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爆弾娘は今日もダンジョンを攻略中。なにかわからない加護をもらいましたが、がんばっていたら世界を改変していました  作者: 乙原 ゆん
第三章 ニーベルグ編

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4.ジャンナさん

 ルークは戻れって言ってたけど、ここまで来てそんな見捨てるみたいなこと、したくない。

 ルークは本当に諦めちゃったのかな……。そもそも、女神様にルークを助ける方法を聞いたのは迷惑だった?

 呪いを解きたいかなんて、改めてルークと話したことなんてなかった。

 でも師匠のところに来た時には、呪いをなんとかしようとしてたはずだと思う。

 女神様のところでもなんだか諦め気味だったし、何か理由があるんだろうか。


 考えている間に、いつのまにかうつむいてしまっていて、わたしは広場の地面を眺めていた。

 土を踏み固めただけの地面に、誰かの靴の跡が残っている。

 巨人族の人たちばかりだからか、大きい跡ばかりだけれど、少し小さめの靴跡が残っていた。

 もしかしたら、あれはルークのかもしれない。


 うん、弱気になって迷っちゃダメだ。

 ルークがどうしたいかは、助けてから聞けばいい。

 だって、わたしはルークを助けたいって気持ちに変わりはないもん。


 気がつくと、結構な時間がたってしまっていたみたいで、広場にいっぱいいた人たちはほとんどいなくなっていた。

 ルークの連れて行かれた方向には、石造りの大きな建物が並んでいる。何か手がかりを探しに行くべきか、一旦広場から立ち去るべきか、どうしようかなっと思っているところで後ろから声がかけられた。


「あの、息子の、ルークのお友達でしょうか」


 振り返ると、ここに来た時にルークに似ているなって思った女性がいた。


「友達、っていっていいのかな? ルークとパーティを組んでるリリって言います。えっと、あなたは?」

「ルークの、母です」

「ほわ! お母さん!?」

「もしよかったら、家で息子の話を聞かせてください」

「それはいいですけど、ルークを追いかけなくていいの?」

「私が行っても、会わせてもらえないどころか中に入れてもらえないでしょうから」

「ええー?」

「そういう、村の決まりなのです」


 よくわかんないけど、なんだか息苦しいなって思う。


「わたしは、いいですけど」

「なら、お願いします。家は村の外です」


 そうして、ルークのお母さんの家に行くことになった。



 ルークのお母さんの家は、村から離れた山の中にあった。といっても、村の柵は木の間から見える。あんまり村から離れちゃうと、危ないからだって。

 わたしが知っているレンガで作られた家とは違って、このお家は木でできている。中はよく整頓されていて、入り口を入ってすぐの場所には狩りに使うのだろう罠やロープみたいな道具もおいてあった。

 ここでルークも育ったのかな。

 失礼にならないように、でも、さまよってしまう視線を止められずにルークのお母さんに案内されるまま、ダイニングテーブルに着席した。

 ルークのお母さんはお湯をかまどの火にかけると、わたしの正面に腰を下ろした。


「来てくださってありがとう。ルークの母のジャンナといいます」

「サンストナ国からきました。リリです」

「リリさんが、ルークを呪いから助けてくれたの?」


 そっか。お母さんだから、あの、ルークが師匠のところに来たときのひどい状態を当然知っているよね。


「あ、いえ、呪いは、抑えているだけで、解けてはいません」

「そう、なの」


 肩を落とすお母さんに、ルークとここに来た理由をかいつまんで話す。


「――それで、解呪できるかもしれないって、ここに来たんです。この村にも寄るつもりはなくて、本当はダンジョンまで回り込んでいこうとしてたところを見つかってしまって」

「そうだったの」


 さすがに、解呪できなかった場合の残りの寿命は、伝えられずにだまっておく。

 ジャンナさんも、聞かなかった。

 きっと、あの呪いが解けなければいずれ死に至ることはわかっているのだろう。


「ムコルタ山のダンジョンにいけば、息子は助かるかもしれないのね」

「はい」

「その、こんなことをお願いするのは、厚かましいのだけど」


 うつむいていたジャンナさんが顔を上げてわたしを正面から見つめる。


「明日、ルークが罰を受ける前に、ルークを助けてダンジョンに向かってくれませんか」

「え、ええっ!?」


 いや、それも考えていたことだけど、正面からそんな過激なことを言われるとは思わなくて、思わず驚きの声を上げる。


「たいしたものは差し出せませんが、私の全財産を差し上げます。だから、どうか、どうかお願いします」


 そのまま地面に降りて手をつきそうなジャンナさんを引き留める。


「待って、待ってください。わたしがここに来たのは、もともとルークを助けるためで、ルークのお母さんがそんなにしなくたって、もともと助けるつもりでした! だから、頭を上げてください」


 何度も頼んで、やっとのことで頭を上げてもらった。

 ジャンナさんが落ち着くのを待ってから、明日起こることを詳しく聞こうとしたけど、いつの間にかお湯が沸いていたみたいで、ぐつぐつという音が聞こえている。

 一旦、お茶を煎れてもらって、落ち着いてから話を聞くことになった。

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