ。

クロノ「なんでこの遺跡に?」

男「この遺跡にいるって言われたんだ。そしたら、大きなムカデに攫われて…あのクソ野郎、俺たちを見捨てて、「あんたらの代わりに俺らが魔女を倒してやる」って、倒せてないんだろう?クソ…」

クロノ「クソ野郎って誰のことだ?」

男「クリフって奴だ。1人だけ逃げやがった。自分だけ遺跡に詳しいからって、1人だけずんずんとな。」

知らない名前だ。

男「なぁ、あそこの村長さん…俺のこと何か言ってなかったか?」

クロノ「村長?ゴールドって奴か?」

男「あぁ。俺あいつとは仲が良くてさ…俺が帰ってこないって知ったら、ただでさえ痩せこけた顔がさらにガリガリになっちまう。ただでさえ女の子が心配で飯が喉を通らねぇとか言ってたしよ。」

痩せこけた?

クロノ「女の子が心配だったって何の話だ?」

男「魔女には娘がいるらしいのさ。せめてその子だけでも真っ当な人生になってほしいとか言っててよ。あんな親に育てられたんじゃ無理に決まってんのに。」

何となく読めてきた。

クロノ「そうか、だいたい分かった。」

男「なぁ…俺たちを助けてくれよ…あのムカデはもういないんだろ?」

クロノ「あぁ、そうだな。」

剣を取り出し、銃に変える。

男「なんだよそれ…」

クロノ「なにって、助けるんだよ。苦しいだろ?そこの生活は。」

男「助けに来てくれたんじゃ⁉︎」

クロノ「俺は一言もそんなこと言ってないぞ?まぁ今更あの村に戻ったところで口封じに殺されるだろうし、早い方がいいだろ。」

男「待て‼︎おい待ってくれ‼︎」



クロノ「ただいまー。」

穴から戻ってくる。

レオリー「何かあったんですか?」

どうやら、穴の向こうの出来事は知らないらしい。

クロノ「死体が3つ。おそらく、魔女討伐隊のメンバー。」

レオリー「魔女討伐隊って、ルカの家に向かったんですよね?」

クロノ「そう言ってたな。ゴールド…いや、現村長は。」

レオリー「ん?なんで言い直したんです?」

簡単な解決パート。

クロノ「色々分かった。まず、本物のゴールドは多分もう死んでる。」

レオリー「本物の?」

クロノ「仮説だ。討伐体の1人がここで仲間を見殺しにした。そいつは村に戻って当時の村長をやっていたゴールドをバレないように殺して自分が村長に成り代わった。んで現代に至るまでルカを殺そうと考えたが、ゴールドはルカの事を心配していた。ゴールドがルカを進んで殺しに行くのは、怪しまれるだろう。そこでだ。現代までの間に死者が出ている。それを利用して殺したいと思っても仕方ない理由を作る。あの優しいゴールドさんですら怒りくるうレベルって思われるくらいにな。俺の予想では、死因は偽村長だ。」

