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変死 第7話

 拓哉と綾乃は、事件の手掛かりを得るため、茉里から教えてもらった青森の大学へと向かった。


 二人が訪ねたのは、大学で動物や環境に関する研究をしている南部教授だった。


 南部教授の教授室を訪れた拓哉と綾乃は、警察手帳を見せながら、


「突然、すみません。科学警察研究所の茉里さんから聞いて来たのですが……」


 と南部教授に声をかけた。


 すると南部教授は、穏やかな笑顔を浮かべ、


「ああ。さっき、茉里から電話がありましたよ」


 と言った。


 そして、拓哉と綾乃の顔を交互に見ながら、


「えっと……確か、拓哉さんと綾乃さんでしたよね?」


 と尋ねる。


「はい」


 綾乃が答えると、南部教授は、


「まあ、どうぞ。立ち話も何ですから」


 そう言って、二人を自分の教授室へと招き入れた。


 拓哉と綾乃は、南部教授に促されるまま、部屋の中へ入った。


 教授室の壁には、動物や野生植物の写真が何枚も飾られている。


 その中には、この地方ではすでに姿を見ることが少なくなった動物の写真もあった。


「随分、色々な研究をされているんですね」


 綾乃が壁の写真を眺めながら言うと、


「ええ。昔から、この辺りの自然を調べているんですよ」


 南部教授は穏やかに答えた。


 拓哉はそんな南部教授を見つめながら、


「実は……今回、先生にお聞きしたいことがあるんです」


 と切り出した。


 南部教授の表情が、ほんの僅かに変わった。


「……牛の変死事件ですね?」


「!」


 拓哉と綾乃は思わず顔を見合わせた。


 まだ事件の詳しい内容を何も話していない。


「どうして、それを?」


 拓哉が尋ねる。


 南部教授は、少し驚いたような顔をした。


「茉里から聞いていましたから……」


「そうですか」


 拓哉は納得したように頷いた。


 しかし――。


 南部教授の机の上に置かれていた一枚の写真に、綾乃の視線が止まった。


 そこに写っていたのは、夜空に浮かぶ奇妙な光だった。


「先生……この写真は?」


 綾乃が尋ねる。


 南部教授は写真を見ると、一瞬だけ黙り込んだ。


 そして、


「……昔、ここで撮影されたものですよ」


 と、静かに答えた。


 その声には、先ほどまでの穏やかさとは違う何かがあった。

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