第11話[ナラクノハナ]
ハナに負けてから蛇乃は学校を休む様になっていた。
もう何日も学校へ行っていない。
何だか達子にも会いづらく、登校時間に達子が迎えに来ても母に対応させ、会っていなかった。
そんな日々が続いたある日、コンビニに向かっている途中に鬼頭達也と出会った。
無視してコンビニに行こうとする蛇乃を達也は呼び止める。
「このまま達子ちゃんと会わないつもりかい?」
立ち止まる蛇乃に達也は続けて言う。
「僕なら今までの日常を取り戻す事ができる。」
そんなの不可能だと蛇乃は分かっていた。
自分自身、達子に会いたく無いのだから今まで通りの日常何て送る事ができない事くらい分かっている。
だが、達也の言葉には力があった。
まだ幼かった私と達子の仲を取り持ったのも達也だ。
コイツならと思ってしまう。
悔しいが達也が凄い人間だっていうのも理解している。
蛇乃は達也に言われるがまま後を追い、そして廃墟ビルへ辿り着いた。
昼間なのに中は薄暗く、不気味なオーラを醸し出す廃墟ビルを見つめながら、蛇乃は理解した。
恐らく、このビルの中にナラクノハナが居るのだろう。
ナラクノハナを倒し自信をつかせる。
これが達也のシナリオ何だと理解した蛇乃は落胆し、この場を去ろうとするが、達也はそれを止めた。
「君は闘わなくていい。闘うのは僕自身さ。」
達也が何を言っているのか理解できない。
それでも、闘わずに済むのならと思い蛇乃は達也の後を追い、廃墟ビルの中へ入って行った。
あの日、ハナに負けた場所に達子と恭子、そしてハナが立っていた。
「蛇乃。」
達子の声が廃墟内に響く。
私は達子を直視出来なくて目を逸らす。
そんな私の所へ向かおうとする達子を達也は止めた。
「達子ちゃん、今はジッとしていて。約束したよね?」
達子は頷くと達也の指示に従い大人しくなった。
「で、何で私が呼ばれたんだ?まさかリベンジか?へっ、辞めとけよ。また土下座する羽目になるぜ。」
鼻で笑い蛇乃を小馬鹿にするハナ。
そんなハナに達子は反論し叫ぶが、達也が達子の名前を叫び、止める。
「君の相手は僕さ。妹を悲しませ、苦しめた君を懲らしめないとね。」
そう言うと達也はハナの前に立つ。
「まっ、女性を殴る趣味は無いから殴られる専門だけどね。」
訳の分からない事を言いながら達也は手をクイっとさせ、ハナを挑発する。