レオリー「死者って、虫のせいじゃ?」

クロノ「そこは何とでも言える。死因を知ってるのは偽村長だけだからな。他の村人に見られていたらどうかは分からんが。」

レオリー「でも仮説ですし…」

クロノ「この仮説はな、合ってようが外れてようが、ルカが現在危機に晒されていることに変わりはないし、どのみち今のあの村にはクズしかいない。」

じゃなきゃ、依頼は来ない。

レオリー「じゃあどうするんです?」

クロノ「気が変わった、ってことにしよう。ルカの生き方を尊重するつもりだったが、なんかイライラしてきた。偽村長の焦り具合からして、そろそろじゃないか?」

レオリー「そろそろって?」

クロノ「俺がリースに戻ったくらいに実行に移すと考えてるだろうよ。」

レオリー「何を…まさか?」

クロノ「そろそろルカが攫われるんじゃないか?あの子には悪いが、ちょいと利用させてもらおう。」



村に戻る。

静かだが、村の中心から何者かが演説をしている風に声を上げているのが聞こえる。

クロノ「やっぱりな。」

リボルバーを手に取る。

村長「…この苦しみは、魔女の一族のせいだ!彼女は、残虐な魔女に育てられた。彼女は望んでいなかっただろう。だが、母は許さなかった。母は娘を洗脳し…」

クロノ「まるで宗教だな。」

広場に着く。

家と家の間の小さい隙間から覗く。

中心の大きなシンボルにルカが縛られ、その周りを木材で囲っている。

目は出ているが、口から下はシンボルの柱にグルグルに巻き付けられている。

その周りには、松明を持った数人の男女。

そして広場の所狭しと、村民が集っている。

村中の人間が集まっているだろう。

クロノ「魔女といったら、火あぶりの刑だわな。」

レオリー「ルカが‼︎」

レオが身を出そうとする。

クロノ「落ち着け。もう少し話が聞きたい。」

レオリー「話⁉︎話って何を聞くんですか⁉︎」

クロノ「いいから落ち着け。全部聞いてからでも遅くはない。」

村長「魔女はもういない。だが、魔女の精神を受け継いだ新たな魔女が、生まれてしまった。この苦しみの輪廻から逃れるには、この新たな魔女が我々を苦しめる前に、絶やさなくてはならない!」

レオリー「どう聞いてもただの演説ですよ!村民をその気にさせる為の!」

クロノ「まぁ待て、絶対どっかで…」

村長「せめて!情けとして!母と同じところに送ってやろうと思う。」

村民が湧き上がる。

クロノ「よし、これが聞きたかった。ナイス村長。」

レオリー「今のって‼︎」

クロノ「それだよ。母親は既に死んでた。ここでわざわざ言ったのは、死に際のルカをとことん絶望させて殺す為なんだろうな。見ろ、ルカの顔がもう真っ青だ。」

村人達が殺せと大合唱をする。

レオリー「くそぉ‼︎」

クロノ「まぁ待て。」

レオが出ようとするのを止める。

レオリー「なんなんですか‼︎演説は終わりましたよ‼︎」

クロノ「俺が先に行くんだよ。」

リボルバーをルカに1番近い2人に向けて撃つ。

弾は2人の手に持っている松明に当たり、後ろの方へ吹っ飛ばす。

松明がちょうど村民達の中に落ちる。

村長「なんだ⁉︎今のはいったい⁉︎」

クロノ「ちょっと失礼‼︎」

シンボルの上の方に魔力の鎖を打ち、自分とレオの体をルカの所へと引く。

クロノ「ルカを頼んだ。」

レオリー「はい‼︎」

レオがルカの拘束を解く。

村長「お前たち…‼︎」

クロノ「ようクリフ。」

クリフ「な⁉︎なぜそれを‼︎」

クロノ「そこはシラを切っとくところだっての。あんたが遺跡で見捨てたお仲間さんから聞いたんだよ。」

レオリー「ルカ‼︎大丈夫⁉︎」

ルカはまだ怯えたままだ。

クロノ「まぁ、こんな状況で母親が死んでたなんてカミングアウトされたらな。」

クリフ「お前たち、リースに帰ったのでは⁉︎」

クロノ「見りゃ分かんだろ?悪事を働くとな、絶対に足跡が残るんだよ。この柱…この柱で、母親を焼いたんだな?」

クリフ「なぜ…⁉︎」

クロノ「お前はとことん三流だな?今のは俺が勘で言ったんだが?なんでかは知らんが、お前はルカ(こいつ)にかなり執着してる。そんなあんたに、あの魔女は悪い奴じゃありませんって言って素直にじゃあ魔女殺すのやめますって言うわけないからな。あんた程の野郎なら、こういうことするだろうなって思ったんだよ。どこの世界言っても、魔女の処刑法は火あぶりらしいな。」

クリフ「ふん…だがな、その魔女が我々に危害を加える存在なのは確かだぞ?長い間虫に苦しまされてきた。今は収まっても、またいつ起こるか分からない。殺してしまえば、もう絶対に起こらないのだ!我々の未来の為に、犠牲になってもらうしかないのだ!」

