第3話 ソロ探索のはずが、最強の乱入者が現れました(その1)
「やれやれ……昨日は酷い目にあった……。大鎌のせいでまだ身体が痛いや」
身体のあちこちをさすりながら溜息をつくロッシュは、昨日ギルドから受注した書類と地図をテーブルの上で広げていた。
今回受注したクエストは、『初心者ダンジョンで初心者冒険者の道案内』。
15歳前後の初心者冒険者たちが学舎の授業で入るダンジョンなのだが、慣れないダンジョン内で迷子になる者が時々出るため、そうした駆け出し冒険者の道案内やサポートをするのが仕事だ。
ロッシュ自身も過去に何度か潜ったことがある場所だし、今回はギルド提供の地図もある。危険も少なく、比較的楽なクエストのはずだった。
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――初心者ダンジョン内。
「ゴブリンスケルトンは突然跳びかかってくることがあるから、最初は無理に攻撃せず、盾でしっかり防御した方がいいよ」
ロッシュは初心者冒険者たちの前で、安全な戦い方や注意点を丁寧にレクチャーしながら道案内をこなしていく。
そうして無事に引率を終え、もうすぐクエスト完了の時刻になろうとしていたその時だった。
たまたま通路の壁の片隅に、ごく小さな突起物があるのにロッシュの目が留まる。
「なんだこれ……? なにかのスイッチかな」
気になったロッシュが人差し指でその突起をちょんと押した――瞬間。
ガコンッ!!と鈍い音が響き、足元の床が突如として消え去った。
「うわあぁぁぁっ!?」
何拾メートルもの暗闇を一気に落下し、バシャーン!と勢いよく冷たい水の中に叩きつけられる。
「ぶはっ! ハァ、ハァ……な、なんだここは!?」
必死に泳いで湖から上がり、濡れた髪を払いながら周囲を見回すロッシュ。
だが、その視線の先に立っていたのは――。
暗闇の中で赤く不気味な眼光を放つ、巨大な骨の魔物――キングスケルトンだった。
「なっ!? キングスケルトン!? なんでこんなところに……っ!?」
思わず叫ぶロッシュの頭上から、キングスケルトンが容赦なく巨大な大剣を振り下ろす!
「ま、待て! っおわっ!?」
間一髪、地面を転がるようにして刃をかわすロッシュ。
「ヤバイな……アンデッドには話なんか通じない……!」
アンデットは心がなく、目の前の者を襲うだけの存在であり、下級冒険者のロッシュでは倒せない魔物。
ロッシュの命は風前の灯だった。




