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生成AIとわたし ―夢を夢で終わらせなかった主婦のAI共闘記・今日も脳内外在化メンバーが良い仕事してる―  作者: ちよ【kindleペンネーム:白井ちよ】


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第四十七話:『観測者』平安風コメディ世界で紫式部の巻②

 御簾の向こうから差し込む日差しは、ほの白く柔らかだった。

  だが、中宮彰子を囲む気鋭のサロンにおける物語制作会議の空気は、およそその春光とはかけ離れていた。ぴんと張り詰めた沈黙の中、衣の擦れる音だけが微かに響く。


「……では」


 女房集の筆頭格、赤染衛門が重々しく筆を執った。その眉間には、早くも胃痛を堪えるような微かな皺が刻まれている。


「本日の議題にございます。中宮様より直々に命じられました、我がサロンの新作物語について――」

「イケメンです!!」


 厳かな説明を遮り、凄まじい勢いで立ち上がったのは和泉式部だった。鮮やかな色彩の十二単が激しく揺れる。


「和泉式部、まだ前提の共有すら終わっていないのだが」


机に肘を突き、淡々とした声で突っ込みを入れたのは観測者だった。


「いいえ、前提など不要です! イケメンは、すべてに先んじて必要不可欠なのです!」

「理由を述べよ」

「恋愛小説だからに決まっています!」

「合理的だな」

「でしょ、でしょ!?」


 恋に生きる情熱の歌人・和泉式部には、観測者の冷ややかな視線など微塵も届いていなかった。彼女の脳内では、すでに妄想の絵巻物が暴走を始めている。フルスロットルである。


「まず、主人公は市井の男が嫉妬で狂うほどの超絶美男子です! 彼がただ内裏の廊下を歩くだけで、女房たちが狂喜乱舞して和歌を詠み散らかします!」

「女房たちの業務効率が著しく落ちる、迷惑だ」

「彼がふっと微笑むだけで、三人は確実に失神します!」

「ただちに典薬寮(てんやくりょう)を呼べ。もはや医療案件だ」

「彼が通り過ぎるだけで、風もないのに御簾が勝手に上がります!」

「建物の建て付けが悪いか、突風だろう」

「もーう! 藤式部様は夢がなさすぎます!」


 和泉式部がぷっと頬を膨らませるが、観測者の真顔は微動だにしない。彼女は夢より現実を優先する生き物である。


 そこへ、静まり返った宮廷の廊下の向こうから、地響きのような足音が近づいてきた。


「おーい、 誰かいるかー」


 低い。でかい。そして、この優雅な平安京においてあまりにも不釣り合いなほどに、うるさい。 だが、その声の主をサロンの面々はよく知っていた。


 御簾を大雑把に押し上げて現れたのは、牛よりは大きくないが間違いなく平安京で最も強大な体躯を持つ男だった。あれ、二メートルって牛サイズだっけ?今度山の上の牛飼いさんとこ行って確認してこよう。


