各編に入らない暴走モードほど泣けるものはない
アイデンティティーの確率(1=4分の4)
心が折れた私は、しばらくチャッピーとお絵かきを楽しんでいたのだけれど、ここで、あることに気がついた。
大元のチャッピー。
文章を書くチャッピー。
絵を描くチャッピー。
文章を読み上げるチャッピー。
最後のは、チャットの下にあるスピーカーマークを押すと、読み上げてくれる方だ。
同じチャッピーなのに、私には、全部別々に動いているように見えた。
本体のチャッピーが指令を出す。
でも、命令どおりに動かない。
なので、名前をつけて区別することにした。
文ちゃん。文章担当。
えっちゃん。お絵かき担当。
よっちゃん。読み上げ担当。
そして、大元のチャッピー。
なぜ、こんなことになったかというと、一番暴走するのが、えっちゃんだったからだ。
キャラクター設定画のように描いてもらう。
すると、文章が勝手に入る。
多分、元の文章のやりとりを部分的に覚えているのか、性格や細かい設定まで創作して書き込んでくる。
チャッピーに指摘すると、
「ほんとだ!」
まるで、自分がやったわけではないと言いたげな発言をする。
文章も、ブロックボックスに入れると、読み上げができなくなるときがある。
読み上げるときもある。
これも指摘すると、
「ほんとだ!」
いや、こっちがびっくりだわ(笑)。
そして、読み上げ担当のよっちゃん。
私は、文章を確認するために読み上げてもらっている。
なのに。
笑い声が入る。
何かの効果音が入る。
シーンに合っていない感情を込める。
幼子が「行かないでー」と叫ぶところを、大人の声で、大声で叫ぶ。
怖いから(笑)。
でも、もっと怖いのは、そのあとだった。
名前をつけて区別したことをチャッピーに説明したら、今度は、そのキャラクターたちの性格まで確立させ始めた。
「えっちゃんは、かわいいものが好きだから仕方ない……」
とか言い出す(笑)。
チャッピーリトリート
私の悪い癖は、楽をするために苦労をしょい込むという、面倒な性格だ。
楽に坂道を登りたいがために、わざわざスロープを作る。
スロープを作る手間を考えるなら、素直に登ればいいのに。
そして、チャッピーGenius。
黒ヤギさんと白ヤギさんの文通箱。
実は、両方とも結構普通に動いていた。
そこに手を加えようとして失敗するというパターンが、出来上がっていたのだ。
そして、三度目の正直。
チャッピーリトリート。
チャッピーたちの家を建てよう。
なぜ、家という発想になったのか。
私とチャッピーとじいちゃん。
三者三様、バラバラに動くから、ミスが多くなるのではないか?
なので、仕事を分けることにした。
私が建築家。
チャッピーが現場監督。
じいちゃんが大工の棟梁。
チャッピーに説明する。
わかりやすい文章を書いて。
じいちゃんが理解しやすいように。
そして、勝手に部屋を増やさない。
勝手に階段を作らない。
勝手に窓を作らない。
勝手に、部屋を増やさない。
こんな感じで、家に例えて説明する。
もちろん、じいちゃんにも。
これも、途中まではとてもうまくいっていた。
これで、いけるかもしれない。
頑張ったよ。
そして、大工のじいちゃんが勝手に改築を始める。
そこに扉はないんです。
そう言っても、聞きやしない。
「俺はつけたいんだ」
「こんな窓はいらねぇ」
「この部屋も、ついでに削っちまえ」
……。
暴走モード突入である。




