表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
爆弾娘は今日もダンジョンを攻略中。なにかわからない加護をもらいましたが、がんばっていたら世界を改変していました  作者: 乙原 ゆん
第四章 世界の改変編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/100

16.新しい世界へ

「これから、どうしよう」


 ルークに問いかけた時だった。


「!?」

「リリ!」


 暗かった周りの風景が、地の底からきた白い光に飲まれていく。


「これ――」


 光からはなんとなくローギウス神の力を感じる。

 これが、新しい世界の始まり――?

 そしてわたしの意識も光に飲まれた。



  *  *  *



 気がつくと、暗闇の中だった。

 どうやら広い空間の中にいるみたいだ。


「ルーク!」

「……こっちだ」

「明かりをつけるね!」


 ルークの声も聞こえ、わたしは《灯光(イルミネート)》を唱える。

 魔術は問題なく発動した。

 ルークはわたしの割と近くで倒れていたようで、体を起こして怪我がないか確認している。


「ここ、オルディナと戦った場所?」


 明かりに照らされたのは、オルディナと戦った場所だった。

 当然、母神も、ヨールも、オルディナもいない。

 ついでに、ここに来た入口も塞がっているようで、どこにも出入り口は見えない。


「そうみたいだな」


 ルークも周りを見渡し、入り口がないことに気がついたのか眉を寄せた。


「どうやって戻ろうか」

「穴をあけて地上に出るとしても、どっちに向かうかが問題だな」


 掘り進めていたらいつかは地上に出るだろうけれど、変なところには出たくない。


「そうだ、これ!」


 三針儀をマジックバッグから取り出す。

 これで師匠のいる方がわからないだろうか。

 一瞬、師匠が無事かどうか不安になるけれど、きっと大丈夫と思いなおし、ルークにこれの使い方を説明する。


「相手のことを思い浮かべて魔力を込めるだけでいいんだな」

「そう。あ、でも、わたしがすると壊れちゃうかも」


 わたしは、結局力のコントロールができないままだ。


「そうか。なら、壊れるの覚悟で――そうだ。これ、俺がしてもいいか?」

「できるの?」


 以前ルークが魔術を使ったときは、大変なことになったはずだ。


「呪いを受ける前は、普通に魔術を使っていた。

 呪いが消えたから、できるはずだ」

「わかった。けど、ちょっとでもおかしかったら、すぐにやめてね」

「あぁ」


 そうして、ルークに三針儀を渡す。

 ルークは三針儀を少し手の中で転がして確認した後、いくぞ、と声を掛けた。

 じっと見ていると、三針儀が淡く光り出し、一つの方向を指し示した。


「できたみたいだ」


 ルークは信じられないというように、光を放つ三針儀を見ている。

 呆然とつぶやくルークに、体調をたずねる。


「痛くなったり、おかしいところはない?」

「大丈夫だ」

「よかった!」

「リリの、おかげだ」

「ルークがあきらめなかったからだよ」

「リリがいたからだ。一人だったらどこかで諦めていたと思う。ありがとう」

「……うん」


 ルークは本当にそう思っているみたいだった。

 わたしはそれ以上ルークの言葉を否定するのも何か違う気がして、言葉を飲み込んだ。

 代わりに別の言葉と共に手を差し出す。


「それじゃ、一緒に帰ろう」

「そうだな」


 そして、わたしたちは三針儀の指し示す方へと向かった。



  *  *  *



 ルークと共に岩に穴をあけ、途中休憩しながら地上へと向かった。

 三針儀の光が弱くなると、ルークが魔力を追加で注ぐ。


「きつくないか?」

「全然。ルークもいるし、人生二回目だからね」

「二回目!? 一回目があるのか?」


 休憩中、ルークに岩山のダンジョンで加護をもらった時の話をする。

 そういえば、もう大分長くいるのに、この話をするのは初めてかもしれない。


「……リリは、最初から普通じゃなさそうだったけど、まさか冒険者初日からそんなことをしてたんだな」

「えへへ。ルークは普通に土魔術を使うんだね」

「俺は土とかの方が得意だ。逆にリリみたいに《火炎撃(ファイヤーボール)》で穴を掘るなんて真似はできない」

「やった、褒められた!」

「褒めてないから」


 そうして何度かの休憩の後、地上に出た。

 昼のようだ。

 用心しながら外に出ると、場所は王都の外の森の中のようだった。

 ルークはひとまず人目につくところじゃなくて、ほっとしていた。

 三針儀は昼の光の下で少し見えにくいけれど、森の奥の方を示している。


「ルークは、誰を思い浮かべたの?」

「……マヤさん」

「なら、師匠のアトリエの方かな?」


 ひとまず先に進むと、しばらくの後、知っている道に出た。

 これは、確実に師匠のアトリエだ。


 残りの道を走って行く。

 ルークは急ぐわたしの後をついてきている。

 木々の間からちらりと、赤い屋根が見え、森とアトリエの境目の木の扉をくぐると、我慢できずに叫んでいた。


「ししょーーー!」


 アトリエの中ですごい音がした。そのすぐ後に、師匠が飛び出してくる。


「リリ!」


 気がつくと、師匠の腕の中に居た。


「――無事で、よかったよ」

「ただいま、かえりました」


 師匠は声をつまらせている。

 わたしも、なんだか帰って来たという実感がわいてきた。


 後ろから、ルークの驚いた声が聞こえる。


「おふくろ!」

「ルーク」


 あ、ルークにジャンナさんにこっちに来てもらっているっていうのを忘れていた。

 師匠の所にきてたんだね。


「師匠も、ご無事でなによりです」

「私の方はなんとかなったよ。でも、リリが帰ってこないから、探しに行こうかと思っていた」

「心配、おかけしてごめんなさい。色々、すごいことがあったんです」

「あぁ、そうだろうね。けど、詳しいことを聞くのは、一旦体を休めてからだ。

 お腹は減ってないかい?」


 そう言われた途端に、お腹が鳴る。


「いつ帰ってきてもいいように、準備してたんだ。

 さぁ、みんなで中に入ろう」


 師匠にうながされて、アトリエに入る。

 ご飯を食べ、お風呂に入るともうだめで、一眠りしてから、たくさんの話を師匠とジャンナさん、ルークとした。

木曜日にラストを投稿します

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