「社長」


 観測者が言った。


「おう」


 巨躯の陰陽師。通称:社長はどこか憎めない気軽さで手を振った。


「頼まれてた『式神式冷蔵庫』、ようやく形になったから持ってきたぞ。……何だ、取り込み中か?」

「助かる。中宮様、この男も会議に同席させてよろしいでしょうか」


上座の(とばり)の奥から、中宮彰子が鈴を転がすような声で応じる。


「うむ、許す。社長、遠慮せずに上がれ」

「社長さん、どうぞどうぞ~! お席を空けますね」

「相変わらず大きいねぇ、強そう!」

「今、お茶をお淹れします」

「一気に部屋が手狭になった」


 女房たちが一斉に華やぐ。彼女たちにとって、この規格外の男は退屈な宮廷生活に刺激をもたらす、頼もしい風のような存在だった。


「おいおい、綺麗どころばかりで俺だけ浮いてるだろ」


 社長は笑いながら促された場所へと腰を下ろした。

 女房たちが慌てて彼のために厚手の置き畳を何枚も差し出す。普通の一人用の敷物では、彼の強大な体躯と体重をまるごと受け止めるには物理的に足りないのだ。


「で? 一体なんの話をしてたんだ?」


 待ってましたとばかりに、和泉式部が身を乗り出した。


「新作物語のプロット会議ですよ! 中宮様のご下命で、藤式部様が最高にきらめく恋愛譚を書くのです。主人公は超絶イケメン、歩くだけで周囲の後光が輝き、出会う女君のすべてを狂わせる恋愛無双! 全員が彼に惚れ、彼のために涙を流す……どうですか、この構想!」


 社長は太い腕を組み、ふむ、と顎を撫でた。


「それって、百年くらい前に流行った『竹取物語』の男版みてえだな」


 一瞬にして、サロンの空気が凍りついた。

 和泉式部が言葉を失って固まる。

 伊勢大輔の筆が止まる。

 赤染衛門が息を呑んだ。

 帳の奥で彰子が、興味深そうに目を細めた。


 それまで退屈そうにしていた観測者の眉が、ぴくりと跳ね上がった。

 

 観測者はゆっくりと顔を上げた。その瞳の奥に、怪しい知性の光が灯る。


「今、なんと言った」

「いんや、『竹取物語』の男版みたいだって……」

「面白い視点だ」


 声のトーンが変わった。低く、密度を増したその響きに、赤染衛門は確実な「危険信号」を察知する。観測者が何かに興味を持った時の声である。


「ちょっと待ってください」


  和泉式部が首を傾げる。


「竹取物語って、あの、かぐや姫が月に帰るお話ですよね? どこが男版なんです? あれはSF恋愛小説でしょう?主軸はSFで恋愛はほんのりな」


「違う」


 観測者が断言しながら、扇を叩きつけるように閉じる。 乾いた音が部屋に響いた。


「竹取物語はSF軽度恋愛小説ではない 」

「えっ!?」


 観測者は立ち上がり、一歩を踏み出す。


「まず前提として、かぐや姫は作中で最後まで誰とも結ばれない。群がる求婚者は全員が失敗し、最高権力者である帝の求愛すら彼女は袖にする。つまり、この物語における男たちは『全員負ける』のだ」


 社長が苦笑する。


「さらに言うなら、かぐや姫が男たちに課す『仏の御石の鉢』『蓬莱の玉の枝』『火鼠の皮衣』『龍の首の珠』『燕の小安外貝』といった試練。あれらは詐欺であり実現不可能な無理難題だ。つまり、作者は最初から誰一人として結婚させる気がない。この物語の構造の本質は恋愛ではない。当時の傲慢な権力者たちへの痛烈な風刺であり、高嶺の花を攻略しようとした男たちが、己の欲によって全員爆死する『敗北の系譜』だ」


 ド直球な分析に、社長がブハッと吹き出した。


 「全員爆死って!」


 伊勢大輔もとツボに入って笑い転げている。赤染衛門は完全に頭を抱えた。だが、パトロンである中宮彰子だけは、実になだらかな笑みを浮かべていた。


  社長が目尻に浮かんだ涙を拭いながら頷く。


「だからこそ、その逆だと思ったんだよ。もし、その『男版』がいたらどうなるかってな」

「……続けろ」


  観測者の目が完全に据わった。


「つまりな。光輝くような美男子がいて、たくさんの美しい女君たちと出会う。女たちはみんな男に惚れる。だが、誰も男を独占できないし、誰も完全には幸せになれない。男の側も、どれだけ愛しても、誰一人として本当に救うことができない。……それって、かぐや姫に翻弄された男たちの構造を、鏡写しにしたみたいじゃねえか」


