3-3-4 俺は姉に心の内を感づかれる
12/28追記
明日の投稿は現実世界での都合で9時以降になります。
「何・・・・・・・・・・・・だと・・・・・・・!?」
俺は目の前の光景に驚愕を禁じ得ない。
なぜか。
目の前にあるベッドがダブルベッド仕様だからだ。
なぜダブルベッドなのか。
それがわからず思考停止状態になっている。
「ん?どうしたの?健くん」
「姉さん、何でベッドが別々じゃないんですか?」
「知らない。だってお父さんが手配したから」
姉が含みを持たせた言い方をする。
これはもしや姉が父になにか相談したのか?
「そ、そうですか。今から変更は」
「今日明日と全室埋まってるからできないんだって」
つまり今日明日と姉と同じベッドで寝るのか・・・・・・・。
よく考えたらときどき姉に無理やり一緒に寝させられてるから別になんてことはないな、うん。
「む、どうしたの?そんな余裕そうな顔をして」
「いえ、何でもありません」
「ふぅん。健くん、夕ごはん食べに行こう」
姉が外に食べに行こうというので俺はそれに同意する。
「健くん」
姉が手を出してくるので普通に手をつなぐ。
すると姉は俺の指を絡ませようとするがそれを阻止する。
少しの間の攻防の後、姉は絡ませるのを諦めて普通に手をつなぐ。
姉は俺を連れてホテルを出て少し歩いたところにあるファミレスに行く。
お互いにメニューを注文し終え、店員さんがいなくなった瞬間姉が俺に質問してくる、
「今日どうしたの?」
「何がですか?」
「今もそうだけどすごく暗い顔をしてるよ?」
姉に顔が暗いと指摘される。
暗い顔はしてないはずなんだが・・・・・・・。
「何もありません」
「そう・・・・・・?」
「ええ」
「そっか」
姉は俺の答えにそれ以上訊いてこない。
その後黙々と食事をとり、ホテルへと戻る。
「健くん、先にお風呂入って」
姉がそう言うので先に風呂に入る。
俺が風呂から出た後姉が風呂に入る。
姉が風呂に入ってる間に備え付けの机の上に父から渡されたラップトップPCを置いて起動する。
起動して椅子に座りUSBメモリとヘッドホンも接続し、動画ファイルを開いて今日の走行の映像を見る。
コースを覚えるために繰り返し動画を見ていると後ろから柔い感触が襲ってくる。
それと同時に俺の前に腕が回される。
どうやら姉が後ろから抱き着いてきたようだ。
ヘッドホンを外すと
「今日の走行の映像を見てたの?」
と俺の耳元で姉が訊いてくる。
「そうです。イメージトレーニングを」
「うん、イメトレもしっかりとね」
「はい」
俺がまた動画を見ようとヘッドホンを手に取った瞬間姉が俺の手に自分の手を乗せる。
「?どうしたんですか?」
「動画をまた見始める前に。健くん、ベッドに来て」
「え、何のために」
「いいから来て」
俺は姉に手を捕まれ腕を引っ張られる。
その力で俺は椅子から離れてそのままベッドに直行する形になり、ベッドの端に引っかかって俺はベッドに倒れる。
そして姉が俺の横に寝転がり、俺の体も動かして寝たまま対面するようにさせる。
「健くん。今日車の中で考え事をしてたよね。何を考えてたの?」
「あれはボケっとしてただけです」
「嘘。今日わたしの抱擁を無理やり引き離したのもさっき恋人つなぎをしてくれなかったのもそれと関係があるんでしょ?」
姉はやはりこういうときは鋭い。
ちょっとした変化も姉は見逃してくれない。
だが考えてたことは隠し通さねば。
「本当にあの時はボケっとしてただけです」
「健くん。わたしのことは信じられない?」
!
姉がこれまにない悲しいという表情で訊いてくる。
「いえ、そんなことは」
なるべく平静を装って答えるが姉は悲しい表情のまま俺の左頬に手を当てて訊いてくる。
「健くん。本当のことを言って」
「本当に何もありません」
俺が答えると姉は
「健くんは嘘をつくのが下手だよね。ちょっと待ってて」
姉が起き上がって自分の荷物の中を探る。
そして何か取って再び俺の横に倒れこむ。
「健くん。自分の顔を見てみて」
姉に手鏡を渡され自分の顔を見る。
いつもの顔だな。
「姉さん、どうしてこんなことを」
「自分でもわからないんだね。健くん、今疑心暗鬼に満ちた顔をしてるよ」
「?」
いや、俺がさっき見た顔は普通の顔だった。
そう言おうとすると
「正確には見た目は普通だけど誰も信じないというオーラがすごく出た顔だよ」
と姉は補足する。
「俺は・・・・・・・・」
「健くん」
どう切り抜けるか考えて言い淀んだ瞬間姉は俺の頭を優しくなで始める。
「大丈夫、大丈夫だから。わたしの健くんへの気持ちは本物だから」
「・・・・・・・・・・・なんのことですか?」
「わたしが健くんに恋していることだよ」
まさか、姉は俺が姉や綾瀬先輩、栗栖から向けられている好意を疑ってると気づいてる?
いやいやそう考えるのは早計だ、そう思ったとき姉からまさにそのことを指摘する言葉が発せられる。
「健くんがわたしやあの子たちからの好意が本当なのか疑う気持ちには薄々気づいてる。
綾瀬って名前の子や栗栖ちゃんの好意が本当かは健くん自身が本人に訊くなりして確かめるしかない。
でもわたしが健くんに向けてる好意に関しては本当だって胸を張って言い切れるしこれからも変わることはないから」
姉が頭をなでるのをやめて俺にそう言い切る。
姉は本当に俺の気持ちに気づいてた。
だが・・・・・・・俺は姉に問いかける。
「・・・・・・・・・どうやって俺への好意が本物って証明するつもりですか?
どうやってその気持ちが変わらないということを保証するんですか?
俺の質問に姉は
「そうだね、健くんへの好意を客観的に証明する方法はないしその気持ちが続くということを保障する方法もない。
健くんも言った通り、人の気持ちは嫌でも変わってしまうものだから。
だからね、健くん。今はわたしからの好意に関しては疑っててもいい。
これからわたしと過ごす時間の中で少しづつでもそれを信じていってくれればいいから」
と答える。
「・・・・・・・・わかりました」
俺が姉のお願いにそう返事をすると姉は俺を寝転んだ状態で抱き寄せ再び俺の頭をなで始めた。
「健くん、わたしのなでなでは気持ちいい?」
「はい」
「そっか、じゃもう少しなでなでするね」
姉は愛しむように俺の頭をなで続ける。
「さて、そろそろイメトレの続きをしよっか」
10分くらいして俺の頭をなでるのをやめた後そう言う。
なので俺も同意して姉と同時にベッドから起き上がり10時ころに寝るまでイメトレを一緒にした。
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