本人は普通
同時進行で投稿している『ご近所のドラゴン一家』にも、少しですがコチラと関わりのあるお話を書いています。
他の人間達と外見的になんら違いの無い転生者達、互助会創設メンバーがお互いの存在に気づいたのは、皮肉な事に、過剰な期待から彼らを拘束し一所に集めた国のおかげだった。
「あの当時は、酷い扱いされたぜぇ」
「それはそうだろうな、騎士や貴族の子ならともかく、14~20代前半の年齢層の庶民なら、国に忠誠を誓わせるには、教育を施すのに遅すぎる。当然オッサン達を担当した役人には力ずく位しか思い付かなかったんだろう。」
従わせるというよりも、反乱を起こさせないのが目的だったのだろう、しかもこの国の奴らは知らないが、ほぼ全員、実は中身が50過ぎ。
前世の記憶を持つ転生者の魂は、例えて言うなら『種』で運んだのではなく、枝葉が伸び花が咲き根に土まで着いた植物を、手当たり次第に乱暴に引き抜いて自分の庭へほうり込んだ状態らしい。
横倒しでもお構いなし、土も耕さずキチンと植え替えを行っていないので、まず生きて行くので精一杯余分な力など有る訳が無い。
比べれば魔王を倒した第一期転生者は選び抜いた、根を包む少しの土も零さぬように、植木鉢ごと手をかけて大切に運ばれ肥料も与えられた『特別な花』、女神の民達への思し召し。
神託の巫女から、現在世界中に居る転生者は移民が目的で、『そのような役割』を求めていないとのお告げがあって、国の上層部、特に軍部の者は大層落胆した。
「役立たず呼ばわりは腹が立つが、正直助かったよな。」
「魔王軍という戦う相手も居ないのに、世界中にそんな存在が溢れたら、お偉いさんの頭の中は軍事利用一択だ。」
そこら辺の庶民にも理解ような理屈。
災いの素にしかならないから、(第二期)転生者には特別な力も恵みも無い。その筈だ。
植えられた『土壌が馴染んだ』というのだろうか?転生者を親に持つ、二世代目の転生者に、ちょっと変わった子供が産まれるまでは。
今のところ見つかっているのは二人、そもそも転生者の子供が必ず転生者とは限らない、アラマドの5人の子供は全員14才を超え、内2人はハタチを過ぎたが、前世の記憶は戻らない。
第一期転生者で子供が産まれた記録が残っているのは、当時の国王のみだ、しかも相手がエルフ。
「俺は、断じて、違う。過剰な期待はするな、それじゃあオッサン達を閉じ込めた国のお偉いさんと変わらないぞ。」
毎回の事だが、力を込めて否定しているのに、何故人の話を聞かない?
「だけどお前さん、精霊に好かれてるし、ワームやワイバーンは怯えて逃げてくし、神託は聞けるし、上位竜と特別な契約を交わしてるよな。」
「全然違う、魔力も体力も人並みだし、神託なんか聞いて無い、勝手に喋ってるのは精霊だ、そもそも精霊に好かれるのもドラゴン種の魔獣に嫌われるのも契約のせいだ。」
「自分で他力本願を認めて情けなくないか?」
解っているんなら、いい加減その意見を撤回しろ!俺はチートなんかじゃない。