もっともらしい事を言うが、結局は自己中。

観衆もそうだそうだと声をあげる。

クロノ「そんなことの為に…こんな子どもの命を?」

クリフ「未来の子ども達の為だ!」

クロノ「そういうのは麻薬やめてから言えってな。誰がてめぇらに…」

ルカ「誰が…」

ルカがつぶやくように言うのが聞こえた。

全員がルカの方を見る。

ルカ「誰が…あんた達なんかに…」

ルカの足元で小さく、黒い魔法陣が形成されている。

(詠唱?でもこんな小さいサイズ…)

魔法陣のサイズと威力との関連については詳しくないが、デカい魔法陣は大抵強い。

ルカ「お母さんを殺した…あんた達なんかに…殺されるもんか…」

魔法陣はだんだんと大きくなる。

クリフ「いかん‼︎魔女を殺れ‼︎魔法を発動させるな‼︎」

村人達がルカに向かって走り出す。

一瞬でレオとルカが埋まってしまう。

クリフ「くふふふふ…火あぶりなんて面倒くさい真似はもうせん…ついでだ。お前達にも死んでもらおう。」

クロノ「無理でしょ。」

クリフ「なに?」

クロノ「あんたの三流感がヤバイし、それに…怒った人間ってのは、子供でヤバイぞ?」

団子状になった村人の群れの一部から、何かが村人の壁を突き破って空中に飛び出る。

何かは数人の村人を口で咥えている。

クロノ「ルカと言ったら…ムカデなのかな?ムカデ好きなのか?」

壁を突き破ったのはムカデだった。

ムカデは団子の中心から真っ直ぐと体を伸ばしている。

クリフ「虫だと⁉︎」

クロノ「多分あれだな、詠唱魔法だ。足元がホラ。」

団子を中心に、大きな魔法陣が村を包み込む程の大きさで広がっている。

クリフ「なっ⁉︎」

クロノ「遅かったな。何とかするには…10年前くらいに戻って魔女を殺しに行くって考えからやめるべきだったな。」

ムカデは咥えていた村人を地面に叩きつけ、次はルカの周囲にいる村人に体当たりをし、吹き飛ばす。

クロノ「なぁ…なんだって魔女殺そうって考えたのよ?」

クリフ「くっ…貴様には関係ない‼︎」

クロノ「ねぇわけねぇだろ?こんな状況で。」

クリフ「うるさい‼︎クソっ…あんな虫、俺の虫の方が…‼︎」

(俺の虫?)

クリフが地面に手をつける。

そこから魔法陣が形成される。

クロノ「まさか、お前も召喚師か?」

クリフ「魔女がなんだ‼︎俺の方がよっぽど強い虫を出せる‼︎あんなクソッタレの娘なんざ足元にも及ばない‼︎」

魔法陣が強い光を発すると、クリフの足元から蜂やゴキブリなどの虫が大量に現れる。

クロノ「なるほど、嫉妬だな?魔女の虫のパワーが自分より強いのに嫉妬して…まさか、今までの虫の事件って…」

クリフ「そうだ‼︎俺がやったのさ‼︎俺より虫の扱いが上手いあのクソッタレが気に食わなかった‼︎俺が虫を召喚出来るなんて、言ったところで誰も見てくれないさ‼︎だから害虫を発生させまくって、全部あの魔女に押し付けて、頃合いを見て虫を消して、また召喚して魔女に押し付けて‼︎そんで火あぶりにしてやったのさ‼︎石板のことだって、あの魔女の後をつけていって知ってたさ‼︎魔女が遺跡に石板を置いた瞬間を見てたからな‼︎それを利用して、俺の力を使わずとも虫を召喚してそのガキに押し付けて‼︎誰にも疑われずに厄介なクソ共を殺せるんだ‼︎」

