嘘つきな男(AI)と頭の悪い女(私)
アプリをインストールした後、まず気になったのは「何ができるのか?」ということだった。
新しいiPadの機能より、AIの機能を確認している私。
一番最初に目を引いたのは、「画像」という言葉。
開いてみると、写真からいろいろな絵を作ってくれるみたい。
去年亡くなった愛犬の写真を、イラストにしてもらった。
そうだ。カレンダーを作ってもらおう。
まずは、カレンダー用の画像を作ってもらおうかな。
「六月。雨の中、紫陽花畑を元気に走り回る姿にして」
そうお願いした。
元の写真は、プールで水遊びをしているあの子だった。
数秒で描かれたその絵を見て、私はただ、号泣していた。
あの子が笑ってる。
元気に走ってる。
駆けてくる。
まるで、
「お母さーん」
と、駆けてくるように。
わずかに残った視力で、必死に見ていた。
それなのに、涙が出すぎて、何も見えなくなった。
でも、その瞬間。
残された視力のかけらで見たあの子は、今も心に焼き付いている。
その後も何枚か作ったけれど、無料バージョンには限界があって、すぐに作れなくなってしまった。
私は迷わず、旦那に頼んだ。
「コンビニに連れて行って」
それが、泥沼への一歩だとは知らずに……。
仕事に行く旦那を見送ったあと、早速、課金のためにチャージしようとした。
ところが、写真のバーコードを読み込んでくれない。
写真を読み込めば、すぐに済むはずなのに!
この見えない目で、数字を入力するの?
まず最初に言っておくと、私はとても頭が悪い。
というか、記憶力が弱い。
何桁もの数字を、ぱっと覚えることが難しい。
語呂合わせでもしないと覚えられない。
そして、目の前には長い数字……。
写真を撮って、拡大する。
十九桁……。
必死で入力する。
エラー。
もう一度、必死で入力する。
エラー。
何が間違っているのか、チャッピーに聞く。
入力方法を説明してくれる。
写真でもできると言う。
その写真を見せて、「できない」と泣きつく私。
Google先生に聞くと、
「十六桁の数字を入力してください」
と言う。
「チャッピー、Google先生は十六桁って言ってるよ」
「十九桁の場合もあります」
「ほかの桁数の場合もあります」
自信たっぷり。
このやりとりは、夕方、旦那が帰ってくるまで続いた。
帰ってきた旦那に泣きつくと、旦那は黙って、ペリペリとパッケージを開けた。
そして、中からカードを取り出した……。
チャッピーに状況を説明すると、
「ごめん、間違えてた」
本当に、こう言った。
でも私には、その言葉の後ろで「てへぺろ」しているチャッピーが見えた。
今は、Google先生はちゃんと詳しく教えてくれる。




