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クラスでぼっちの俺が生徒会長とギャルをクズ男から救ったら何故か惚れられてしまい毎日言い寄られるようになり、それを知った義姉が俺を取られまいと結婚を申し込んだせいで三つ巴の戦争が始まった。  作者: この山田は無鉛プレミアムガソリン専用仕様となっています。レギュラーガソリンの使用は故障の原因となるため絶対にお止めください。レギュラーガソリンの使用によって生じたいかなる損害も当社は責任を負いません。
3章 美女たちからの好意をどう受け取ればいいのか
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3-3-3   姉のいつもと違う行動に俺は困惑する

「お帰り」



母がピットに戻った俺と姉を出迎える。

ピットにバイクを止めてレーシングスーツから着替えた瞬間父が



「初めて走るコースだが、走った感想はどうだ?」



と訊いてくる。



「いつも走るコースより走りやすいですね。

ただ高低差が結構きついのとホームにはないシケインの存在がかなり厄介ですね。

あとやたら長いです」

「そうか。ここはいつも行くところより1km以上コースが長いし地形を生かして作られたからそう思うのも無理はない」



俺の初走行の感想に父はコースの特性上そう感じるも当然と言う。



「さっきの一枠でコースの走行ラインはイメージついたか?」

「はい」

「なら次の一枠ずっと本気で走れ。手は絶対抜くな」

「わかりました」



俺は父の言葉に返事一つした後パイプ椅子に座る。



「お疲れ様、健くん。はい、スポーツドリンク」

「ありがとうございます」



すでにレーシングスーツを脱いで普段着になっていた姉からペットボトルを差し出され、受け取る。

そして姉は何を思ったのかパイプ椅子に座っている俺の上に座る。



「姉さん、降りてください」

「いや」

「降りてください」

「いや!」



姉が珍しくわがまま言って降りようとしない。

俺が立ち上がって無理やり降ろそうとすると姉は全体重をかけそれを全力で阻止する。

一体なんなんだ?



「次の走行枠までわたしは健くんの上に座るから」

「なんのためにこんなことをするんですか?

そんなことされたらスポーツドリンクが非常に飲みにくいです」

「さっきの走行枠の前、わたしの抱擁を無理やりほどいたからお仕置き!

スポーツドリンクはわたしが飲ませてあげるから」



えぇ・・・・・・・・・

なんでそんなことで。

俺が姉の行動にひどく困惑していると



「はい」

「・・・・・・・・・・」



姉は横向きに座り直し自分が飲んでいたスポーツドリンクを俺の目の前に差し出す。

俺にそれを飲めと・・・・・・・・・・?



「お口開けて」



姉がスポーツドリンクをこちらに向けながら言う。



「お口開・け・て?」



姉が口を開けるように言ってくる。

仕方なく口を開けると姉はスポーツドリンクの飲み口を俺の口に当てて容器を傾ける。

それに合わせて俺はスポーツドリンクを飲む。

その後、



「喉は潤った?」



と姉が聞いてくる。



「はい」



そう答えると姉が



「そっか。じゃあ、初めてわたしと間接キスした感想は?」



と訊いてくる。

間接キスの感想って。そんなことを訊いてどうするというのか。

と思いながらも俺はとりあえず答える。



「ドキドキしました」

「そっか~わたしと間接キスしてドキドキしちゃったか~えへへ~」



俺が適当に感想を言うと姉は頬を赤らめて恥ずかしそうに首を左右に振りながらうれしそうにする。

姉が弟との間接キスで思春期の高校生みたいな反応をするんだが。


今日の姉はなんだかいつもよりかなり変です。

これでも姉は成人済みです。



「もっと飲む?」

「いえ」

「そっか、わかった」



姉は俺にもう少しいるか訊いてくるが俺はいらないという。

すると姉は俺が口をつけたペットボトルのスポーツドリンクを飲み始める。

目をとろけさせながらひどく興奮した顔で。



「二人とも相変わらずすごく仲がいいわね~」



母がさっきのやりとりを見て茶々を入れてくる。



「いや、さっきのはその」

「恥ずかしがらなくてもいいじゃない。たまには私も巌さんともしたいわね~」

「いや、俺は別に・・・・・」



父が母の言葉に恥ずかしそうにする。

そこから父と母が仲睦まじく会話し始める。



俺がその様子を見ていたら姉が



「次の走行枠も近いし準備しよっか」



と言って俺の膝の上から立ち上がる。

なので俺もスポーツ走行の準備に取り掛かる。



「佐田ァ!次こそは前に出るぞ!」



準備してる途中山田さんがうちのピットに来る。



「ああ、山田さん。置き去りした瞬間に存在を忘れてました」

「ひでぇな!?でも次こそは前に出るからな!」

「そうですか~」



俺は山田さんの言葉を適当にあしらいながら準備を済ませ走行枠を走る。



「健一郎、静。カメラ」

「はい」



走行枠を走り終え、山田さんと凡そ半周差をつけてピットに戻るとすぐ父が俺と姉にカメラを渡すように言う。

俺と姉は自分が乗ったバイクに取り付けられていたカメラを車体から取り外して渡す。

そしてその映像をもとに俺は父から走行ライン等の指導を受ける。



カメラの映像を使った指導をもとに走る、走行後はまたカメラの映像をもとに指導というサイクルを繰り返し、今日の走行枠全部を走り終える。



「健一郎、またサーキットで会おうや!」



山田さんが小型トラックに乗ったまま俺に挨拶をする。



「はい、また会いましょう」

「次こそはお前の前に出るからな!じゃあな!」



山田さんはそう言い残して帰って行った。



「健くん、全部荷物を載せ終わったかもう一度確認しようか」



山田さんを見送った後全員で後片付けをした後姉が俺に積み残しがないか確認しようという。



「わかりました。確認しましょう」



俺はライトバンとクロカン車に載ってる荷物を一つ一つ互いに確認する。



「なくなってるものや積んでないものはないですね」

「そうだね。じゃ、今日泊まるホテルに向かうよ」



姉がそう言ってライトバンの運転席に向かうので俺も助手席に向かい乗る。



「よし、ホテルへ向かって出発!」



その掛け声とともに俺たち家族は今日泊まるホテルへ向かう。

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