四日目 モルディブ④ お魚になった俺
モルディブでの優雅?なホテルライフです。私「一度は行ってみたい!水上ヴィラ一度は泊まってみたい!」と思っていましたので、満足です。でももう充分です。
個人的には同じ料金なら、例えばバリ島の超高級ホテルの方がずっと満足度高いかなと。
朝いちのシュノーケリングはそりゃもう、気持ちいい。
私はまだ顔も洗ってない早朝から、モルディブの海に潜っていた。
まあ何しろ他にやることもない。水上ヴィラだから部屋の周りどころか足元も全部まるっと海だ。そして私たちは「ハーフボード」、節約のために朝食はギリギリ遅くに行くことにしている。時間が余る。
私はその時間のほとんどシュノーケリングで海を漂っていた。3日目には手に水かきが出来ていた。嘘だ。
不思議と早起きになってしまった私は、まだ多少涼しいデッキのハンモックでしばし転がって海を眺め、そのままシュノーケリングのギアを身に着ける。最初の一回だけ転がり落ちたが、慣れた。
冷たくない海にデッキから飛び込む。気持ちいいぞ。うん、これはサイコーだ。
お魚ちゃん、おはようちゃん。僕は日本から来たおっきいトトちゃんだよん。トトちゃんは日本語で「ダディ」のことさ。おおい、何で逃げるんだい。「キモッ」って今聞こえたけど、どういうことだい?
…などとプカプカしつつ変質者のような雰囲気になっている。
ところでプカプカ漂っていると方向感覚が狂ってくる。
「おーい!」
妻の声がするが、無視した。
「おいってば!」
何なんだ、いったい。
「もうっ」という声の後、何かが私の背中にガシッと当たった。
「うわっ!」
妻がデッキから私に向かってビーチサンダルを投げたらしい。
「痛いな。何をするんだ」
妻がデッキから身を乗り出して、こっちに戻ってこいというゼスチャーをしている。
「はっ」
私は思わず周囲を見渡す。
漂っているうちに隣のヴィラの前まで来てしまっていた。これはマナー違反だ。変質者だしな。
お隣さんが目を丸くして私を見ている。さっきまで追いかけてたお魚さんより目が丸い。
すぐにそちらにペコペコと頭を下げ「ソーリーソーリー」などと言いつつ、自分のヴィラまでバチャバチャと泳いだ。いやはや、まいったまいった。
「まいったまいったじゃないわ」
私は妻のビーチサンダルをデッキに投げて戻した。
「ちょっとうっかりしたけど、乱暴だな、君は」
「はあ…」
梯子からデッキによじ登った私を妻が呆れて見ている。
…視線がおかしい。下の方だ。
はっ、まさか。
私はうっかりしていた。マスクもシュノーケルもつけたけど、水着を忘れていたのだった。
さすがに下着はつけていたが、これはただのトランクスだ。ユルユルで下にずれ、ケツが半分以上出ている。変質者には死刑の半ケツだ。よくわからんが。
「どうりでお隣の奥さんが笑っていたわけだ」
「この姿を見られたの?恥ずかしくて顔を合わせられないわ。本当に馬鹿じゃないの」
「そこまで言わなくても」
妻がデッキの一番前に立って手を広げ、顔を心持ち上に向ける。
これは例のあれが始まる前兆だ。絶対そっちの方が迷惑じゃないのか。
「♪よーせぇって! 夫が隣を刺激する ナマ尻 不惑の変質者 出すとこ出して トホホとなったら 近所迷惑に なり懲戒っ!」『HOT LIMIT』
南の島まで来てご近所トラベル…いやトラブルだ。
2025年 10月4日 モルディブ④
さて、すっかり脳みそはスポンジ化し海を眺めて数時間…とかの日を過ごす私だった。モルディブに着いた日はどこか落ち着かなかった。何か遊ばなきゃ、とか高い宿泊費の元をとらなきゃ、とか。
ところが二日目は海に潜っているうちに大概のことはどうでも良くなってきている。
