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爆弾娘は今日もダンジョンを攻略中。なにかわからない加護をもらいましたが、がんばっていたら世界を改変していました  作者: 乙原 ゆん
第二章 加護と呪いを巡るエトセトラ

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17.裏・試練の道2(ゲオルク視点)

 ゲオルクとニコラスはギルドを一緒に後にしたが、結局、早々に別行動をとることとなった。

 ギルドにて勧められたスポットに行く途中、ニコラスが帽子屋を見つけたのだ。ニコラスは当然、そこに寄ると言ったが、ゲオルクは帽子に興味はなく、また、ニコラスも買い物中にゲオルクを待たせるを嫌がったため、そこで別れることとなった。別に依頼にいくわけでもないし、二人とも旅慣れている。それにお互い別れて行動した方がトラブルも少ない。そういうわけで、各自勝手に行動してまわることに決めた。


 ゲオルクは、教えられた場所に到着した。


「へぇあれが『最初の塔』。であっちが『エイミルの修行塔』か」


 一か所目と二か所目の搭は隣接している。

 『最初の塔』はその名の通り、この都で初めて作られた塔だ。この塔が建てられたからこそ、他の神殿も塔を建てだし、この都を有名にした。

 高さはないが、古い木造で、三階建ての様だった。一階の上に同じつくりの二階が乗っているように見える。

 中は神官以外の立ち入りを禁止していた。


 『エイミルの修行塔』は、神殿と神の教えについて対立したエイミルという神官が、神の声を聞くために修行したと言われる塔だ。エイミルは修行により神の声を聞くことができたものの、結局、神殿との対立に関与する神託は下りなかったようだ。エイミルは修行塔を出た後、神殿も出て、漂泊の旅に出たらしい。

 塔の傍の石碑には、エイミルが旅に出たその後、修行により神の声を聞くという偉業を達成した彼を留め置けなかった神殿に対して信者から不振が募り、結局、その後、神官長が変わる事態と書いてある。

 ちなみに、こちらも立ち入り禁止だった。


「ふぅん」


 ゲオルクの一族は彼らの祖先を祀っているため、ここの神々に対して特別な信仰はないが、それでもこの世界がある、ということへの感謝の念はある。

 己の一族とは違う信仰の形に礼を取ると別の場所に向かった。


 三か所目は、少し歩く。

 宿舎と同じ作りの木造の建物が多い。腐敗防止のための塗料が塗られた家が多いが時々新しい家や、逆に古すぎて人が住んでいるか怪しい家が混じっていた。

 古い街並みが郷愁を誘うのか、ふと、こことは似ても似つかない故郷のことが思い出された。


 ゲオルクの故郷は、岩と乾いた砂ばかりの断崖を抜けた先にある緑あふれる場所にある。

 周囲を厳しい環境に囲まれているため、あまり他種族は近づかず、ゲオルクも冒険者となってから、一度も帰っていない。

 ゲオルクは、先祖返りだ。

 両親は体表の一部に鱗が残る程にしか竜人族の血が出ておらず、ほぼ人の姿に近い。両親に愛されていたとは思うが、彼らは先祖返りのゲオルクを持て余し気味で、結局族長の所に預けられた。しかし、族長の子よりも(いにしえ)の竜人族に近い姿をしたゲオルクは疎まれ、成人すると外の世界に出ることを選んだ。


 だが、こうして外に出たおかげで、ゲオルクは先祖返りとしてではなく、ゲオルクとして見てもらえるということを知った。ダンジョンに潜ることは楽しいし、結果、この体のお陰で周囲の人間よりも死ににくい。冒険者という天職を知ることができ、一族よりも外を選んだことに後悔はなかった。

 サンストナ国に移る前、ゲオルクの後から故郷を出た者に会ったが、その者から、ゲオルクに妹が生まれたようだと聞いて、少しほっとしている。

 

 感傷にひたりながら歩いていると、その中の一件から、子供が放り出された。


「おい! こら! 話を聞け! 兄ちゃんを返せよ! この人さらい!」


 扉を叩く子供に、中からガラの悪い男が出てくる。


「人聞きの悪いこといってんじゃねーよ。お前の兄ちゃんが消えたのをどうして俺が知ってんだよ」

「あんたんとこの依頼に行くって言った後、帰ってこないんだ……」

「ギルドから依頼したブツは届いてるぜ。達成者は、ロイだ」

「兄ちゃんの名前だ……」

「なら、依頼が終わって姿を消したんだろ。俺も依頼も関係ねーじゃん。じゃーな」


 ぴしゃりと戸が閉められ、扉の前で子供がへたり込む。

 しかし、中から「いつまでも俺んちの前にいるんじゃねーぞ」と怒鳴り声が聞こえ、子供は立ち上がると、とぼとぼとゲオルクの方にむけて歩き出した。


 さて。どうするか。

 関わり合いになるかどうか一瞬考えた後、ゲオルクはその子供に声をかけていた。

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