第11話[ナラクノハナ]
いつもの様に帰宅していると、蛇乃の前に元三王の一人、ナラクノハナが現れた。
蛇乃に勝負を挑む。
本来なら断る蛇乃だったが、ハナに憧れている恭子の頼みもあって、勝負する事に。
廃墟のビルへと向かい、ハナと対峙する。
恭子の掛け声と共にハナが動き出した。
ハナのハイキックを片手で受け止め反撃しようとした時だった。
ハナは体を回転させ、その勢いに身を任せつつ、蛇乃の顔を蹴る。
その蹴りを受けた蛇乃は膝をつき、降参してしまう。
たった一撃で蛇乃はハナの実力を知り、勝てないと思ってしまった。
「何だそれ。」
余りの弱さに拍子抜けしてしまうハナ。
恭之助やジョンでもさっきの一撃で負けを認めてしまう事は無い。
だが、二人は格闘家で、蛇乃は違う。
格闘家のプライドを持たない蛇乃にとって、一撃で負けを認めるのは仕方のない事だった。
そしてハナはそれを理解していた。
だからこそ、蛇乃を怒らせ、ジョンとの闘いの時に見せたあの姿を再現しようとする。
「鬼頭達子ちゃんだったか、あの子にこれから痛い目にあってもらう。それが嫌なら私を止めてみな。」
そう言うとハナは振り返り、達子の所へゆっくりと歩いていく。
蛇乃にとって達子は特別。
だからこそ、ガムシャラに向かって来る筈だ。
そう睨んでいたハナの感は外れる事となる。
「お願いします。達子には手を出さないで下さい。」
土下座して懇願する蛇乃の姿を見て、ハナは動きを止めた。
「ケッ、そうかよ。ハア、シラけちまったよ。」
そう言い残し、ハナは廃墟から出て行った。
恭子と達子が蛇乃の所へと駆け寄る。
「はあ、良かった。これで煩わしい世界最強の座から無事に引退できるわ。」
二人に心配かけまいと無理して笑う。
恭子は騙されても長年付き合いのある達子は騙されなかった。
達子は蛇乃を抱きしめる。
その行為に蛇乃はウルっと来てしまう。
「達子、お願いだから一人にして。」
達子は頷くと恭子を連れて廃墟を出て行った。
廃墟で一人になった蛇乃は、一人声を上げて泣いた。
虚しく廃墟内に泣き声が響く中、自分が何故泣いているかも理解できず、蛇乃は一人、泣き叫んだ。