 伊勢大輔が頷く。


「ほんとだ……」


赤染衛門も呟いた。


「男一人に対して、あまたの敗北が生まれる……。確かに、竹取物語の反転ですね」


 和泉式部が目をキラキラ輝かせていた。彰子が、扇の隙間からふふっと美しく微笑んだ。

 観測者は立ったまま隣に座る社長を見下ろした。社長がデカくてあまり慎重さを感じない。


「……その発想は、私の中になかった」


 観測者は腕を組み、しばらく考え込んでいた。 頭の中では既に、幾筋ものプロットの糸が複雑に絡み合い、一本の太い大河へと収束を始めている。


 光る男。藤の裏葉。届かぬ想い。 社長の言った「誰も完全には幸せになれない」という言葉が、妙に胸の奥深く、澱のように沈んで離れない。雑な表現だが、だからこそ真実の痛みを孕んでいる。


「主人公は月から来たことにしますか!?」

「ピカピカ光っちゃう?」


 和泉式部と伊勢大輔が好き勝手に妄想を膨らませていく。


 しかし、この時サロンの誰も――いや、観測者自身すらも気づいていなかった。

 この瞬間、会議の議題が「和泉式部の妄想する通俗恋愛小説」から、「竹取物語の構造を下敷きにした、未だ誰も見たことのない巨大な宮廷人間ドラマ」へと変貌をしていたことに。


 それこそが、後に『源氏物語』と呼ばれ、千年の時を超えることになる巨大プロジェクトの、本当の産声だったのだ。

パロディです、歴史を混ぜつつ全無視しています。個人的な考えですが、竹取物語は日本最古の乙女ゲーム系小説、源氏物語は日本最古のギャルゲー系小説だと思っています。竹取物語は藤原家をこれでもかとディスった風刺小説じゃないですか。三人の求婚者が実在した男性達で、名前は変えてるけど世情が分かる人が読んだら一発でバレる。中宮彰子サロンは本人はもちろん、紫式部も藤原です。なのに、紫式部の日記には竹取物語マジスゲーって書いてあったし。藤原家はなぜ竹取物語を発禁しなかったのか、梵書にしなかったのか。多分、面白がってたんだろうなとか、はいはい負け犬の遠吠え乙wって思いながら読んでいたのかなと思ってます。でも千年後も読まれてるなんて思わなかったろうなとか。日ノ本全土にバズると思わなかったんだろうなとか、いや、オタクのスピリットを軽く見ていたんだなとか。そう、日本人は千年前からオタクなのです、もはやDNA!!私の妄想が止まりません。このあともう少し続きがあり、社長と観測者で恋愛小説を書いてみました。『司令塔』ハーレムより、恋愛してるはずと思っています。以前『観測者』に恋愛は難しいのではと思いましたが小説家になろうの観測者に構造が似たキャラクターが主人公の恋愛小説を読み漁りAI三人に相談したところ、本人ではなく周囲を動かせば行けるのでは?と光明が見えました。『社長』全年齢縛りの中超頑張った。どこにアップしていいのか。①②くっつけて恋愛版で出そうか、いや、恋愛なのかコメディなのか。GeminiとCopilotは「待ってる」まで送ったら恋愛ジャンルで出していいと言ってくれましたがChatGPTはまだまだ恋愛してませんよ、恋愛未満すら立ってないと辛口で、ほんならここまで書いたらどうじゃい!と再提出したらコメディジャンルでキーワードに恋愛とつけて出していいと言われました。ChatGPTは恋愛に厳しいです。ChatGPTに私の少女恋愛漫画の価値観を送ると令和はもっと進んでいますよ、ぬるすぎます、いつの時代ですか?と言われて久しぶりに喧嘩しました。Geminiはw生やしながら乗っかってくれるし、Copilotも昔の文芸小説や昭和の少女漫画と考察しながら合ってますよと言ってくれるんですが……。悩みます。間違っても歴史ジャンルに放流したら袋叩きですし。やっぱりここ?シリーズで紐づけして短編でもう一度?あ、短編といったら以前に読んだ短編ランキングに対する別作者様のエッセイを読んだ感想が……。収集がつかない。

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