11.火山のダンジョン2
あれから何度か休憩を取って、わたしたちは順調に進んでいる。
時々、今までの魔獣に混じって紫色の肌をしたムキムキのダークオーガを見かけるようになった。
他の魔獣もだんだん強くなってきているから、もうかなりの深さじゃないだろうか。
ところで、わたしは一つ気になっていることがある。
こんなに進んでから言うべきことじゃないけど、でも、多分、聞いておいた方がいいやつ。
今は休憩中だし、ルークに話しかけることにした。
「ねぇ、どんどん奥に進んでるけど、ルークの呪いを解くのに必要な、倒さなければいけないものって、想像はついてる?」
「……いや、おそらくはボスじゃないかとは思うが」
それはわたしも考えていたことで、頷く。
「わたしもそう思う。基本ここは雑魚ばっかりだし、神の眷属が見張っていた位だし、ボスだと思う。
ここのボスが何かルークのいた村に伝わってないの?」
ルークは少し考えて首を振った。
「村には、ここのことはほとんど伝わっていないんだ。村長とかは知ってたかもしれないが、少なくとも俺は聞いたことない。
けど、ここの魔獣は炎と闇属性を持っているし、きっとそのどっちかか、両方だろう、とは思う」
「そっか」
なら、両方の属性持ちって考えておいた方がいいかな。
闇と、炎かぁ。
氷か、水か、場合によっては光も効くかもしれない。
わたしは使えそうな技を、指折り数えた。
ボスについてはあんまり想像つかないけど、うん、きっとなんとかなる!
それに、ルークとは目的はボスってことで話をしたけど、ボスじゃない可能性も、一応ある。
もしボスじゃないとしても、まだ丸々二ヶ月は残っているから、きっとなんとかなるのだ。
不安になりそうな気持ちを無理矢理前に向けて、わたしは一人、頷いた。
* * *
その後、何度も休憩を取り、体感で二、三日経ったかなという頃、ようやくその扉を見つけた。
扉は見たことのない黒い素材で、抽象化された赤い素材で炎のように装飾されている。
その上から厳重に銀の鎖が巻かれていた。
扉の真ん中くらいの鎖には錠前がついている。
けれど、当然、わたしたちは鍵をもっていない。
「ボス部屋みたいだな」
「この鎖って、わたしたちに壊せるのかな」
鎖からは途方もない力を感じる。
それだけ、この扉の先にいるものが強いのか、それとも、中にいるものを封じたいという思いが強いのか。
「ま、やってみるしかないだろ」
ルークの思い切りのいい言葉に、うなずいた。
ふと、わたしたちはとんでもないことをしているのではないかという気持ちになった。
一柱の神が封印し、監視まで置いたものを、果たして、わたしたちに倒せるのだろうか。
でも、ここで倒さなければ、ルークの命は失われてしまう。
それは嫌で。
だから、わたしたちにはここで全力を尽くすしかないのだ。
「んじゃ、何から試す?」
「まず、俺が剣で切れないか試す」
「わかった」
けれど、予想通りというか、鎖にはヒビ一つない。
「次はわたしだね!」
そして、《風刃》をたたき込む。
けれど、傷一つつかず、鎖はそのままだ。
もしかしたらこの鎖もダンジョンの一部と見なされているのかもしれない。
「マント、外してからもう一度試してみるね」
そして、次は鎖が切れ、わたしとルークは扉の中に入った。