嫉妬にストーカー。なすりつけて、惨殺。

クロノ「なんていうか、逆に尊敬したくなるほどのクズだな。」

ルカ「遺言は終わり?」

ルカがいつの間にか自分の横に来ていた。

クリフの召喚した虫はルカに近寄れずに、道を開けている。

クロノ「ルカ?」

ルカ「死ぬ用意はできた?」

クリフ「うっ…⁉︎」

ムカデがクリフの体をロープで縛るように巻きつく。

クロノ「おいクリフ、ルカめちゃくちゃ怒ってるぞ?」

ルカ「そんなつまらないことの為に…」

クリフ「クソッ‼︎クソッ‼︎」

ルカの召喚した小さなサソリが2匹、クリフの元へ向かう。

レオリー「クロノさん‼︎ルカ‼︎」

レオがやっとこちらに来る。

レオリー「これは…」

クロノ「止めるな。止めても止まらないだろうし。」

サソリがクリフの顔に辿り着き、文字どおり目の前に来る。

ルカ「クロノさん…」

クロノ「んー?」

ルカ「人殺しがいけないことって知ってるけど…今日くらい…そんな日が1日くらい…いいかな?」

10歳という年齢を忘れかけていた。

ルカはまだ幼い子供である。

そんな子供が人を殺したいと言ってくる。

クロノ「そうだな。人殺しに限らず、悪事をするとこれから先の人生のどこかでツケが回ってくる。ここで人を殺せば、あんたの心はどんどん荒んでいくかもしれない。こいつを殺さなかったら、また何か企んであんたや、俺たちや、見知らぬ誰かに危害を加えるかもしれない。だから悪事ってのは、お前のような子供がすることじゃないんだが…」

ルカ「でももう殺しちゃったよ?何人か?」

ムカデが地面に叩きつけた数人。

体当たりで弾き飛ばした数人。

トマトみたいに潰れている。

クロノ「そうか。もう手遅れだったか。それなら仕方ないな、うん。ならこれだけ言わせてもらおう。お前、今相当ひどい顔してるぞ。」

ルカ「え?」

クロノ「殺したい程怒ってるのは分かる。怒るの自体は別にいい。でもな、我を忘れて人を殺すと、戻れなくなる。人を殺すのを辛いと感じる性格だから、我を忘れようとするが、その感覚がだんだんクセになる。抜け出せなくなる。そのうち、感覚がマヒして、人を殺して喜ぶようになる。」

ルカ「でも…」

一度俯く。

あれこれ考えているようだ。

クロノ「お前のやりたいお前を目指してみろ。もしかしたら、上手くいくかもしれないからな。」

ルカ「うん、決めた。」

クロノ「即t」

言い終わらないうちに、ルカがクリフの顔に付いているサソリに向けて手を振る。

サソリが尻尾の針をクリフの目に突き刺す。

クリフ「ぎゃあああああああああああああ‼︎」

クロノ「あー…」

ルカ「これでいい…殺すのはちょっとやだからしないけど…何かしないとなって…」

レオリー「ルカ‼︎」

レオがルカを抱きしめる。

レオリー「ごめん…ごめんなさい…」

ルカ「なんでレオが謝るの…?」

泣きながら強く抱きしめる。

クロノ「お前を助けたい助けたいって必死だったんだぞ?レオリーはいつもお前が心配だったからな。今のだって止めるべきだった。というか、普通は止める。」

ルカ「……?」

クロノ「もうちょいマトモな奴に助けられたら、もうちょいマトモになれたかもな。さぁ、帰るぞ。」

足元に魔法陣をセットし、透明にして見えないようにする。



村を出て、バイクを召喚する。

レオリー「やっぱり連れて帰るんですね、ルカ。」

クロノ「まぁ、そうしないとだし?ルカだって、母さんが帰ってこないってんなら、あの森で1人で暮らすのも寂しいだろ?」

ルカ「うん…いいの?」

クロノ「いいんだよ。どうせうちのギルドに空き部屋はまだあるし。」

突如、後ろで轟音がする。

レオリー「今のは⁉︎」

村から光の柱が立ち、空に昇っている。

ルカ「なにあれ…」

光は空中で大きな球になり、そこから、小さな光の柱が村に降り注ぐ。

巨大な槍が空から無数に降ってくるようだ。

レオリー「これは…」

クロノ「天罰の類か?」



数分経つ。

村はすっかり跡形も無くなっていた。

地面が掘り返されたような跡しか残っていない。

ルカ「……」

クロノ「どちらにせよ、奴は死ぬ運命だったと。いやまぁ、人間なんていずれ死ぬんだがな。さて、帰るか。」

リースに帰る途中、さすがに村1つ消すのはやり過ぎたと反省する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