8.食事処で
ルークが神官様の部屋が出てくると、少し元気がない様子だった。大丈夫かな?
ひとまず神殿を辞し、ギルドへと戻りながら話をする。
「神官様、すごかったね」
「……あぁ」
「ルークは、問題、解決した?
わたしの方は知の女神様に聞くように言われたんだよな」
「……俺もだ」
「そうなんだ!
なら、ニコラスさんとゲオルクさんとの合流は夕方だし、それまで情報集めようかなって思うんだけど」
「わかった」
そして、二人でゲオルクさんたちが戻ってくるまでに情報収集を行った。
夕暮れに沈む町の中、戻ってきたゲオルクさんとニコラスさんと合流して、食事処にやってきていた。
今日一緒に依頼を受けた人からこの店のことを聞いたそうだ。
こじんまりとした作りの店ながら、この地方の名物料理を出してくれるそうだ。
この地方は豆をメインにした食事が名物みたいで、テーブルの上には、サヤ付きの豆を茹でて塩を振ったものや、熟した豆と赤い果実とひき肉を柔らかく煮込んだもの、炒り豆、そんなものが並んでいる。
乾杯の後、それらを食べながらゲオルクさんとニコラスさんを交えて、今日わかったことを話していた。
「へぇ、てことは、リリもルークもその女神に会うために試練の道に行く必要があるわけだ」
ニコラスさんが言いながら、サヤ付きの塩茹での豆をつまみ、豆を取り出すと口に運んだ。
わたしも食べていた豆とひき肉の煮込みを飲み込んだ後、口を開いた。
「ギルドで話を聞いてきましたけど、道といいつつ造りはダンジョンと似てるそうです。
中で何と出会うかはその時その時で違うみたいで、女神様に何を試されるかは人によって違うみたいでした」
依頼に出かけたニコラスさんたちを待つ間に、午後からはルークと共に情報収集を行なっていた。
「オレらも一緒に行こうか?」
「いえ、付き添いは入れないと聞いたので、俺たちだけで行きます」
ニコラスさんの申し出にルークが答える。
「なるほど」
「残念だな」
ゲオルクさんが頷き、ニコラスさんが呟く。
「聞きたいことでもあるのか?」
ゲオルクさんが不思議そうにニコラスさんを見た。
ニコラスさんはその視線を受け止めて、真面目な顔で考え込んでいる。
「…………いや、ねぇな」
「ないのかよ」
「女神様ってのがどんな人……いや、神なのか、ちょっと見てみたかったんだよ」
「へぇ」
話が途切れたところで、年長の店主さんらしき人が注文していた肉の塩焼きを持ってきた。
「お待ちどう。肉の塩焼きだよ。ところで、悪いね、ちょっと話が聞こえたんだが、お客さん、知の女神様の試練に挑むのかい?」
「こいつらがね」
ニコラスさんがわたしとルークを示すと、店主さんは驚いた様子だ。
「君たちだけでかい?」
「付き添いは入れないんだろ」
「あぁ。そうだが、こんな若い子たちがね。
まぁ、女神様の試練じゃ命までは取られないって聞くから、頑張りなよ」
「はい!」
「あぁ」
「クリアしたら、どんなら試練だったかまた話に来てくれな」
「そん時はサービス頼むぜ」
店主の言葉にニコラスさんが答えている。
「わかったよ。けど、その子たちが女神様に会えたらだな」
「よし、リリ、ルーク、絶対女神様に会ってこいよ」
調子の良いニコラスさんの言葉に、ルークと顔を見合わせてうなずく。
そうしている間に、ニコラスさんとゲオルクさんが戻ろうとする店主を引き止めて注文をしていた。
「あ、店主、この茹でた豆、おかわりで」
「こっちの炒り豆も頼む」
「はいよっ!」
そうして、お腹いっぱい食べた後、宿へと戻った。




