敵襲
カンカンカン!!
「はっ?!起きろ!ヴァン!」
「んあ…あっ!」
それは敵襲を知らせる音。
「ラムセス!」
「あぁっ!」
俺とラムセスは急いで甲板へと飛び出す。
「黒海賊よ!」
スズちゃんが指差す方にはこちらよりも大きな海賊船!
そして暗い海面を小舟が何隻もこちらに向かってくる!
「友好的ではなさそうだな」
アウロラ号の甲板に次々と上がってくる敵海賊達。
「有り金とラムセス、ヴァンを渡しな!
大人しく言う事聞けば殺さずにいてやるよ!」
大将っぽい奴が剣を向けながらそう叫ぶ。
「ちょっ、百歩譲ってラムセスは分かるけどなんでヴァン??」
ユリがそう聞くと海賊の大将は
「うるせぇ!ドラゴンは金になるんだよ!
やっちまえお前ら!!」
と手下に号令を出して襲わせる。
「やれやれ…分かってて襲って来たなら手加減の必要はないな!」
ラムセスは剣を抜くと驚く速さで手下達を…斬り殺して行く。
「ラムセス?!」
躊躇いなく相手の首を飛ばすラムセスに俺は恐怖で動けなかった。
「ヴァン!!」
「あっ…」
海賊の一人が俺に向かって斬りかかって来る!
それを間一髪で避けるとその海賊はユリと斬り結ぶ。
「動けヴァン!やられるぞ!」
「あ…ぁ…」
ユリと戦っている海賊の背中はガラ空きだ…
(戦うんだ…戦え俺…)
でも……相手だって生きてる…
生きてるんだ…
グサッ!!
「ぁ…」
俺が迷ってるうちにユリはその海賊を刺殺し、何事もなかったように剣をその海賊の着ている物で拭う。
「ヴァン、大丈夫?」
「あ…あぁ…」
気付けばへたりこんでいた。
仲間達が…いや、ユリまでもが平然と人を殺していく…。




