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生成AIとわたし ―夢を夢で終わらせなかった主婦のAI共闘記・今日も脳内外在化メンバーが良い仕事してる―  作者: ちよ【kindleペンネーム:白井ちよ】


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第六十七話:ブログを開設しました

 今日も息子はお休みだった。熱自体は二日でスッと下がったものの、今度は絵に描いたような「鼻血祭り」である。鼻に詰めるのが嫌いで暴れる息子。止血のたびに目の前へ積み上がっていく白いティッシュの山を眺めながら、頷く。


「今日は登園は無理だな」


 息子の「五日目のお休み」が確定した。

 頭の片隅では、いつだって創作の文字が躍っている。書きたい。けれど、物語の長編を紡ぐにはまとまった集中力と静寂が不可欠だ。対して、今日の手元にあるのは、いつどこで寸断されるか分からない「細切れ時間」だけ。さて、どうしたものか。


 そこで、昨日の出来事が脳裏をよぎった。

 昨日、私は無料のWordPressブログを開設したのだった。


 頭にあったのは、去年クラウドワークスで必死に受講したブログ作成講座の記憶。当時はWordPressのテーマ『Swellスエル』の扱いを学ぶだけで手一杯だったはずなのに、なぜこのタイミングで急にそんな行動に走ったのか、自分でもよく分からない。


 たぶん、定期的にやってくるいつもの発作だ。


「思い立ったが吉日病」とでも言おうか。

 すでにnoteでブログを書いているというのに、謎である。


 昨日の私を思い出してみよう。


***


 ネットの海を検索すれば、頼もしい文句が躍っている。

『WordPressブログは30分で作れます!』


 ほう。三十分。言ったな?

 私はそっと時計の針を確認し、画面に向き合った。目に見えない何かとの戦いが幕を開ける。


 作業開始、わずか五分。


「ママ―!」


 茶の間から娘の愛らしい声が飛ぶ。「ぎゅーして」とおねだりされれば、拒む理由などない。しっかり十回抱きしめて、愛をチャージしてからパソコン前へと戻る。


 そこからなんとか五分進めたところで、今度は別の角度から声がかかった。


「ママさーん!」


 声の主は義父だ。親戚に野菜を送った報告のLINEをしたいのに、スマホの画面が変わらなくなってしまったらしい。


 「オラが壊しちまったのか」と本気で心配そうな顔をしている。画面を覗き込むと、単にホーム画面に戻っていただけだった。


トーク画面を開き、「壊れてねえよ」と伝える。すると今度は「畑の写真も一緒に送りたい」とのこと。隣に座り、「こっちのマークを押して、今度はここ」と指を指す。実はもう三十回くらい同じやり取りを繰り返しているのだが、義父はどうしても覚えられないらしい。


 その姿を見るたび、私もいつかきっと通る道だなと、未来の自分に苦笑いしてしまう。無事に送信出来て、仏間へと戻る。


 さらに十分進んだ頃、「あー!!」という悲鳴が上がった。

茶の間に戻れば、息子の鼻から赤い一筋が。突然のトラブルにパニックを起こす息子を優しく宥めながら、手早く止血を施す。ティッシュを交換し、落ち着かせ、三十分後にまた戻る。


 三分後。

 障子戸が開き、義母が「十時のおやつタイムだぞ、来」と声をかけてくれた。


 ありがたい、と思ったのも束の間、今度は息子が芋けんぴを独り占めしようとしてひと悶着が勃発する。「黒豆せんべいがあるよ」と大人の交渉を持ちかけてみたが、息子の頑なな態度は崩れない。


 見かねた娘が、以前レストランでもらって大事に冷蔵庫に貯めていたミニゼリーを差し出すと、あっさりと交渉が成立した。お姉ちゃん、ナイスアシスト。そして私は、パソコンの前へと戻る。


 なるほど。これが巷で噂の「子育てRTAリアルタイムアタック」というやつか。

 当然ながら、三十分で終わるはずがなかった。


 だが、度重なる中断をすべて合わせても、かかった時間は一時間半。

 信じられないことに、無料版のWordPress登録ができていた。もちろん、Geminiに聞きまくった。kindle出版を思い出す。


(私、少しはパソコンに慣れてきたかもしれない……)