レストランで酸っぱい(中東の?)料理をパクパク食べ、カフェカプチーノとクッキーをもらってビーチサイドの席でボンヤリと1時間過ごす。起きてるのか寝てるのかよくわからないまま、ハッと気が付くと自分のヴィラに戻って付近の海でシュノーケリングをしているのだ。(まあ嘘だけど。そんな気分)
プカプカただ波間に漂っているとクラゲになった気分だ。
飽きるとデッキに這い上がってハンモックに横たわり、またボンヤリ空と海の隙間を眺めていた。
不思議なもので三日目からは何も頭には浮かんでこない。無我の境地、忘我の解脱とはこのことだ。(絶対違うけど)
早朝のシュノーケルとヨガ教室、ブランチからダラダラとプールサイドに居座るティータイム、暑くて戻ったヴィラで交互にする昼寝と読書、真っ赤な夕焼けと満天の星空の下でゆっくり過ぎるディナー…
入浴中に「明日はチェックアウトかあ」と私は初めて我に返り、まだ旅が始まったばかりであることも思い出した。
<Tips⑤>「ホテル選び」
この世界一周計画で最も時間がかかったのはやはりホテル選びでした。本当は空路の行程づくりにももっと時間がかかったはずですが、そちらについてはHISにやってもらっちゃいました。
こちらはいろいろ試行錯誤したのですが、中心はTrip.comとBooking.comを使用しました。Trip~の方は何が良かったかというと今回の旅程が一覧で作成され、時系列でみられるところですね。外部の予約も簡単にインポート出来ます。特にフライトのゲートや時刻変更などが送られてくるところは便利でした。
Booking.comについてはホテルの種類が(特にヨーロッパは)豊富に出てきて重宝しました。特にアパートをたくさん見ることが出来たので、欧米の超高い宿泊費が気になる私たちにはありがたかったです。
*アパートや民泊についてはAirb&bというサイトもあるのですが、こちらは今まで利用したことがなく怖くて今回はパス。
今回のお話のモルディブはもう最初からリゾート価格を覚悟していたので(具体的にいうと低~中程度の価格帯でも一泊10万円前後)それは別として、欧米は想定以上にホテル代が高かったです。
その中でも長めに滞在する予定だったパリとニューヨークは最初からアパートを探しました。
*ちなみにこの時期の中程度(4つ星くらい)のホテルの相場はパリが一泊4万円前後、ニューヨークは何と一泊7~8万円‥泣
ニューヨークはBooking.com、マンハッタンのヘルズキッチンにある「リトルマンハッタン」というアパートに決めました。こちらはチャイナ系の女性数人が(多分)管理人をしている、何だか温かみのある不思議な宿でした。*6泊して26万円くらい(場所と部屋の広さ、シャワー・トイレ付では多分破格の安さと思われ)
パリはBooking.comではなく「パリシェモア」という日本人スタッフが主宰するサイトでオペラ座の近くにあるアパートを予約しました。到着日、担当の日本人女性が現地で待っていてくれました。アパートの使い方の丁寧な説明の後、近所のスーパーなんかもざっと教えてくれたのは本当に助かりました。(オプションで30分ほど実際に近辺の案内をしてくれるサービスもあるみたい)*7泊で16万円くらいだったと記憶しています。(…記録を紛失。すいません)
基本私たち夫婦はビビりなので治安の悪い場所はパス、バストイレが共用のホテルもパス、口コミで評価が悪いホテルはもちろん完全スルーです。そういうことにこだわらなければ、もっと安いホテルは沢山あるとは思われます。
*調べるとパリ市内最安は治安の怪しい19区あたりのホステルで一泊5000円を下回るところもあるようですが、もちろん私は御免被ります。
読んでいただきありがとうございました。
次回はついにモルディブ出国です。脳内がスポンジ化した私と脳天から数本の花が生えてきている妻が緩み切りながら次の国に移動します。おつきあいいただければ。




