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爆弾娘は今日もダンジョンを攻略中。なにかわからない加護をもらいましたが、がんばっていたら世界を改変していました  作者: 乙原 ゆん
第一章 スタンピード編

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36.リリ、スタンピードの準備を手伝う2

 師匠の家へと帰ると、師匠は休憩もせず調合に入るようだ。


「私はこれから調合に入るから、もらってきた分の薬草の準備をお願いできるかい?」

「任せてください!」

「俺も手伝います」

「なら、ルークにもお願いするよ。やり方はリリに聞いて欲しい」

「はい」


 そういって、師匠はそのまま調合に入った。

 わたしとルークは下準備を手伝う。


「薬草をまずは洗って、煮込んで、ろ過するんだよ。

 でも先に、こっちの材料を全部綺麗に粉末にしないといけないんだ」


 目の前にはもらってきた山ほどの苦戒草(くかいそう)反転草(はんてんくさ)が乾燥した状態で摘まれている。


「ならこっちは俺がする」


 ルークが苦戒草(くかいそう)の方に手をつけたから、わたしは反転草(はんてんくさ)の山にとりかかる。

 量が膨大だから、結構大変。


 そうして、翌日はギルドの人が届けてくれた青霧草の下ごしらえをしたりした。

 下ごしらえが終わると、煮込む作業をルークに教えたり、師匠が作った解毒薬を風船草(ふうせんそう)の実に注入したりして、やることはたくさんある。

 あとは、合間に全員が倒れないように携帯食を配ったりして、そういうことの繰り返しで、あっという間に三日経った。


 三人とも、回復薬を飲んで、目覚まし効果のある草を噛みながらの三徹に近くて、一旦寝てからギルドへと向かう。

 時間がもったいないから、っていって、師匠が転移の石板を使って王都の入り口の門近くに跳ぶ。


 ギルドへつくと、中にはこの三日間で出来上がった回復薬と解毒薬が山とつまれていた。

 師匠も作ってきた薬を提出する。

 ギルドの職員さんが、それらの数を数えている。

 あとでモーゼスさんがギルドのアイテムバッグにいれてもっていくみたい。



 確認するための時間がもう少し必要みたいで、師匠がモーゼスさんと話している。

 わたしとルークは隅っこで邪魔にならないように、師匠の話を聞くともなしに聞いていた。


「ゲオルクとニコラスは?」

「あいつらには先に現場に行ってもらった。

 打合せ通り、俺も行くからな」

「いいけど、ギルマスが前線に出て大丈夫なのかい?」

「こっからは指揮は取れんだろう」

「そうだねぇ」


 そうしていると、ギルドの扉が開いた。

 ミアだ!

 メイサさんも来ている。

 でもどうして?


 メイサさんは、ギルマスと師匠の所にいってしまった。

 ミアはきょろきょろと何か探しているようだ。


「ミア! 何探してるの?」

「リリ! よかったー! まだいたー」

「うん、師匠たちの準備ができたら行くみたいだけど、まだもう少し準備にかかりそうかな」

「そっかー、これ、持って行って欲しいなーって思って渡しに来たのー。

 あんまり時間がなかったから大したものは作れなかったけど、気を付けてねって気持ちを込めて作ったんだよー」


 そういって差し出されたのは、身代わりの魔法がこめられた護符。

 身代わりの魔法一定以上の攻撃を受けた時にその分のダメージを引き取ってもらう魔法だ。

 幾何学で図形どりされた花模様が刺繍されたワッペンになっている。


「使わないでいいなら、それが一番なんだけどー」

「そうだね、でもあると心強いよ」

「縫い付けるから、上着だしてー」


 そういって、ミアは手早く差し出した上着の裏地に縫い付けてくれた。


「どうかなー?」

「うん、違和感ない! ありがとう!」

「そうだ! 紹介するね! Dランク(星ひとつ)になるまでだけど、今パーティを組んでるルークだよ」

「ルークだ」

「リリちゃんがお世話になってます?」

「いや、俺の方こそ世話になってる」

「こっちは、呪具屋さんに弟子入りしてるミア」

「はじめましてー」

「あ、この間の《旅人の気まぐれ(フライアウェイ)》の飾りボタン、岩山のダンジョンに行ったときに早速役に立ったんだよ」

「そっかー。役に立ったのならよかった。

 道具は使われてこそ、だからねー。また作るよー」

「うん! わたしもまたお店に行くね」

「待ってるー。ルークさんも、一緒に来てねー?」

「ああ。ルークでいい」

「じゃ、私もミアでいいよー」


 そうして話してると、師匠に呼ばれた。


「メイサさん、こんにちは」

「ああ。今回はまた大変なことになったね。

 残念だけど、まだ頼まれたものはできあがってないんだ。

 けど、行く前にタリスマンの様子を見ておこうと思ってね。

 見せてもらってもいいかい?」

「お願いします!」


 首から下げて服の下にしまっているタリスマンを引っ張り出す。


「あ、外さなくていいよ」


 そうして、身に着けたままのタリスマンをメイサさんは覗き込んだ。

 顔が近い。

 そしてなんだかいい匂いがする。

 美人だし、どきどきしてしまう。


「ふむ。おかしいところはないね。……よし、問題なさそうだ」

「あ、ありがとうございます」

「気を付けていっておいでね」

「はい!」


 そうして、美女が離れていった。


「じゃ、そろそろ行くかぁ」

「そうだねぇ」


 モーゼスさんが言って、師匠が頷いている。

 そろそろ出発みたいだ。


「じゃ、いってくるね、ミア!」

「リリちゃんも、ルークも、気を付けてー。

 リリちゃん、無茶したらだめだよー?」

「う、わかってるもん」

「ルークもだよー?」

「わかった」


 最後に、ぎゅっとミアに抱きしめられて、ミアが離れていった。

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