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初夜――約束の夜

先輩の震える指が私の両頬を包み、温かい唇が落ちてきた。


湯上がりに着た浴衣は、あの浴衣だった。

先輩の指がうなじをそっと撫で、私は体を震わせた。


****


――愛して……る……。


全てを忘れさせてくれるような、めくるめく夜だった。

2人の手が重なり、口付けをする。


何度も何度も抱き合った私たちは、時を経て、新婚初夜を迎えていた。我慢して耐え抜いてきた歳月が、私たちの初夜に、より熱さとときめきと興奮をもたらした。


「私の花嫁は……りんだけだから……ずっとずっとこうしたかった」


「可愛いすぎるよ……りん、そしてとても綺麗だ……」


先輩は、甘く囁き、私は全身で喜びを受け入れた。


私たちの前では、何もかもが形を成さず、ただただ2人だけの濃密な長い時間が過ぎた。


幸せだった。

愛していたから。

ずっと愛していたから。


あの夜からとても長かった。


ようやく先輩の胸の中に戻って来れて、私は愛されて、嬉しかった。


結婚の約束を果たせてよかったと先輩は私に囁いた。


涙が溢れた。


声にならなかった。


ただ先輩の胸元を握りしめて、何度も首を振った。


先輩は忘れていたわけではなかった。

私を守ろうとしていただけだった。


ずっと帰ってこようとしていたのだ。


――守ってくださって……ありがとう……一生、おそばにいます。


もう、二度と離れたくなかった。


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