12.火山のダンジョン3
扉の中は、細い岩壁の通路になっていて、それまでのダンジョンの中より薄暗くなっている。
それが奥に行くほど暗くなっている。
何があるかはわからない。
けれど、ここで引き返してはルークの呪いを祓うことはできないし、進むしかない。
ルークはどう思っているのか、一応確認のためにルークの表情を見上げると、ルークも意思は固いみたい。
警戒しながら、足を踏み出した。
「暗いね」
「暗いな」
入り口で見たように、扉の中は進めば進むほど暗くなっている。
かなりの距離をもぐり、今は、もう隣にいるルークの表情が確認できないいほどの暗さとなっていた。
明かりの魔法は、中にいると思われるボスを刺激しないため、ひとまずは使わないようにと決めている。
「あれ、なんだろう」
最奥についたのだろうか。
それまでの岩壁が広がり、広場のような空間に出た。
真っ暗闇の先に、赤い点が四つ見える。
「スイッチ、か?」
「六つに増えた……?」
ルークと話している間に、点は六つに増え、唸り声も響く。
これ、スイッチじゃなくて、何かいる!?
「灯すよ!」
「おう!」
「目を閉じて!」
注意事項を叫んで、早速唱える。
「《灯光》」
奥に居たモンスターには目つぶしになったようで、鋭い悲鳴が上がった。
気になったけれど、おそるおそる目を開く。
すると、そこには、首輪から鎖を垂らした三つ首の大きな狼がいた。
高さだけで、ルークの倍くらいの大きさだ。
今の光のせいで敵だと思われたみたいで、唸り声が三重に響いている。
「何、あれ」
「三つ首の、狼?」
「初めて見る」
「ルークも、見たことないんだ」
「リリこそ、マヤさんのところで何か資料とか見たりしなかったのか」
「うーん、見たことないかな」
話しながら魔獣を見つめると、どうやら、闇属性メインで、炎も持ってるみたいだ。
口から炎が漏れている。
真ん中の頭が、口から炎を吐いてきた。
他の二つの頭は、激しく吠えている。
ルークが横に飛び、わたしも反対側へと退避する。
「っぶね」
「鎖、あっても意味がないじゃん」
「謎解きは後だ!」
「まずはあいつを倒してからだね!」
ルークは、返事の代わりに、大剣を抜き放つ。
あの鎖は何の意味があるのか気にはなったけれど、ここでゆっくり考えていると、食べられるか、焼かれるかのどっちかになってしまいそう。
わたしも《風刃》を使ってひるませて、距離を取る。
ルークは、どう動くかな。
打ち合わせのないまま戦うことになったから、少しやりにくい。
基本方針は一緒だろうから、そこまで考え込む必要はないんだろうけど。
ルークが、挑発するように、大技を振るう。
それにルークに一番近い頭と、真ん中の頭が反応する。
わたしに一番近い頭は、わたしを見たままうなっている。
けど、魔獣の体はルークの方に向き、前足がルークを潰そうと地面をべしっと叩いた。
今度はわたしがもう一度、《風刃》を、ルークを狙って伸びきっている前足に打ち込む。
すると、魔獣は飛び上がるようにして避け、私に体を向けた。
頭一つ分は、私の方を見ていたんだから、そうだよね。
「や、やりにくーい!」
思わず叫ぶけど、ルークも遠くで肩をすくめるジェスチャーをしている。
今までは、ルークとターゲットを交互に取り、狙われていない方が攻撃していたんだけど、その戦法が通用しそうにない。
けど、この魔獣を倒せば、ルークの呪いに進展があるかもしれないから、倒さないという選択肢はない。
うん、どうやっていいのか、思いつかないけど、がんばろう!




