23.再会
「それで、どうなったんですか!?」
わたしは、つまみの並ぶテーブルの上に身を乗り出した。
久々の全員集合だ。
わたしの隣にはゲオルクさん、正面にはニコラスさんが座っていて、ニコラスさんの隣にはルークが座っている。
今日、わたしとルークは帰って来たばかりだ。
ギルドに報告に寄ったところで、げっそりとやつれたゲオルクさんとニコラスさんを見つけて、時間も夕方になっていたので、少し早いけどそのままこの食事処に移動した。
食事処は、試練の道に挑む前に利用したところだ。
「どうなったと思う?」
ニコラスさんが楽しそうに目を細めて聞いてくる。
神殿を破壊しただなんて信じられない。
「やっぱり、とっても怒られました?」
「くっ」
ゲオルクさんが思わずといった様に、笑い声を漏らした。
「なーに笑ってるんだよ! そう。二人でそりゃーこってり怒られたさ」
ニコラスさんがふくれっ面でいい、ゲオルクさんが口を開く。
「はは、そうだな。けど、元凶は神殿側にあるってことで、今大規模な監査が入ってる」
「へぇぇぇ」
「で、その間、オレらはギルドの使い走りだ」
ニコラスさんが、ゲオルクさんの言葉に付け加える。驚いてニコラスさんを見ると、ニコラスさんは頷いた。
「ギルドが神殿に監査に入ってるだろ。それで現場とギルドとの連携を取ったり、他の神殿はどうかってことで、調査に行くやつに着いて行ったり」
「うわー」
「関係者だからってすっげーこき使われてるぜ」
とニコラスさん。
それで見つけた時、疲れていたんだね。
「それはそーと、リリたちもやべーじゃん。オレ、聞いたぞ」
「女神様が眠りにつかれるなんて前代未聞だな」
「うっ」
ニコラスさんの言葉に、ゲオルクさんが頷いている。
この二人、もともと息はあってたけど、いつの間にこんなに仲良くなったんだっけ。
ルーク、そこ、こっそり笑わない!
「あ、でも、ほら、それは試練の道の強化が終われば目覚められるそうですし」
「いつになるんだ?」
「ぐぅ」
それは、女神様のみぞ知る、なんだよね。
「わかんないんですけど、ひとまず、ルークの呪いがあるから、できるだけ急いでニーベルグに移動することになりました」
本当なら、わたしは残って女神様が目覚められるまでここにいるのがいいんだろうけど、ルークの命もかかっているし、サルバティア国の王都のダンジョンも、一定期間の休眠でパワーアップして入れるようになったって前例があるからいいだろうってことになった。
女神様がわたしの加護があれば、ルークの方も何とかなるかもって言われてなければ、居残りだったかもしれない。
そこは女神様に感謝だね。
「そっか。オレらは、もうちょっと事件関係で残ってくれって言われてるんだよな」
もともと、ルークと二人で来る予定で、ゲオルクさんとニコラスさんは、サルバティア王国で色々あってついてきてくれることになったんだよね。
一緒にきてもらえると、保護者としてこれ以上ないくらい心強いんだけど、オルディナ神も関わってることだし、仕方ないのかもしれない。
「あ、マヤさんにはオレらのことは知らせといたから」
「早いですね!」
「けど、リリたちと女神様試練の道のことは書いてないから、そこはリリにしてもらうことになる」
「えええー」
はぁ。今回のこと、どう書いていいんだろう。
悩むけど、出発までには出しておかないとだね。
「んで、いつ立つんだ?」
ゲオルクさんが言う。
わたしはルークを見た。
「明日は、一日準備と休息に充てて、リリがいいなら明後日には立ちたい」
「わかった。準備するものとか、わかんないから一緒に行きたい」
「おう」
「へー、リリたちも、なんかちょっと別行動してる間に、少しは連携が取れるようになったんだな」
「えー?」
実感がわかずにルークを見るけど、ルークも不思議そうにこっちを見ている。
「ぷはっ」
その様子を見て、ニコラスさんが笑いだす。
「二人には悪いが、オレらも明日、ここでまた一緒に飯にできるかわかんないから。今言っとくけど、気を付けて行ってこいよ」
「はい!」
「二人、ちゃんと戻って来いよ」
ゲオルクさんの言葉に、ルークと顔を見合わせて頷いた。
そうして話が一段落ついたところで、店主が肉料理をテーブルに置いた。
「あれ、これ、頼んでないけど」
「そっちの嬢ちゃんと坊主、女神様の試練、クリアしてきたんだろう」
「はい」
「サービスだ。代わりに、約束通り話を聞かせてもらうぜ」
ゲオルクさんもニコラスさんも、差し支えない所はいいんじゃない?といった反応だ。
ルークは、ってみると、ルークも頷いている。
って、ルークはあんまり話さないし、つまり私が話すってことじゃない!?
「は、はい! 問題ない範囲なら、なんでも!」
「おう、俺らが聞いちゃいけねーことは言わなくていいからな!」
そして、その夜は、大いに盛り上がり、更けていった。




