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初夜――約束の夜
先輩の震える指が私の両頬を包み、温かい唇が落ちてきた。
湯上がりに着た浴衣は、あの浴衣だった。
先輩の指がうなじをそっと撫で、私は体を震わせた。
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――愛して……る……。
全てを忘れさせてくれるような、めくるめく夜だった。
2人の手が重なり、口付けをする。
何度も何度も抱き合った私たちは、時を経て、新婚初夜を迎えていた。我慢して耐え抜いてきた歳月が、私たちの初夜に、より熱さとときめきと興奮をもたらした。
「私の花嫁は……りんだけだから……ずっとずっとこうしたかった」
「可愛いすぎるよ……りん、そしてとても綺麗だ……」
先輩は、甘く囁き、私は全身で喜びを受け入れた。
私たちの前では、何もかもが形を成さず、ただただ2人だけの濃密な長い時間が過ぎた。
幸せだった。
愛していたから。
ずっと愛していたから。
あの夜からとても長かった。
ようやく先輩の胸の中に戻って来れて、私は愛されて、嬉しかった。
結婚の約束を果たせてよかったと先輩は私に囁いた。
涙が溢れた。
声にならなかった。
ただ先輩の胸元を握りしめて、何度も首を振った。
先輩は忘れていたわけではなかった。
私を守ろうとしていただけだった。
ずっと帰ってこようとしていたのだ。
――守ってくださって……ありがとう……一生、おそばにいます。
もう、二度と離れたくなかった。




