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爆弾娘は今日もダンジョンを攻略中。なにかわからない加護をもらいましたが、がんばっていたら世界を改変していました  作者: 乙原 ゆん
第一章 スタンピード編

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19.リリ、ルークと初戦闘

 森色狼の討伐依頼の期限は十日後だから、日数にそこそこ余裕はある。


 ルークと二人、依頼を受けたらそのまま現場に行くつもりで装備は整えてきているから、お互い装備を確認して、ギルドを出た後は森へと直接向かうことになった。

 ポーションや毒消しなんかは師匠から分けてもらったやつがあるので町中で買う必要もない。

 歩きながら打ち合わせをする。


 事前にルークが前衛でわたしが後衛という配置は決めていた。

 ルークはメイン武器は見た目そのままの大剣だ。


 わたしの方は、火属性の魔法が一番得意だ。

 けど、火魔法は使う場面を選ぶし、使えない時は、戦闘では風と水の魔法をよく使う。火と風、水と光魔法は中級までの魔法なら詠唱省略で使えるのだ。

 一部の上級魔法は詠唱すれば使えるし、相性がいいのもあって、とにかくよく使う。


 あとは、土と雷は、実戦レベルでは使わない方がいいと師匠にもいわれている、ということも伝えておく。土魔法がもう少し使えたら、こういう森とかの地形だと罠とか作れるんだけどね。残念。


 今回は森の中なので、得意の火属性は使わない方が良いだろう、というところで認識を合わせて、あとは今日の基本戦法をもう一度確認した。


 基本戦法は、ルークが引き付けて、わたしが攻撃。ターゲットがあまりわたしに向かないようルークが動いてくれる感じで、とどめを刺すのは、そのチャンスがある方、みたいな感じでふわっと決まった。

 あとは、実戦をこなしながら調整していこうと話している。


「ちなみに、森についたけど、どっちに向かう?」

「この辺に詳しいのはリリの方だろ。任せる」

「といっても、森色狼に絞って狩ったことないし。

 《風索(ウィンドサーチ)》で森色狼の場所を探して、風下から接近かなぁ」

「それでいいんじゃないか」

「じゃ、早速!」


 そうして、ルークの提案に頷くと、《風索》を発動。

 森色狼は四、五匹の群れで行動することが多いと聞く。

 森の中には結構沢山森色狼がいるみたい。

 風が拾ってきた情報を精査して、一番近いのは、五匹の群れだった。


「一番近いのは、南西にちょっといったところに五匹。多いかな?」

「森色狼は群れで動くしな。不安ならもうちょい少ない群れを探してもらってもいいけど」


 ルークは問題なさそう。

 わたしも三匹くらいの群れなら一人で対処できると思うし、それが五匹になっても、二人いれば不安は感じない。


「わたしも大丈夫と思う!」

「ならいってみるか」

「うん!」


 言っている途中で思いついたことを伝えておく。


「あ、そうだ。まだわたしたちは見つかってないし、そのまま見つからなかったら先制攻撃はわたしがしていい?」


 ルークは少し考えて頷いた。


「見つかった場合も俺が引き付けておくから、その間に頼む」

「りょうかい!」


 そうして、ルークにも一緒に《気断(シャドウ・シールド)》をかけて、気配を抑えながら森の中に入る。


 獲物の姿は見えないけれど、あと五百メルも近づけば森色狼の群れがいるというところで一旦立ち止まった。


「じゃ、打合せ通りに」


 ルークがほとんど唇だけの囁くような声音で言う。

 わたしはそれに頷くだけで答える。


 そうして《風刃(ウィンドブレード)》を詠唱省略で三つ待機させてながら、風下から近づけるギリギリまで近づいた。

 ルークはわたしよりも気配を断つのが上手なので、もっと群れの近くに寄っている。


 ルークの歩みが止まり、わたしの方を見て微かに頷いた。

 いいみたい。


 森色狼は、わたしたちに気がつかず、地面に寝そべりくつろいだ様子だ。

 狙いは、群れのリーダーとその傍でくつろいでいる個体にする。


「《風刃(ウィンドブレード)》!」


 待機させておいたうち、二発の《風刃(ウィンドブレード)》を発動。

 油断していたところからの攻撃で、二匹は《風刃(ウィンドブレード)》から逃げることができずに、もろに首筋に《風刃》を受け倒れた。

 その間にルークが突撃していく。

 ルークがわたしの《風刃(ウィンドブレード)》の発動と同時に駆け出すと、ルークから一番近い個体に剣を振るって、一瞬でとどめを刺した。

 残り二体。


 森色狼たちがルークに向かって飛びかかろうとするので、残していた《風刃(ウィンドブレード)》を打ち込む。

 動いている森色狼にあたるとは思えないけれど、牽制にはなったみたい。

 ひるんだ隙にルークが一匹を倒す。


 あ、やばい。残った一匹がわたしを見た。


 でも、焦っちゃダメ。

 森色狼からはまだ距離がある。

 あの距離なら、飛びかかるにしても二呼吸は居る。


 《風刃《ウィンドブレード》》は、ルークの邪魔になりそう。

 ここは《水流弾(ウォーターボール)》の方がよさそうだ。

 咄嗟に決めて、発動呪文を唱えるのと、森色狼が動き出すのは同時だった。


「《水流弾(ウォーターボール)》!」


 わたしに一直線に向かってくる森色狼の顔にヒット。

 《水流弾(ウォーターボール)》が弾けてそのまま目つぶしになったみたいで、森色狼が甲高い声を上げる。

 そこをルークの剣が一閃。

 あっという間に戦いは終わった。


「怪我は?」

「大丈夫だ。リリは?」

「わたしは近づいていないし、大丈夫」

「作戦も問題もなさそうだな」

「そうだね」


 お互い、無事を確認すると、討伐部位である森色狼の牙を回収し、最初に仕留めたリーダー格の森色狼は血抜きを行う。


 森色狼はギルドでの買取もある。

 師匠が一番小さなサイズのアイテムボックスを貸してくれたから、回収部位だけじゃなくて、森色狼もまるっと持って帰ることができる。


 ちなみに、アイテムボックスは貸してくれただけで、師匠が必要な時には返すように言われている。

 材料を揃えたら、師匠が格安で作ってくれるって話なので、早く材料が取れるダンジョンまでいけるようになりたい。


 借りているアイテムボックスは腕輪型だ。

 容量が小さいだけあって、重量三百カロまでしか入らない。

 森林狼の重さは大体一匹六十カロくらいかな。

 まだ狩る予定だし、アイテムボックスに入る量も決まっているから、持って帰る個体を厳選しないといけない

 祈りをささげた後、今回は一番体が大きくて、毛皮の状態が良い森色狼以外は、わたしのつたない土魔法で穴を掘って埋めてしまう。


「血抜きが終わったら、アイテムボックスにしまうよ」

「ああ」


 そうして、ルークの作業が終わると、再び《風索(ウィンドサーチ)》を使って次の群れを探す。


「んー、一番近いところで、南東に五匹。次に近いのは真南に四匹」

「五匹の方でいいんじゃないか」

「今の群れも余裕だったもんね。賛成!」


 そうして、わたしたちは順調に狩りを続けていった。

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