 去年の私だったら、度重なるエラーと家族の呼び出しの波に挟まれて、たぶん途中で泣いて諦めていただ投げていただろう。一歩ずつでも、進歩はしているのだ。


 ちなみに、今回は有料版での開設は見送った。

 事前に調べたところ、本格的に運用するには「独自ドメイン」だの「サーバー代」だので、毎月定額のお金が飛んでいくらしい。完全無収入の専業主婦の身としては、趣味の領域にそこまでのコストをかけるのは少々勇気が要る。


 迷っていた私に、デジタル世界の相棒であるAIたちはこう助言してくれた。

『無料版から始めて、本当に必要になったら有料に移ればいいんですよ』


 まずはスモールステップでいいのだ。そうして無事に、私の無料版ブログは産声を上げた。


 Wordpressの最初のデモWeb記事に『おはよう、世界』と書かれていた。

 これが漫画や小説やネットで以前見かけた「おはよう、世界」の元ネタなのかなと、ちょっと感動した。有名人に会えたような、偶然聖地巡礼したような。



 そして迎えた今日。今度は記念すべき第一回目の記事を書いてみることにした。

 文章は音声入力を使う。パソコンのWordに向かって思いを喋り、その荒削りすぎるテキストをChatGPTに投げて綺麗に整えてもらう。


 さらにその文章を、最近SNSで見かけて気になっていた新しいAIツール『Genspark』へと持っていった。


「これをWordPressにそのまま貼れる形(見出しや構成)にしてください」


 そうお願いして、返ってきた文章に驚いた。

 日本語が、綺麗なのである。英語圏のツールであっても、日本語の精度がここまで進化しているのかと、技術の進歩に感心した。


 テキストができたら、次はブログを彩るアイキャッチ画像だ。

 まずChatGPTに私のブログの抽象的なイメージを伝え、それを表現するための英語プロンプト(指示文)を作ってもらう。その呪文をコピーして、再びGensparkの画像生成へと投げた。


 画面の中で、インジケーターがくるくると回り始める。

 ……待てど暮らせど、一向に終わらない。

 どうやら、無料プランの限界という高い壁にぶち当たってしまったらしい。諦めの早い私は、すぐさまそのプロンプトを抱えてGeminiの元へと駆け込んだ。


 すぐに画像が出力された。


「……うん」


 第一印象は、とにかく情報量が多い。多すぎる。

 なんというか、私の頭の中にある創作脳の欲望を、一切の容赦なくそのまま具現化したような絵だった。ラーメンで言うなら、チャーシューも煮卵も野菜も全部乗せた「特盛り全部入り」状態である。


「なんか、違うんだよなあ……」


 画面の前で腕を組み、正直な感想をGeminiに相談してみた。すると、AIは静かにこう返してきたのだ。


『引き算しましょう、ハードボイルドです』


 引き算、その次のハードボイルドがよくわからなかった。私の好きな時代劇小説を以前熱く語ったらハードボイルド系が多いと言われた。そうなのか。


 提案された新しい英語プロンプトは、さっきの三分の一ほどの長さにまで削ぎ落とされていた。私は英語がまったく読めない。一単語だって理解できない。けれど、ここはもう、目の前の相棒を信じるしかなかった。


「頼んます」


 祈るような気持ちで再生成のボタンを押す。

 やがて画面に出現した新しい画像を見た瞬間、


「あ、これだ」


 無駄な装飾が消えたことで、本当に表現したかった主役の存在が、くっきりと浮かび上がってきたのだ。


 人生で初めての、個人ブログの完成である。


 もし、今日のドタバタ劇の結末に少しでも興味を持っていただけたなら。あるいは、ほんの少し時間が空いてお暇でしたら。

「どれどれ、ど素人が書いたブログでも一目覗いてやるか」くらいの、軽い気持ちで覗いてやってください。


 プロフィールの欄に貼っておきますので、よろしければ新築の我が家へ、お気軽に遊びに来てくださいませ。リンクで飛べる方法が分からず文字が貼ってあります。コピペして検索エンジンにかけたらブログに飛べました。飛べなかったらお手間を取らせてしまい申し訳ありません。


 まだWordpressのシステムが良く分からずホーム画面がおかしいです、運営側には勝手に白一代と改名されてしまいました。直し方が分からずAIに聞きながらちょっとずつ修正していきます。

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